『HIV陽性者の視点で読み解く 長期療養時代』というサイトがあります。

このサイトを運営しているのは、

●特定非営利活動法人 ぷれいす東京

●特定非営利活動法人 日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス

この2つの団体です。

そしてこのサイトの目的は、次のように書かれています。(要約)

HIV感染症はかつては致死的疾患でしたが、現在では完治はできないまでも長期療養が可能な病気になりました。HIV陽性者は長期療養時代を迎えています。このサイトの目的は、HIV陽性の当事者の視点で様々な課題を明らかにして、その結果を当事者に還元したり、社会環境に働きかけたりすることです。

このような目的です。

このサイトに、『どのようにHIV陽性と知ったか?』というタイトルのコンテンツがあります。この中に239人のHIV陽性者にアンケート調査を行い、どんな理由でHIV検査を受けたのか、場所はどこでHIV検査を受けたのか質問しています。

その調査結果を一部ここでご紹介しましょう。アンケート調査の結果に意外な回答が含まれています。

・・◇どこでHIV検査を受けましたか?(n=239)

1.病院(外来)・・・25.9%

2.保健所・・・20.5%

3.病院(入院中)・・・15.5%

4.常設HIV検査所・・・13.0%

5.クリニック・診療所・・・9.2%

6.献血会場・・・6.7%

7.HIV検査イベント・・・5.9%

8.自宅(検査キット)・・・1.7%

9.その他・・・1.7%

6番の回答に「献血会場」とあります。これはHIV検査を行っている会場で、希望者にHIV検査を行った、という意味だと思われます。このデータを見るとHIV検査は保健所よりも病院の方が多いですね。外来、入院を合わせると41.4%になります。クリニック・診療所まで加えるとほぼ50%です。

私のイメージでは、無料匿名の保健所が一番検査件数が多いと思っていたので意外でした。

また、1.7%と低い割合ですが自宅でHIV検査キットを使った人もいます。STD研究所のホームページによれば、年間にHIV検査キットを利用する人は凡そ5万4千人だそうです。

管理人追記(2012年6月26日)

第6位の献血会場はその後の情報収集の結果、献血によるHIV検査で判明したHIV陽性者に対する告知である可能性が高いと思われます。詳しくはこちらをどうぞ⇒『献血によるHIV告知の実例』

・・◇HIV検査を受けることになった理由は何ですか?

1.原因ははっきりしないが気になる症状や体調不良があった。・・・23.4%

2.エイズ発症や関連疾患と思われる症状があった・・・11.7%

3.定期的に検査を受けている・・・10.9%

5.献血をして・・・6.7%

6.HIVに感染した可能性がある行為があったから・・・6.3%

7.他の性感染症に感染したから・・・5.9%

8.パートナーとの交際や結婚に向けての確認として・・・5.0%

9.セックスの相手がHIV陽性者だと分かって・・・5.0%

以下省略

1番は恐らく急性HIV感染症を不安に思っての検査ですね。頭痛、微熱、リンパ腺の腫れ、倦怠感などからHIV感染を疑うケースです。2番はエイズではないかと疑う症状ですから、口腔カンジダや肺炎、急性期発疹などでしょうか。

一方、6番でHIV検査を受けた人はまだ何も自覚症状がないのに、感染の可能性を不安に思ってのHIV検査です。この段階でHIV感染が見つかれば「いきなりエイズ」発症を防ぐことも可能です。やはり早期のHIV検査は救命的検査となります。

同様に7番の理由でHIV検査も当然だと思います。性感染症はどれか1つでも感染していれば同じ感染ルートの別の性感染症も感染している可能性があります。

梅毒やB型肝炎は非常にHIVとの重複感染が多い性感染症です。また、クラミジア、淋菌、性器ヘルペスなども感染しているとHIV感染の確率が何倍、何十倍にも高くなります。

従って何かの性感染症に感染していることが分かれば、少なくともHIV検査は受けるべきです。あなたもご承知のようにHIVは感染しても特定できる自覚症状がありません。HIV検査を受けるしか感染の判断方法がありません。

・・◇献血とHIV感染

さて、問題は5番です。正直、このアンケート結果を見て驚きました。6.7%の人は献血をしたのが理由でHIV検査を受けています。これは恐らく、献血をした結果、血液センターからHIV感染の疑いがあるのでHIV検査を受けるように通知があったのではないでしょうか。

当サイトでは、「献血でHIV感染が分かる?」という記事を掲載しています。この記事の中では、「献血ではHIV感染は分からない」としています。それは血液センターも厚生労働省も献血ではHIV感染は教えないとしているからです。

しかし、現実にはこのように何らかの方法で献血者に教えているのです。ただ、それが全国の血液センターで一律に教えているのか、それぞれのセンターごとに独自の判断基準で行っているのか、それは不明です。

いずれにしてもこのアンケート結果からすると血液センターが献血者に対してHIV感染を教えている可能性は高いです。しかしあなたは決して献血をHIV検査代わりにしないで下さい。

血液センターの感度の高いHIV検査でも、HIVに感染した血液が検査をすり抜けることがあるのです。HIV感染が不安なら必ず保険所や病院で検査を受けて下さい。

あるいは自宅でHIV検査キットを利用することも出来ます。保健所や病院には行きたくないからと、HIV感染の不安を抱えたまま検査を先送りにしても、あなたにプラスになることは何一つありません。「いきなりエイズ」発症のリスクが増すだけです。早期のHIV検査が救命的検査であることを忘れないで下さい。

以上、『HIV陽性者の視点で読み解く 長期療養時代』というサイトから、239人のHIV陽性者に行ったアンケートでHIV検査を受けた場所、HIV検査を受けた理由についてご紹介しました。

*「生存率」・「いきなりエイズ」・「潜伏期間」

あなたがHIV検査を先延ばしに出来ない3つの理由とは?/>

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