HIVの治療は予防にもつながる

抗HIV治療によって体内のウイルス量が減れば二次感染を防ぐことになります。
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このサイトの色んな記事でご紹介していますが、HIV感染症はもはや致死的疾患ではなくなり、
慢性疾患に近づきつつあります。
それは、HAART(多剤併用法)と呼ばれる抗HIV治療によって、HIV感染者の体内ウイルス量を
コントロール出来るようになったからです。
つまり、体内に侵入したHIVが増殖しないよう、増えないよう、薬で抑えることが出来るのです。
これによってHIVに感染してもエイズ発症を防ぐことが出来るようになりました。
同時に、HIV感染者のウイルス量が減少すると、二次感染の可能性を低くすることにもつながり
ます。
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・・◇抗HIV医療とは何をするのか?
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あなたは新型インフルエンザが大流行したとき、「タミフル」と言う薬が話題になったのを覚えて
いるでしょうか?
実は、このタミフルと言う薬は、インフルエンザのウイルスを退治する薬ではありません。
あなたの体内でウイルスが増えないようにする薬なのです。ウイルスを退治するのはあくまでも
あなた自身の免疫力です。
つまり、タミフルはあなたの体内でウイルスが増殖しようとするのを阻害し、あなたの症状が悪化
するのを防ぎます。同時に免疫力がウイルスを退治する時間を稼ぐ働きをする薬です。
実は、HIV感染症に対する抗HIV治療もこれに似ています。
HAART(多剤併用法)と呼ばれる治療法は、3種類の薬を使ってあなたの体内でHIVが増える
のを邪魔します。インフルエンザウイルスに対するタミフルと同じ働きです。
ただインフルエンザウイルスとHIVの違いは、体内から完全に駆除出来るかどうかです。
インフルエンザが1週間程度で完治出来るのに対して、HIV感染症は今のところ完治することが
出来ません。つまり、HIVを体内から完全に駆除することが出来ないのです。
しかし、HIVを完全に駆除することは出来ないまでもウイルス量を減らすことによって免疫力を
回復させ、エイズの発症を防ぐことが出来るようになりました。
以上のように、抗HIV治療と言うのはあなたの体内のHIV増殖を防ぎ、ウイルス量を減らす治療
と言えます。
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・・◇抗HIV治療がなぜ予防に役立つか?
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では、この抗HIV治療がなぜHIV感染の予防に役立つのでしょうか。それは、HIV感染の基本を
考えれば分かります。
HIV感染の基本は、感染者の体液が相手の粘膜部に接触することです。つまり、HIV感染者の
精液、膣液、血液などが、あなたの性器、喉、肛門、直腸などに接触すると、あなたにHIV感染の
可能性が発生します。
このとき、HIV感染者の体内のウイルス量が多ければ、当然体液中のウイルス量も多くなり、感染
確率も高くなります。
反対にHIV感染者の体内のウイルス量が少なければ体液中のHIVも減って感染リスクは低くなり
ます。これが抗HIV治療が感染予防にも効果があるとする理由です。
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・・◇HIV陽性者がコンドームを使わない?
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でも、あなたはちょっと疑問に思うかも知れませんね。抗HIV治療を受けている人は、当然ながら
自分がHIVに感染していることを知っています。それを知らず薬を飲んでいる人はいないでしょう。
すると自分がHIVに感染していることを自覚していれば、性行為の際にセーファーセックス、
すなわちコンドームの使用を行うはず。ウイルス量が多いとか少ないとか、関係ないのでは?
こんな疑問を抱くのではないでしょうか。
コンドームの使用はHIV感染者の体液とあなたの粘膜部を物理的に遮断します。体液中の
ウイルス量が多いか、少ないか、それは関係ないはず。あなたがそう思うのも当然です。
しかし、その考えは、HIV陽性者が全てセーファーセックスを行えば、と言う前提です。
実際にはそうはいかないのです。コンドームを使わないHIV陽性者がいるのです。
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・・◇毎回コンドームを使う人はたったの20%!
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HIV陽性を告知されたHIV感染者が、告知後どのくらいセーファーセックスを行っているか
調べたデータがあります。
「HIV感染者の早期発見と社会復帰のポイント」(医薬ジャーナル社 岡慎一氏編集)の中に
国立国際医療センター2005年のデータが紹介されています。
それによると、HIV陽性を告知された人で、
●毎回コンドームを使おうと思った人⇒38%
●毎回コンドームを使った人⇒20%
更に、「相手にHIV感染を告げたか」と言うアンケートに対しては、
●告げた⇒34%
●告げていない⇒37%
残りは「相手による」、と「無回答」です。
このデータには調査対象の母数が記載されていないので、実際に回答した感染者の人数は
不明です。
しかし、国立国際医療センターと言えば日本のHIV、エイズ医療のトップですから、それなりに
信用出来るデータだと思われます。
このデータから、自分がHIVに感染していると認識している人でも、毎回コンドームを使うのは
わずか20%、5人に1人だと分かります。
その上、相手に自分のHIV感染を告げる人より、告げない人の方が多いのです。
こうなると、先ほどの抗HIV治療が二次感染予防に役立つと言う指摘は納得できます。
コンドームを使わない性行為では、HIV感染者の体液が、相手の粘膜部に直接触れるのですから、
ウイルス量の多い、少ないは感染リスクに直結します。
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・・◇あなたに気を付けて欲しいこと
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あなたに気を付けて欲しいこと、それは自分のHIV感染を知りながらコンドームなしで性行為を
行う人がかなりの人数いると言う事実です。
ゆえに、抗HIV治療が二次感染予防に役立っていると言う事実です。
でも、どんなにウイルス量が減っていたとしても、HIV感染者とのコンドーム無し性行為は危険です。
あなたの相手を疑ってかかることをお勧めしている訳ではありませんが、あなたの身を守るのは
あなただと言うことを覚えておいて欲しいと思います。
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