オーラルセックスでHIVに感染?

「コンドームなしのオーラルセックスで、HIVに感染しますか?」

かつて私自身が深刻なHIV感染疑惑に陥っていたころ、こんな相談をネット上に書き込んで
いました。

と言うのも、当時私は国内外に出張が多く、つい出張先の風俗で遊んでしまった経験があった
からです。コンドームなしでオーラルセックスを繰り返していました。

全くいい歳をしたオジサンの私はHIVの感染リスクなどほとんど気にもしていませんでした。
情けない、恥ずかしいお話ですが自分だけは大丈夫だと、根拠のない自信を持っていました。

ところが私は風俗で遊んだ後に全身の発疹や帯状疱疹(たいじょうほうしん)と言う、HIV感染症に
よく見られる皮膚疾患を続けて発症してしまったのです。

自分ではもう間違いなくHIVに感染していると思い込みました。生れて初めての皮膚疾患を2つも
連続で発症するなど、ただの偶然とは思えなかったのです。

私はHIV感染を恐れ、夜も眠れない、食事も喉を通らないほど不安でした。

そんな私の不安を何とかごまかしたくて、ネット上に先ほどのような質問を書きこんでは、

「その程度ではHIVには感染しない。」

と言う回答を読んで、安心していたのです。

そう、私は質問していたと言うより、安心したかった、とうのが本音でした。

でも、私はいくらネット上で「大丈夫」と回答してもらっても、本当に気が休まることは
ありませんでした。

なぜなら、どの専門書を読んでも、公的医療サイトを見ても、

「HIVはオーラルセックスによって感染する」

と書いてあったからです。

いくら素人が「大丈夫」と言ってくれても、専門家が危ないと口を揃えて言っているのですから、
これは当然危ないのです。

ある現役の医師で、HIV関連のNPO法人の代表が運営するサイトには、実際にオーラルセックスで
HIVに感染した患者の実例まで書かれてありました。

オーラルセックスによるHIVの感染確率については、こんなデータがあります。

「HIV検査相談マップ」と言うサイトがあります。このサイトは厚生労働省がエイズ対策事業として
運営している公的サイトです。

このサイトの中に、感染ルート別のHIV感染確率が書かれてあります。性行為に関しては、
コンドームなしでHIV感染者とセックスをした場合の、1回当たりの感染確率になります。

オーラルセックスについては、フェラチオの挿入側、受け入れ側の感染確率が示されています。

◇感染ルート別HIV感染確率

感染ルート(感染リスク) 1回当たりの感染確率(%)
・・輸血 90
・・静脈注射(ドラッグ)の針の共有 0.67
・・針刺し事故 0.3
・・アナルセックス(受け入れ側) 0.5
・・アナルセックス(挿入側) 0.067
・・膣を使ったセックス(女性側) 0.1
・・膣を使ったセックス(男性側) 0.05
・・フェラチオ(受け入れ側) 0.01
・・フェラチオ(男性側) 0.005

(表1)感染ルート別HIV感染確率

表からお分かりのように、女性がHIV感染者で、コンドームなしのフェラチオをした場合、男性が
HIVに感染する確率は0.005%です。

逆に、男性がHIV感染者の場合に女性が感染する確率は0.01%です。

男女、どちらの場合も確かにオーラルセックスは性行為の中ではかなり感染の確率が低い行為
だと言えます。

しかしゼロではありません。いくら確率が低くても自分が感染してしまえば何の意味もありません。
その時点で100%です。

私が本当に心から安心出来たのは、結局HIV検査を受けて陰性と分かったときでした。
あんなに怪しい皮膚疾患を発症していた私ですが、幸運なことに陰性でした。

でも、それは単に私が幸運だっただけで、HIVに感染していても不思議ではなかったのです。

では、あなたはいかがでしょうか?コンドームなしのオーラルセックス、
やっていませんか?

あなたがコンドームなしのオーラルセックスをしていたとしても、あなたが特別なのではありません。

今や性風俗に限らず、オーラルセックスは一般的な愛情表現として普及しており、妊娠の心配が
ないことからコンドームを使わないケースが非常に多いのです。

少しデータが古いのですが、実際にコンドームがどの程度使われているのか興味深いデータを
見つけたのでご紹介します。

『平成9-11年度「HIV感染症の疫学研究」総括研究報告』の 中に、コンドームを毎回使う人の
割合を調べたデータが報告されています。

調査の対象となる人は2つのグループに分けられています。

●一般集団

●何かの性感染症に感染した人たちの集団

この2つです。

そして、この2つの集団に対して、次の3つのケースについて毎回コンドームを使用するかどうか
調査しています。

●性行為の相手が特定の決まった相手の場合

●性行為の相手が不定期の相手の場合

●性行為の相手が風俗の場合

この3つのケースです。

調査結果は次の通りでした。

◇オーラルセックスで毎回コンドームを使用する人の割合

性行為の相手 感染集団 一般集団
特定の決まった相手 1.6% (10/627) 3.6% (46/1,287)
不定期の相手 1.7% (7/421) 4.0% (6/150)
性風俗の相手 3.5% (17/482) 24.2% (37/153)

(表2)オーラルセックスで毎回コンドームを使う人の割合

いかでしょうか?この実態にあなたは驚きますか?それとも、納得しますか?

ごく普通に健康な人でも風俗でのオーラルセックスにコンドームを毎回使用すると答えた人は
たったの24.2%であり、4人に1人もいなかったのです。

そして風俗以外の相手に至っては、コンドームを毎回使う人はほとんど存在しないことが分かります。
HIV感染者は風俗従事者とは限らないにも関わらずです。

コンドームを使わないオーラルセックスは、今や日常的であり、特別でも
何でもありません。

この事実は、あなた自身がオーラルセックスに注意してコンドームを使っていたとしても、あなたの
周囲にはコンドームを使わない人が圧倒的に多いことを示しています。

ここまでのお話をまとめます。

●HIVはオーラルセックスによって感染する。

●しかし、オーラルセックスのときにコンドームを毎回使用する人は極めて少ない。

以上の事実を知った上で、あなたがオーラルセックスのときにコンドームを使うか、使わないか、
それはあなたが決めることです。

「そんな低い確率なら平気」

とコンドームなしでオーラルセックスをしますか?

最後にもう1つ情報をあなたにお伝えしておきます。

オーラルセックスで感染するのはHIVだけではありません。他の性感染症も感染するものが沢山
あります。

例えば、クラミジア、淋菌、性器ヘルペス、梅毒などはみなオーラルセックスで感染します。
そして、HIVとはケタ違いに感染力が強い為、オーラルセックスによる感染者は珍しくありません。

特にクラミジアと淋菌は咽頭感染しやすく、ファッション系風俗が一大感染源となっています。

そして、これらの性感染症に感染すると健康な人に比べて3倍から5倍もHIVへの感染確率が高く
なります。これは感染した患部が炎症を起こすと、そこからHIVが侵入しやすくなる為です。

つまり、オーラルセックスは直接HIVに感染するリスクもあるし、他の性感染症に感染することに
よってHIVに感染しやすくなると言うリスクもあるのです。

HIVはむろん、クラミジアや淋菌も感染しても自覚症状が薄い病気です。特に咽頭感染は気が
付かないことが多いとされています。

もしもあなたが、現在でも過去においてでも、コンドームなしのオーラルセックスをした経験がある
なら、一度はHIVを始めとする性感染症の検査を受けておいた方が安心だと思います。

冒頭に私の相談サイト書き込み体験を書きました。でも、あなたはどうかそんな無意味な相談は
止めて下さい。

誰が何と 言おうとも、HIVに感染したかどうかはHIV検査以外に判定
方法はありません。

そこであなたもご承知のように、HIV検査は全国どこの保健所でも無料・匿名で検査してくれます。
また、クラミジアや梅毒などの性感染症も同時に無料で検査してくれる保健所も多いです。

ただし、オーラルセックスによるクラミジアや淋菌の咽頭感染は保健所では分からないかも
知れません。

ご参考までに、私が自分のHIV感染を疑ったときに使用した検査キットをご紹介します。

あなたがHIV検査を受ける決心さえすれば、わざわざ保健所まで行かなくても、
あなたの自宅でHIV検査を受けることが可能です。

HIVの他にも、咽頭感染の多いクラミジア、淋菌も自宅で検査できます。

*私が使用したHIV検査キットはこれです。

・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)
・HIVのみ

*HIVとクラ ミジア、淋菌感染も不安なあなたはこちらです。

・STD研究所 STDチェッカー TypeR(男性用)
・HIV/クラミジア/淋菌/梅毒/B型肝炎/C型肝炎
・クラミジア(咽頭感染)/淋菌(咽頭感染)
・STD研究所 STDチェッカー TypeS(女性用)
・HIV/クラミジア/淋菌/梅毒/トリコモナス/カンジダ
・クラミジア(咽頭感染)/淋菌(咽頭感染)

HIVはむろん、淋菌、クラミジアの咽頭感染も自覚症状がほとんどありません。ご用心下さい。


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