こではウイルスについての説明、その2回目です。ウイルスの色んな特徴についてお話してみたいと思います。

まず、ウイルスの大きさについてです。ウイルスは直径が25nmから350nmで非常に小さいのです。nmと言う単位、お分かりでしょうか。めったにお目にかかることがありませんね。1nmは、1mmの百万分の一です。ですから、当然ウイルスは肉眼では見えないし、普通の高倍率の顕微鏡でも見えません。電子顕微鏡でないと見えないのです。

電子顕微鏡で見たウイルスがどんなものか、色んなサイトで紹介されています。ちょっと例をご紹介しましょう。

◇病原微生物電子顕微鏡写真集 (ウイルス)   広島県感染症情報センター

◇山形県衛生研究所 微生物部 ウイルス電子顕微鏡写真

ご覧頂きましたか? これが電子顕微鏡で見えるウイルスの姿、形です。色んなウィルスがいますが、ウイルスは細胞を持っていません。普通、生物はみな細胞を持ち、これが生命活動の最小単位なのですね。細胞があることによって、生物は自分自身で代謝、分裂、遺伝に関する活動を行うことが出来るのです。細胞を持たないウイルスは、こういった生命活動の基本的なことが自分の力だけでは出来ません。他の生物に取り付き、その宿主の細胞を利用して活動するのです。

細胞を持たないウイルスの体は、RNAやDNAといった遺伝子の入った核酸と、それを取り巻くカプシドと呼ばれるたんぱく質の殻で出来ています。たった、これだけです。あまりに単純過ぎて、細胞を持つ生物の基本的な活動が出来ないために、ウイルスは生物とは呼べないと言う議論が出てくるのだそうです。⇒HIVは生物か?のページ参照

また、普通の生物がDNAとRNAと言う2種類の役割の異なる遺伝子を持っているのに対して、ウイルスはDNAか、RNAか、どちらか一方しか遺伝子を持ちません。それで、どちらの遺伝子を持ってるかによって、DNAウイルス、RNAウイルスの2種類に分けられています。それぞれの代表的なウイルスを並べてご紹介しましょう。

【RNAウイルス】

ノロウイルス (胃腸炎)

A,B,C型インフルエンザウイルス

ムンプスウイルス (おたふく風邪)

麻疹ウイルス (麻疹、はしか)

日本脳炎ウイルス

C型肝炎ウイルス

風疹ウイルス

狂犬病ウイルス

エボラウイルス

ヒトT細胞白血球ウイルス

HIV

【DNAウイルス】

ヒトパピローマウイルス  (イボ・子宮頸ガン)

単純ヘルペスウイルス1型 2型

水痘・帯状疱疹ウイルス

サイトメガロウイルス

ヒトヘルペスウイルス6・7・8型

B型肝炎ウイルス

天然痘ウイルス

と、まぁこんな具合です。日頃聞きなれたウイルスの名前も出てきますね。RNAウイルスにしろ、DNAウイルスにしろ、片方だけの遺伝子で自分のコピーを作ることは出来ません。感染した宿主の細胞を巧妙に利用して増殖を図るのです。このウイルスの増殖方法こそが、他の生物にはないウイルスの最大の特徴と言えるのではないでしょうか。

では、ウイルスの増殖方法についてお話しましょう。ウイルスは増殖するため、まず宿主の細胞に取り付きます。このとき、ウイルスは宿主細胞にくっつくための足がかりとしてレセプターを利用します。レセプターとは、受容体のことで、細胞が外部の刺激を感じ、受け取って情報に変えるため、細胞表面に出来た構造物のことです。ここは非常に専門的で、私も正直よく理解できません。ただ、全ての細胞、1つ1つにこういった情報受け取りのための構造が細胞表面にある、と言うことです。

ウイルスはこのレセプターを目印、足がかりとして細胞に取り付くと、細胞内に入りこみ、たんぱく質の外套を脱ぎます。これを脱殻と言うそうです。この後に様々な手段を使って宿主が営んでいる正常な代謝活動を遮断し、宿主の細胞に自分自身のコピーを作らせます。

その増殖方法を、HIVを例にとって説明してみましょう。HIVの場合は、リンパ球の中にある、ヘルパーT細胞という免疫細胞の、CD4と言う構造物をレセプターとして取り付き、細胞内に入り込みます。HIVはいったんT細胞に入り込むと、自分のRNAを放出します。また、同時にそのRNAを侵入したT細胞自体のDNAに転写させることの出来る酵素を作り出すのです。その結果、DNAが変化したT細胞の子孫は、全てHIVの遺伝子情報を保有することになるのです。本来は自分自身の複製を行うはずの、このT細胞は新たなHIVの製造工場と変わり果て、HIVを作り続けて最後は自分が破壊されてしまう運命となるのです。何とも壮絶な免疫細胞とHIVとの戦いです。

ウイルスの特徴についてお話してきましたが、少しでも頭の中にイメージして頂けたでしょうか。ウイルスが感染する仕組をお分かり頂けたでしょうか。

では、次にウイルス以外の病原菌も見ていきましょう。⇒「その3」

________________________________________________

あなたが、

「HIV?自分に限っては大丈夫・・」

なんて根拠のない気休めや自信に頼っていると、いきなりエイズを発症して

「まさか自分が感染するなんて・・」

と後悔する危険性もあります。

あなたにとって早期のHIV検査がどれほど大事か、ぜひ次の記事をご覧ください。HIV検査を遅らせることであなたにプラスになるこは何ひとつありません。いかに危険ばかりが大きくなっていくか、お分かり頂けるはずです。

○「生存率」・「いきなりエイズ」・「潜伏期間」、この3つをご存知ですか?

あなたがHIV検査を先延ばしに出来ない3つの理由とは?



・・HIV(エイズ)検査完全ガイド  TOP