HIV感染症とHBV・HCVの重複感染

HIVに感染して、更にB型・C型肝炎に重複感染すると、症状の進行が早くなったり、重症化して致死率が高くなります。

・・◇B型肝炎・C型肝炎とは?


日本では肝炎の80%から90%がウイルス性肝炎と言われており、特にB型・C型肝炎が多くなっています。

「B型肝炎・C型肝炎を治す完全ガイド」(採土出版)によれば、B型、C型それぞれに患者数は100万人以上いて、発症に至ってないキャリア(感染者)まで含めると300万人を超すそうです。

●B型肝炎ウイルス
HBV=Hepatitis B Virus
血液感染や性行為感染がある。


●C型肝炎ウイルス
HCV=Hepatitis C Virus
血液感染が主で、性行為感染はまれである。

型肝炎もC型肝炎も集団訴訟のニュースが新聞やテレビなどに度々登場しています。かつて予防接種の注射器使いまわしや、肝炎ウイルスに汚染された血液製剤などで感染が広まり、国民病と呼ばれるまでに感染者が増えてしまいました。

B型肝炎・C型肝炎ともに自覚症状が出ないまま慢性化し、肝硬変から肝がんになる危険があります。あるいはまれに劇症肝炎に悪化することもあり、非常に致死率が高い危険な病状に至ることもあります。

実は私自身、ウイルス性ではないのですが、過栄養性肝炎で40日入院したことがあります。ほとんど自覚症状がないまま入院、治療しました。

一般には肝炎になると、

●黄疸

●食欲不振

●嘔吐・吐き気

●全身の倦怠感

●発熱

●腹痛

●関節痛

●発疹

こうした症状が出てきます。

肝臓というのは、あなたの体内で必要な栄養分を分解・合成、貯蔵する「化学工場」です。そして同時に体内で不要な物質、有害な物質を解毒する機能もあります。あなたが生命維持をする上では絶対に必要不可欠な臓器です。

従ってB型肝炎、C型肝炎が重症化すると肝不全に陥り、全身の臓器に障害がでて深刻な病状となります。

・・◇HIVとHBV・HCVの重複感染


HIV感染の90%は性行為感染です。そしてB型肝炎ウイルスもまた性行為によって感染します。B型ほど多くありませんが、C型肝炎ウイルスもまた性行為によって感染します。

従って、HIV・HBV・HCVは性行為と言う共通感染ルートをもっています。

次の図1をご覧下さい。国立国際医療センター(ACC)で2002年9月17日から同年10月31日の間に、HIV感染者が他にどんな性感染症に感染しているかを調べたものです。(ただし、調査対象は男性の同性間性的接触感染者に限られる)


図1.HIV感染者の性感染症重複感染

調査対象が少し偏っていますが、それにしてもご覧の通り、HIV感染者にはB型肝炎の重複感染者が非常に多いことが分かります。また、「これでわかるHIV/AIDS診療の基本」(南江堂)によれば、アメリカではHIV感染者の約10%がHBVにも重複感染しているそうです。

そして、同書には重複感染のリスクが次のように説明されています。

●HIVとHBVの重複感染

肝機能障害が3倍以上に悪化する恐れがある。

HIV単独の死亡率=1.7/1000

HBV単独の死亡率=0.8/1000

HIV+HBVの死亡率=14.2/1000

このように重複感染によって死亡率が格段に高くなってしまいます。

また、B型肝炎の慢性化する確率も高くなります。

HBV単独の慢性化率=6%前後

HIV+HBVの慢性化率=10%~18%

このように、HIVがB型肝炎の進行を加速すると言われています。

●HIVとHCVの重複感染

日本国内の重複感染データは見つかりませんでしたが、アメリカにおいてはHIV感染者の15%~30%がHCV陽性で重複感染しているそうです。(同書による)

また、同書では重複感染のリスクとして、次のように説明されています。

C型肝炎による肝硬変への進行を加速する

肝がんの発生リスクを高める

HCVによる肝疾患の死亡率を高める

全HIV感染死亡者のうち、肝疾患による死亡率は30%から55%に及ぶとした報告もあるそうです。

・・◇自覚症状がない怖さ

HIV感染症は感染初期を除けば自覚症状がありません。症状が出て来たときにはすでにエイズを発症しています。ウイルス性肝炎もまた、なかなか自覚症状が出ません。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状が出た時にはかなり悪化している危険性があります。

このように感染しても自覚症状が出にくい3つの感染症が重複感染すると進行が早まったり、致死率が高くなったりするのです。

HIVはむろんですが、ウイルス性肝炎についても、自覚症状がなくても一度は検査をお勧め致します。厚生労働省がウイルス性肝炎の検査体制を進めていることもあって、全国の保健所で無料検査ができるようになっています。

ぜひ、あなたも保健所に足を運んで、HIVと合わせてウイルス性肝炎の検査も受けてみてはいかがでしょうか。

どうしても保健所には行きたくない、行けないというあなたには自宅で検査も可能です。実は私も自宅で検査しました。

*B型肝炎・C型肝炎を含む検査キットはこちら。

TypeL(男女共通)
・B型肝炎・C型肝炎
TypeO(男女共通)
・HIV・梅毒・B型肝炎
TypeR(男性用)
・HIV・梅毒・クラミジア・淋菌・B型肝炎・クラミジア(のど)・淋菌(のど)
TypeT(女性用)
・HIV・梅毒・クラミジア・淋菌・B型肝炎・C型肝炎・カンジダ・トリコモナス
細菌性膣炎・ヒトパピローマウイルス・クラミジア(のど)・淋菌(のど)

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