HIVに感染しても早期発見できればエイズ発症を防ぐことが出来るため、「早期のHIV検査は救命的検査」と言われています。

かつてHIV感染症は致死的疾患でした。いったん感染してしまえば5年から10年くらいの潜伏期間のあとエイズを発症し、2年以内に死んでしまう病気でした。

しかし、1997年頃から始まったARTと呼ばれる治療法により予後は劇的に改善されました。エイズ発症前にHIV感染が分かればエイズを防ぐことができるし、仮にエイズを発症した後でも免疫力を復活させることが可能になりました。

こうしてHIV感染症は致死的疾患からだんだんと慢性疾患に近づきつつあるとさえ言われています。でも、それは100%どんな場合でも言えることなのでしょうか?

・・◇病変 キャリア⇒エイズ発症(任意・参考データ)


厚生労働省エイズ動向委員会では、新規のHIV感染者の件数と共に、HIV感染者がエイズを発症した件数も発表しています。ただし、新規のHIV感染者が全数報告なのに対し、感染者がエイズを発症した病変件数は任意報告となっており全数ではありません。

つまりHIV感染者がエイズを発症したケースは報告しても報告しなくてもいいのです。まずそれをご了解いただいた上で、下のグラフをご覧頂きましょう。

キャリアからエイズへ病変
グラフ1.キャリアからエイズへ病変

これは2003年から2012年まで、HIV感染者がエイズを発症した件数を任意報告分で集計したものです。元データはエイズ動向委員会発表データとなります。

ただし、

●任意データであり全数をカバーしていない。

●各年の四半期ごとの速報値を集計したデータであり、正式版ではない。恐らく正式版では件数が増えていると思われる。

こうした条件付です。つまり実体としてはキャリアからエイズを発症した人はもっと多いはずです。

さて、ここでご紹介したデータは、新規HIV感染者として報告された後に病変としてエイズを発症した件数です。ということは、HIVに感染しても治療を受ければエイズ発症を防ぐことが出来る、という説明に矛盾します。

HIV感染の全てのケースでエイズ発症が防げるわけではなく、中には治療を行ってもエイズを発症するケースもあり得るということでしょうか。例えば患者が医師の指示通りに薬をのまなかったとか、薬の効果が想定外に効かなかったとか。

あるいはHIV感染の発見が遅れてエイズ発症には至らないもののかなり免疫力が低下していたとか。この辺の専門的な見解は不明です。


・・◇病変 生存⇒死亡(任意データ)


次に、すでにエイズを発症していたとして報告される新規エイズ患者の病変報告です。こちらも任意での報告であり全数データではありません。

次のグラフをご覧ください。


グラフ2.生存から死亡病変

ご覧頂いてお分かりの通り、1997年ごろを境に死亡者は激減しています。これは先にご紹介したART治療によってエイズ患者の免疫力が回復出来るようになった為です。

しかし、死亡者がゼロになった訳ではありません。任意報告だけもグラフのような死亡者がいます。ただし、この任意データにはエイズ関連死以外のケースも含まれているそうです。つまりエイズ患者がエイズ指標疾患以外の病気で亡くなった場合も含みます。

従ってエイズ関連死による病変件数は正確には不明です。元々が任意データですので、絶対数として見るのではなく動向を把握するデータとしてご覧頂ければと思います。



・・◇やはり早期のHIV検査は救命的検査


グラフ2からお分かりのように、ART療法が劇的に予後を改善したのは間違いありません。そして多くの専門書に書かれているように、ARTが有効に働くにはHIV感染の早期発見が望ましいのです。

当サイトで何度もご紹介してきましたが、ACCセンター長の岡慎一氏がいつも指摘されているように、「早期のHIV検査は救命的検査である」と言えます。今回ご紹介したように全てのケースで病変が防げている訳ではありませんが、少なくとも早期発見はよりあなたの命を救う可能性を高めます。これは間違いありません。

*保健所や病院に行かなくても、簡単にHIV検査ができます。

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