2015年第2四半期(4月~6月)のエイズ動向が、厚生労働省エイズ動向委員会より発表されました。(8月18日付け)

その概要を速報であなたにお届け致します。最新のエイズ動向としてご覧下さい。

今回報告されたのは、2015年3月30日から2015年6月28日までの約3ヶ月間のエイズ動向情報です。従って2015年の第2四半期(4月~6月)にあたります。

情報源はこちらです⇒『エイズ動向委員会報告』

今回の発表では新規HIV感染者は267件、新規エイズ患者は118件となり、どちらも前回(2015年第1四半期)よりも増加傾向にあります。詳細は本文にて。

今回の報告でエイズ動向委員会岩本委員長コメントの中では前回に引き続き、

「幅広い年齢層においてHIV感染の報告が認められた。性別・年齢を問わず、HIVに感染する可能性がある。」

と警告されています。HIVというウイルスは感染力が非常に弱いウイルスではありますが、感染するときは年齢、性別関係なしという訳です。近年、高齢者に「いきなりエイズ」が多い傾向にあり、特に高齢者のHIV検査が重要ということでしょうか。

では、エイズ動向委員会のデータから主要なものをご紹介しましょう。本文のグラフ、表は全て管理人がエイズ動向委員会から公表された数値を元に作成したものです。

このページは長文です。そこで目次を作りました。あなたが読みたい項目をクリックすると途中を飛ばして読むことが出来ます。時間のないあなたはどうぞご利用下さい。

◇2015年第2四半期エイズ動向 目次

1.2015年第2四半期(4月~6月) 新規HIV感染者とエイズ患者の人数

2.2015年第2四半期 新規HIV感染者とエイズ患者の感染ルート

3.2015年第2四半期 新規HIV感染者・エイズ患者年代別分布

4.2015年第2四半期 都道府県別新規HIV感染者・エイズ患者数

5.保健所などの抗体検査数

6.献血件数、及びHIV抗体検査陽性件数

7.まとめ

1.2015年第2四半期(4月~6月) 新規HIV感染者とエイズ患者の人数

項目 4月-6月 前回 昨年同時期
新規HIV感染者数(人) 267 221 276
新規エイズ患者数(人) 118 100 120
合計数(人) 385 321 396
いきなりエイズの割合(%) 30.6% 31.2% 30.3%

表1.新規HIV感染者とエイズ患者

表中の前回とは2015年1月~3月(第1四半期)を指します。前回から比較すると新規HIV感染者は46人、新規エイズ患者は18人の増加となっています。

四半期第2サマリー

図1.2015年第2四半期サマリー

 

いきなりエイズの割合はほぼ横ばい状態です。

いきなりエイズの割合=新規にHIV感染者として報告された人のうち、すでにエイズを発症していた人の割合

それでは個別にデータをみていきましょう。

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重複感染するとより重症化したり、進行が早くなったり!
タイプO ・HIV・梅毒・B型肝検査。(男女共通
・HIVと最も重複感染の多い性感染症。

矢印STDチェッカー タイプO

2.2015年第1四半期 新規HIV感染者とエイズ患者の感染ルート

2-1)新規HIV感染者感染ルート
2015年第2四半期(4月~6月)の新規HIV感染者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 件数 比率 (%)
異性間性的接触 63 23.6
同性間性的接触 169 63.3
静注薬物使用 0.4
母子感染 0.4
その他 3.0
不明 25 9.4
合計 267
100.0

表2.2015年第2四半期 新規HIV感染者の感染ルート

表2をご覧頂いてお分かりのように新規HIV感染者の最大感染ルートは同性間の性的接触です。169件全て男性同士の性的接触となっています。

なぜ男性同士の性的接触にHIV感染が多いのか?それは当サイトでも再三記事にしてきました。避妊の必要がないのでコンドームを使用しないことが多い、アナルセックスは小さな傷や出血が多い、こうしたことがHIV感染の確率を高めています。

また、母子感染が1件発生しています。出産前に妊婦のHIV感染が分かっていれば感染確率は1%以下にすることが可能です。今回の発生状況は分かりませんが、恐らく事前には分かっていなかったのではないでしょうか。

表2をグラフにしたものが図2です。

ルート第2四半期HIV感染
図2.2015年第2四半期 新規HIV感染者の感染ルート

図2をご覧の通り、異性間、同性間、両方の性的接触を合計すると全体の86.9%を占めます。つまり日本国内において新規HIV感染者は9割近くが性行為によって感染しているのです。

2-2)新規エイズ患者感染ルート

2015年第2四半期(4月~6月)の新規エイズ患者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 件数 比率 (%)
異性間性的接触 27 22.9
同性間性的接触 67 56.8
静注薬物使用 0.0
母子感染 0.0
その他 2.5
不明 21 17.8
合計 118
100.0

表3.2015年第2四半期 新規エイズ患者の感染ルート

新規エイズ患者においても最大感染ルートは男性同士の性的接触となっています。理由は先ほど説明した通りです。こちらも同性間の性的接触は全て男性同士です。

表3をグラフにしたものが図3です。

ルート第2四半期エイズ感染
図3.2015年第2四半期 新規エイズ患者の感染ルート

異性間、同性間、両方の性的接触を合わせると全体の79.7%となります。新規エイズ患者の8割は性行為によって感染しています。

新規HIV感染者の9割近く、新規エイズ患者の8割が性行為によって感染しています。いかにコンドームがHIV感染予防に有効か、この結果からも分かりますね。

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まずはこれだけ検査すれば一安心。感染ルートは皆同じ。
タイプE ・HIV・梅毒・B型肝炎
・クラミジア・淋菌
・一番怖い病気と一番感染者が多い病気

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3.2015年第2四半期 新規HIV感染者・エイズ患者年代別分布

新規HIV感染者とエイズ患者の年代別分布データをご紹介します。

3-1)2015年第2四半期 新規HIV感染者の年代別分布

年齢区分 件数 比率 (%)
10歳未満 0.4
10歳~19歳 0.0
20歳~29歳 90 33.7
30歳~39歳 82 30.7
40歳~49歳 57 21.3
50歳~59歳 22 8.2
60歳~69歳 13 4.9
70歳以上 0.7
不明 0.0
合計 267
100.0

表4.2015年第2四半期 新規HIV感染者の年代別分布

この表だけでは分布が直観的に分かりずらいのでグラフにしてみました。図4をご覧下さい。

表4をグラフにしたものが図4です。

分布第2四半期HIV年齢
図4.2015年第2四半期 新規HIV感染者の年代別分布

図4をご覧頂いてお分かりのように新規HIV感染者は20代から40代に集中しており、全体の85.7%を占めています。中でも今回特徴的なのは20代の比率が多いことです。2014年通期のデータでも20代のHIV感染者の比率が増えており、若者へのHIV感染予防が指摘されているところです。

3-2)2015年第2四半期 新規エイズ患者の年代別分布

年齢区分 件数 比率 (%)
10歳未満 0.0
10歳~19歳 0.0
20歳~29歳 15 12.7
30歳~39歳 23 19.5
40歳~49歳 44 37.3
50歳~59歳 24 20.3
60歳~69歳 10 8.5
70歳以上 1.7
不明 0.0
合計 100
100.0

表5.2015年第2四半期 新規エイズ患者の年代別分布

こちらも表では感覚的に分かりずらいのでグラフをご覧頂きましょう。

表5をグラフにしたものが図5です。

第2四半期エイズ年齢分布
図5.2015年第2四半期 新規エイズ患者の年代別分布

図5を図4と比べてみて下さい。新規エイズ患者の年齢層(図5)の方が高齢化しているのが分かります。これはHIV感染からエイズ発症までの潜伏期間が数年から10数年と長いことが理由としてあります。

しかし、同時に高齢者の方がHIV検査を受ける人の割合が少ないのではないでしょうか。第2四半期全体の「いきなりエイズ」の割合は30.6%ですが、50歳以上に限ってみると実に50%まで跳ね上がります。

「いきなりエイズ」と言うのはHIV感染が分かったときにはすでにエイズを発症していた患者さんです。もっと早期にHIV感染が分かっていれば抗HIV治療によってエイズ発症を防げたはずです。

高齢者の方が、「まさか自分が・・・」との思いが強いのではないでしょうか。何度も書きますがHIV感染に年齢は関係ありません。

 

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4.2015年第2四半期 都道府県別新規HIV感染者・エイズ患者数

2015年第2四半期(4月~6月)の都道府県別HIV感染者、エイズ患者の動向を表にしてあります。また今回までの累計データも載せました。赤字は特に感染者の多い都道府県です。

区分 新規HIV感染者 新規エイズ患者
都道府県 今回 累計 今回 累計
北海道 244 149
青森県 48 30
岩手県 27 31
宮城県 120 84
秋田県 21 23
山形県 25 23
福島県 68 45
茨城県 519 318
栃木県 241 192
群馬県 182 133
埼玉県 490 332
千葉県 749 512
東京都 95 6,461 21 1,994
神奈川県 19 1,189 576
新潟県 88 58
山梨県 107 47
長野県 302 196
富山県 37 28
石川県 74 36
福井県 48 34
岐阜県 134 114
静岡県 401 197
愛知県 19 1,023 10 519
三重県 147 84
滋賀県 72 60
京都府 222 109
大阪府 36 2,189 10 703
兵庫県 378 213
奈良県 101 71
和歌山県 59 47
鳥取県 13 16
島根県 18
岡山県 126 73
広島県 205 107
山口県 56 21
徳島県 34 21
香川県 53 43
愛媛県 72 51
高知県 35 21
福岡県 11 452 216
佐賀県 29 14
長崎県 47 30
熊本県 75 56
大分県 48 25
宮崎県 47 33
鹿児島県 75 57
沖縄県 195 102
合計 267 17,346 118 7,851

表6.都道府県別新規HIV感染者・エイズ患者数

なお、このデータはあくまでも報告地ベースであり、新規のHIV感染者、エイズ患者が報告された都道府県に居住しているとは限りません。例えば北海道に住んでいる人が東京に遊びに来てHIV感染が見つかれば東京でカウントされます。

表6から、新規のHIV感染者、エイズ患者の多い都道府県は、東京、大阪、神奈川、千葉、愛知などです。

また、あなたのお住まいの都道府県でHIV感染者やエイズ患者が少ないからといって、それはあなたがHIVに感染するリスクが少ないと言うことではありません。どうぞ誤解されないようにお気をつけ下さい。

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5.保健所などの抗体検査数

2015年第2四半期(4月~6月)に保健所や地方自治体の実施するHIV抗体検査を受けた件数は以下の通りでした。

◇2015年4月~6月の保健所などにおける抗体検査件数

時期 今回 前回 昨年同時期
件数(件) 31,576 31,445 37,797

表7.保健所抗体検査数(保健所以外の自治体が実施する検査を含む)

ご覧のように、前回から131件増加、昨年同時期から6,221件の減少となっています。

保健所でのHIV検査は無料・匿名だしスタッフも揃っています。まずは保健所でのHIV検査がオススメです。でも、どうしても保健所に行けないあなたには自宅で使えるHIV検査キットもあります。心配や不安があれば放置しないで下さい。

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6.献血件数、及びHIV抗体検査陽性件数

2015年の1月~6月に献血を受けた件数、及びHIV陽性が発見された件数をご紹介したいと思います。

◇2015年1月~6月の献血件数

時期 献血件数 HIV陽性件数 10万人当り
件数(件) 2,464,119 27 1.096

表8.献血件数とHIV陽性件数

献血はHIV検査の代わりにはなりません。HIV感染が心配なあなたは献血ではなく保健所で検査を受けて下さい。

 

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7.まとめ

以上、2015年の第2四半期(4月~6月)のエイズ動向をご紹介しました。前回(2015年1月~3月)と比較すると新規HIV感染者、新規エイズ患者、共に増加しています。

エイズ動向委員会、岩本委員長のコメントにもありますが、あなたに少しでも不安があるなら早期のHIV検査を受けて下さい。現在、HIV感染は致死的疾患ではありませんが、それでもエイズを発症してからの治療は困難です。死に至らなくても重大な後遺症が残ることもあります。

早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査であることを忘れないで下さい。

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