オラクイックという自宅で使えるHIV検査キットが話題になっています。

これはアメリカでのお話で、オラシュア・テクノロジーズ社(ペンシルベニア州)が開発したそうです。ニュースソースはこちら⇒『エイズ検査、自宅でも 米当局がキット初認可 』

オラクイックは血液採取の必要がなく、唾液などを綿棒で採取し、これを専用の容器に入れます。すると20分から40分で感染しているかどうか分かるというものです。ドラッグストアなどの店頭で購入することができ、自宅でHIV検査が可能になります。

オラクイックはアメリカ食品医薬品局(FDA)が初めて店頭販売の検査キットとして認めた製品なのだそうです。販売開始は2012年の10月からだそうです。

しかし、この検査キット、ニュースをよくよく読むと、ちょっと気になる点があります。というのは、

●HIV感染者へのテストで92%

●非感染者へのテストで99%

の確率で正しく検査したと言うのです。この確率、高いと言えますか?私なら絶対に使わないです。まぁ、その点は最初から折込済みであり、FDAも、

●陽性判定が出たら⇒医療機関での再検査が必要。

●陰性判定が出たら⇒過去3ヶ月以内に感染の可能性を伴う行為があれば検査結果は保証できない。

としているそうです。でも、私に言わせるとこれだけの注意では足りないと思います。陽性の場合に医療機関で再検査は分かります。これは問題ありません。しかし、HIV感染者へのテストで92%の確率しかないってことは、感染者100人を検査したら8人は陰性になってしまうということです。本当は感染しているのに感染していないと判定する偽陰性です。

日本で行われている抗体検査の偽陰性率は250万分の1だそうです。(データはこちら⇒「HIV検査について」)まぁ、このくらい低い確率なら偽陰性も無視できると思います。でも8%は頂けません。

要するにオラクイックという検査キットは、陰性でも陽性でも再度医療機関で再検査が必要なのではと思います。ではいったいどんなときに使う検査キットなのでしょうか。

病院に行けず、血液を採取して医療機関におくる検査キットも使えない、そんな環境下にある場合、暫定的に使用する、ということなら理解できます。例えば砂漠のど真ん中や離れ小島、あるいは密林の奥地などです。そんな医療機関の整ってない場所でともかく早期に検査したい、というニーズには合うかも知れません。

しかし、街中に住んでおり、いつでも血液検査が受けられる環境にいる人がわざわざオラクイックを使う理由があるでしょうか。偽陰性率8%と知って使う人はあまりいないと思うのですが。いくら自宅で検査が出来るといっても検査結果が信頼できなければ使えません。

むろん、私が今書いていることは単に『エイズ検査、自宅でも 米当局がキット初認可 』という記事を読んで思った感想なので、事実認識に誤りがあるかも知れません。そこは予めお断りしておきます。

もう1つ付け加えます。唾液でHIV感染を検査するキットは、何もこれが初めてではありません。実は今回と同じオラシュア・テクノロジーズ社が2004年にオラクイックアドバンスという商品を開発し、アメリカでFDAの認可を受けて販売を開始しています。今回の商品とどう違うのか詳細は不明です。

オラクイックアドバンスは当サイトでも記事に取り上げています。⇒『唾液によるHIV検査について』興味のあるあなたはぜひご覧ください。

なお、オラクイックの使い道について先ほど書きましたが、医療機関のない場所で簡単にHIV感染が検査できるキットはとても重要です。どの国でも日本と同じように検査が受けられる環境とは限りません。

オラクイックがそんな医療環境に恵まれない場所向けに開発された検査キットでなくても、結果的にそうした用途に使えるのなら、それはとても有意義なことであり、素晴らしいことだと思います。

なお、オラクイックの情報はこちらの動画サイトでも見ることが出来ます。⇒『エイズ検査キット開発』

*保健所や病院に行かなくても、簡単にHIV検査ができます。

・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)

■この検査キットの信頼性についてはこちら⇒検査の信頼性
■この検査キットを使用した人の声はこちら⇒利用者の声情報


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