TOP コラム一覧コラム(保健所/血液センター)>献血件数とHIV陽性件数


ここでは、献血の件数と、その献血から見つかったHIVの陽性件数をご紹介します。

過去にHIV・エイズ関連コラムで、「HIVと献血(過去22年)」と言う記事を載せました。今回は、再度この記事を検証してみたいと思います。まずは、下のグラフを見て下さい。

これは、エイズ動向委員会から報告された、過去23年間の献血件数と、その献血から見つかったHIV陽性の件数を年別にグラフ化したものです。(グラフは管理人の製作です。)2010年のデータは、2011年2月7日にエイズ動向委員会から発表になった速報値です。

青い棒グラフが、献血件数です。赤い折れ線グラフがHIV陽性件数です。いかがですか? 一目瞭然ですね。献血件数は減少傾向で、HIV陽性件数はぐんぐんと右肩上がりで増加しています。

献血で採取された血液が、HIVに汚染されていないかどうか、抗体検査が始まったのは1986年からです。上のグラフは1987年からのデータですから、ほぼ開始から現在に至るまでの全データと言えます。

さて、直近の数年を見ると、HIV陽性は2008年をピークに、2009年、2010年と2年連続で減少しています。2007年から3年連続で100件を超えていたのですが、2010年の速報値では86件であり4年ぶりに100件以下の水準に戻りました。今後もHIV陽性が減少すればいいのですが。

あなたもご存知のように、HIV検査には必ずウインドーピリオドと言う、検査しても陽性かどうか判定出来ない時期が存在します。これは、HIVに感染しても抗体が出来るまでに時間がかかったり、体内のHIVが増殖するのに時間がかかるためです。

献血のHIV検査も、1998年頃までは抗体検査を行っていました。これは、血液中にHIVの抗体があるかどうかを調べるもので、直接HIVを見つける検査ではありません。

HIV抗体検査のウインドーピリオドは、感染後3ヶ月と言われています。これは相当安全率を見ているので、実際にはもっとウインドーピリオドの期間は短いでしょう。しかし、それでも1ヶ月以上はかかります。

そこで、1999年頃からNAT法と言う検査が献血のHIV検査に導入されます。これは、HIVの遺伝子を見つける方法なのですが、最大の特徴、メリットは血液中のわずかなHIVであっても、その遺伝子を何万倍にも増幅して検査するため、感染初期であっても精度の高い検査が可能になることです。

このNAT法におけるウインドーピリオドは、標準的な目安といったものはないそうですが、凡そ感染後11日目から検査可能と言われています。でも、個人差もあり確実ではありません。安全率を見れば、やはり6週間後くらいになるようです。それでも抗体検査よりもウインドーピリオドが短いのは間違いなく、献血でのHIV感染が見逃されるリスクは減りました。

では、現在、献血で集められた血液を輸血に使って、HIV感染は報告されていないのでしょうか。実は、2003年に1件、輸血によるHIV感染が報告されているのです。むろん、献血で集まった血液は全数HIV検査をしていますから、ウインドーピリオドですり抜けたのでしょう。

ただ、幸いなことに2003年のその1件を最後に、2004年以降、現在に至るまで輸血によるHIV感染は報告されていません。

しかし、ウインドーピリオドが存在する限り、今後も献血からの血液感染が可能性ゼロになる訳ではありません。それだけに少なくとも、献血をHIV検査代わりに利用するようなことだけは防ぐ必要があります。もしもあなたにHIV感染の不安や心配があるのなら、必ず保健所で検査を受けるようにしましょう。

なお、仮にあなたが献血をHIV検査代わりに使おうとしても、血液センターではHIV検査の結果をあなたに教えることはありません。血液センターのHIV検査は輸血用血液の感染防止が目的であって、あなたのためにHIV検査を行っている訳ではありません。

HIV検査の結果を教えないことによって、保健所代わりに使われることを防いでいるのです。もしもHIV感染の不安がある人が大勢、保健所の代わりに献血を使いだしたら、輸血用血液がHIVに汚染される可能性が高くなります。

あなたがHIV感染の不安を持ちながら、どうしても保健所や病院が嫌だ、行きたくないと思うのであれば、献血を利用するのではなく検査キットを使ってください。検査キットなら誰にも知られず、あなたの自宅で簡単、安全にHIV検査が受けられます。

近年、HIV感染からエイズ発症までの潜伏期間は短くなっています。かつてのように感染から10年もかからず1年から3年で発症する例が増えているのです。これはHIVが人間の免疫機能から逃れる変異を遂げて体内での増殖速度が速くなったためです。

あなたがHIV感染の不安を抱えたまま献血に行ったり、検査をためらっているといきなりエイズの危険性が高まるばかりです。どうかあなたの命取りになるような後悔は避けてください。

ご参考までに、私が使った検査キットをご紹介しておきます。私はたったの10分で使えました。

*私が使用したHIV検査キットはこれです。

STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)








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