「いきなりエイズ」が多いのは?
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ここでは、「いきなりエイズ」がどの地方で多く発症しているか、調べてみます。データは、エイズ動向委員会から公表された2008年の実績データです。
まず、「いきなりエイズ」について説明しておきます。HIVに感染した人が、自分の感染に気が付かず、何も治療を受けずにどんどん免疫力が低下してしまい、エイズを発症して初めてHIV感染に気付くことを、「いきなりエイズ」と言います。
文字通り、HIV感染を飛ばして「いきなりエイズ」です。この言葉は厚生労働省の公式文書にも出てくるくらいなので、れっきとした公式エイズ単語なのですね。
下の表を見て下さい。日本を8つのブロックに分けて、HIV感染者とエイズ患者の新規報告数をまとめてあります。(2008年実績)
| ブロック | ① 新規HIV感染者報告件数 | ②新規エイズ患者報告件数 | ③いきなりエイズ発症率(①÷②) |
| 北海道・東北 | 37 | 26 | 41.3% |
| 関東・甲信越 | 159 | 107 | 40.2% |
| 東京 | 447 | 96 | 17.7% |
| 東海 | 98 | 65 | 39.9% |
| 北陸 | 11 | 6 | 35.3% |
| 近畿 | 251 | 74 | 22.8% |
| 中国・四国 | 54 | 24 | 30.8% |
| 九州 | 69 | 33 | 32.4% |
| 合計 | 1,126 | 431 | 27.7% |
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そして、エイズ感染者とエイズ患者の合計件数における、エイズ患者の件数比率を、エイズ発症率として算出してあります。HIV感染者と、エイズ患者は重複していません。つまり、HIV感染者と分かっている人がエイズを発症しても、新規エイズ患者としてはカウントしていないのです。新規エイズ患者とは、「いきなりエイズ」を発症した患者を意味しています。
さて、この結果を見て、意外に思いませんか?HIV感染者の報告件数が断トツで多い東京ブロックが、もっとも「いきなりエイズ」発症率が低いのです。
この事実は、HIV検査で感染者が見つかれば、「いきなりエイズ」は減少することを証明しています。コラムにも書きましたが、HIV感染に本人が気が付けば、そこで二次感染を防ぐことが出来ます。最大の感染ルートである性行為に対してセーファーセックスの配慮がされるだろうし、抗HIV療法によって体内のHIVが抑えられるため、感染も起きにくくなります。
つまり、HIVに感染しても、検査によって感染に気が付けば二次感染は減り、結果的に「いきなりエイズ」も減ります。逆に、「いきなりエイズ」が多いと言うことは、それだけ自分がHIVに感染しているこに気が付いていない人が多い訳です。つまり、検査を受ける人が少ないのです。
「いきなりエイズ」の傾向としては、大都会よりも、その周辺で多く発症しています。2007年に厚生労働省が行った調査によると、愛知県では、名古屋市の発症率が22.6%なのに対して、名古屋市以外では42.3%でした。大阪府では、大阪市の発症率が8.6%に対して、大阪市以外では54.2%です。また、北海道では札幌市が27.3%なのに対して、札幌市以外では83.3%にも達しています。
むろん、全ての都道府県で同様な傾向が見られる訳ではなく、例外もあります。埼玉県では、さいたま市が66.7%で、さいたま市以外が46.7%でした。しかし、概ね傾向としては都心部よりも、その周辺に「いきなりエイズ」が多く発症しています。
その理由については、色々と分析がされているようですが、大きくは2つの理由があるようです。
1.都心部の方がHIV検査を受けやすい。
これは確かにありそうです。地方では地理的な条件で、HIV検査を受けに行くのが面倒だとか、検査の実施日が少なくて時間的都合を合わせるのが難しいなどの理由です。
また、地方の保健所では、狭い人間関係から検査を受けることをためらう人もいます。
2.HIVやエイズに対する危機感の欠如
地方でのどかな環境に住んでいると、HIVやエイズは他人事、別世界のお話で自分の身近なリスクとして感じていないのではないか、と言う分析もあります。「いきなりエイズ」を発症した患者は皆、口を揃えてこう言うそうです。
「まさか自分がエイズなんて・・・・」
そう思うがゆえに、HIV検査を受けることを思いつきません。根拠のない自信、安心感が検査を受けさせないのです。しかし、今やHIVは特別な性行為、特別な職業、特別な地域の感染症ではありません。ごくごく普通の私たちの身近な感染症なのです。いつ感染しても不思議ではありません。
地方都市だから、田舎だから・・・関係ありません。地方でも田舎でも、感染はします。
今やHIV感染は慢性疾患のように、適切な治療を受ければ普通の生活が送れるまでになっています。しかし、「いきなりエイズ」を発症してしまっては、有効な治療の機会を逃すかも知れません。⇒「HIV治療について」
「いきなりエイズ」を防ぐ唯一の方法。それは、HIV検査を受けること、ただこれだけです。まして、最近の研究ではエイズの潜伏期間が短くなっているとの報告もあります。それが本当であれば、余計に「いきなりエイズ」の発症リスクは大きくなります。
「HIV検査のススメ」=「いきなりエイズ」を防ぐには、早期の検査でHIV感染をみつける以外に 方法はありません。=
HIV感染からエイズ発症までの潜伏期間がどんどん短くなっているデータをご存知ですか? でも、HIV感染は早期に発見できればエイズ発症を抑え る(遅らせる)ことができるようになりました。「いきなりエイズ」の前に、絶対HIV検査を受けてください。
| ・・増加する「いきなりエイズ」を防ぐには、早期にHIV検査を受ける以外に方法はありません。⇒ 「HIV検査のススメ」 |
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