HIVに母子感染した赤ちゃんが出産直後からの積極的な治療によって完治したというニュースです。

このニュースはすでにネット上では数々のメディアで紹介されており、あなたもご存知かも知れませんね。でも、まだ知らないあなたもいるかも知れないのでここで取り上げてみたいと思います。

今回のニュースソースはこちらです。⇒『エイズ感染乳児、初期の積極的な投薬で治癒』

◇正確に言うと・・・

最初に誤解のないよう、言葉の定義、正しい使い方について書きます。ニュースソースに出てくる表現で、「エイズ感染」とは「HIV感染」の間違いです。「エイズウイルス」という表現も出てきますが、これも「HIV」の間違いです。つまり、この赤ちゃんはHIVに感染した母親から生まれHIVに感染したのです。エイズを発症したわけではありません。

記事によると、赤ちゃんは2年半前にアメリカのミシシッピ州で生まれました。母親は自分がHIVに感染していることを知らず、当然治療も受けていませんでした。

母親がHIVに感染している場合の赤ちゃんへの感染確率は15%~35%、あるいは45%と言われています。ただし母親が治療を受ければ1%以下にできるとも言われています。

今回の場合は事前に母親のHIV感染が見つかっておらず、治療を受けないままの出産だったのです。

そして出産後の迅速なHIV検査で赤ちゃんがHIVに感染していることが分かりました。そこでただちに赤ちゃんに対して抗HIV治療が行われたのです。その治療は今までのやり方からすると初期から非常に積極的な薬の投与だったそうです。

その結果、この赤ちゃんは出産から29日目には通常の検査ではHIVが検出できないレベルまで減少しました。その後いったん治療が途切れる事態に陥るのですが、昨年8月の検査ではHIVが全く見つからななかったそうです。

詳しいいきさつはこちらからどうぞ⇒⇒『エイズ感染乳児、初期の積極的な投薬で治癒』


◇過去にはたったの1件だけ完治例があった

先の赤ちゃんはHIV感染症が完治したのかも知れないと注目されています。母子感染した赤ちゃんに、生後間もない時期から積極的な治療を行うことが劇的な治療効果を生む可能性があるのでは?と注目されているのです。

そこで思い出すのは、過去にたった1件だけHIV感染症が完治した事例がありました。

⇒『世界初!HIV感染症が完治した?』

この事例は40代のドイツ人男性が骨髄手術を受けることによってHIV感染症が完治したというものでした。ただし非常にまれな特殊事情があり、到底一般的な治療法とは言えません。この男性だけに限られた事例だったのです。

しかし、今回の赤ちゃんの例はもしかしたら、今後母子感染で生まれてくる赤ちゃんに対して、新たな治療法を開拓するきっかけになるかも知れないと言われています。そこが注目される理由です。

日本国内においては1年間に発生する母子感染の件数はゼロかせいぜい1、2件です。しかし、南アフリカなど海外に目をやれば毎年合計で30万人から40万人の赤ちゃんがHIVに感染しています。

今回の事例はこうした母子感染によるHIV感染症の赤ちゃんを救うことが出来るきっかけになるかも知れないのです。ぜひとも今後の研究によってそれを実現してもらいたいものです。

*「生存率」・「いきなりエイズ」・「潜伏期間」

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