HIVの主要感染ルートと言えば性的接触です。性的接触は異性間の性的接触と同性間の性的接触に分かれます。

厚生労働省エイズ動向委員会では毎年感染ルートの詳しい内訳データを公開しています。そこで、異性間の性的接触と同性間の性的接触の2つの感染ルートがどのように推移してきたのか調べてみました。

使用したデータは現在データが公開されている1999年から2012年までの14年間分です。

・・◇新規HIV感染者の感染ルート推移


当サイトでは毎年厚生労働省エイズ動向委員会から発表されるエイズ動向を独自にグラフ化したデータを記事にしています。私がこのサイトを始めたのが2009年ですから、データとしては2008年度のデータでした。

その2008年のデータでは新規のHIV感染者の最大感染ルートは男性同士の性的接触でした。HIV感染者全体の76%を占めていたのです。それから毎年データを更新していったのですが、常に男性間の性的接触が最も感染者の多い感染ルートでした。

ところが、今回1999年までさかのぼってデータを確認してみると意外なことが分かりました。下のグラフ1をご覧ください。

HIV感染者ルート推移
グラフ1.新規HIV感染者における性的接触による感染ルートの推移

グラフ1を、見て私が意外だと思った点は2つあります。

1.1999年、2000年までは異性間の性的接触、同性間の性的接触、2つの感染ルートの割合はほぼ同じだった。

2.2001年以降も異性間の性的接触による新規HIV感染者の報告件数はほぼ横ばいであり、同性間の性的接触が急激に増加している。

この2点です。

なおここでいう同性間の性的接触は、ほぼ100%男性同士だと思ってください。過去のデータでは女性同士の性的接触でHIVに感染したとする報告はほんの数件しかありません。

こうしてみると、日本におけるHIV感染者報告件数の増加は男性同士の性的接触によって増加していったことが分かります。


・・◇新規エイズ患者の感染ルート推移


では次に新規エイズ患者の感染ルートを見てみましょう。それがグラフ2です。

エイズ患者感染ルート推移
グラフ2.新規エイズ患者における性的接触による感染ルートの推移

新規エイズ患者の場合はもっと驚きました。ここ数年こそ男性同士の性的接触による感染が非常に多くなっていますが、1999年から2003年くらいまでは同性間の性的接触による感染は少なかったのです。

グラフ1とグラフ2を見比べると、男性同士の性的接触による感染者が増え始める時期は、HIV感染者が2001年頃でエイズ患者が2004年から2005年頃でしょうか。

この増加時期のずれはもしかしたらHIVの潜伏期間がそのままずれとなっているのかも知れません。かつてHIV感染からエイズ発症までの潜伏期間は8年から10年くらいが多かったのですが、近年では3年から4年の例が多く報告されています。⇒『エイズの潜伏期間が短くなる?』



・・◇(HIV感染者+エイズ患者)の感染ルート推移


最後に、新規HIV感染者と新規エイズ患者を合計した感染ルートをご紹介しておきます。グラフ3をご覧ください。

HIV+エイズ感染ルート推移
グラフ3.新規HIV感染者+エイズ患者における性的接触による感染ルートの推移

こうしてみると分かり易いですね。異性間の性的接触によって感染した人は14年間でほぼ横ばい状態です。それに比べて同性間(男性同士)の性的接触によって感染した人は約3.7倍も増えています。

なぜこの14年間、異性間の感染ルートで感染する人は横ばいなのに、同性間(男性同士)の感染ルートは3.7倍にも増えたのか?

エイズの本やエイズ専門サイトなどを見ると、

●男性間の性的接触では避妊の必要がないのでコンドームが使われないことが多い。

●アナルセックスは出血がしやすく、HIVが感染しやすい。

この2点が指摘されています。

これが男性間の性的接触による感染者が3.7倍にも増えた理由でしょうか?確かに要因の1つ目、2つ目にはなっていると思いますが、全てなのかどうか、私には何とも分かりません。

ただ、男性間の性的接触によってHIV感染者が増加してきたことは紛れもない事実です。

しかし、だからといってあなたが異性と性的接触することが安全だと言うことではありません。全体のエイズ動向と、あなたご自身の個別の話は全く別の話です。どうか誤解されませんように。

このデータがあなたのHIV感染予防のお役に立てれば幸いです。また、あなたがHIV検査を迷っているとしたら、どうか勇気を出して検査を受けて欲しいと思います。

エイズの動向も変化していますが、抗HIV医療も進化しています。早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査になるかも知れません。

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