「いきなりエイズ」とは、HIV感染者が自分の感染に気がつかず、抗HIV治療を受けないままエイズを発症してしまうことを言います。あなはご存知でしたか?「いきなりエイズ」は日本国内ではここ数年、HIV感染者として報告された件数の約30%くらいです。

かつてはHIVに感染するとエイズ発症を防ぐ治療は不可能であり、潜伏期間の差はあってもほとんどの感染者がエイズを発症していました。

しかし、現在ではエイズ発症前にHIV感染が見つかれば、HAARTと呼ばれる抗HIV治療によりエイズ発症を防ぐことが可能になりました。すなわち、「いきなりエイズ」を防ぐことが可能なのです。

しかし、HIV感染は自覚症状がありませんから、自分がHIVに感染しているかどうかは、検査を受けるしか判定方法がありません。

従って、HIV感染者が多くて、HIV検査を受ける人が少ないほど「いきなりエイズ」の発生率は高くなります。全国の保健所がHIV検査を呼びかけるのも、「いきなりエイズ」の発生率を低くするためです。

抗HIV治療は確かに進歩しましたが、それでもエイズ発症前に治療を開始するのと、エイズ発症後に治療を開始するのでは、その後の治療効果に大きな差があります。

さて、日本では「いきなりエイズ」は約30%の発生率ですが、海外ではどうでしょうか。「AIDSデータベース」に各国のHIV感染者、エイズ患者のデータがありました。

そこで私が「いきなりエイズ」の発生率(正確には報告率)を計算したものが下のグラフです。

日本と海外のいきなりエイズ比較

1993年から2008年までの日本と外国の「いきなりエイズ」発生率の推移を表すグラフです。ここでの「いきなりエイズ」の計算定義は、

いきなりエイズ=(エイズ患者)/(エイズ患者+HIV感染者)

としています。

アメリカ、イギリス、韓国はデータが2008年分まで揃っていなくて、グラフが途中で切れています。

さて、このグラフを見て色々と考えるところがあります。

まず、中国における「いきなりエイズ」の発生率が低いことです。2008年における中国でのHIV感染者合計は60,081人で、うちエイズ患者は14,509人であり、「いきなりエイズ」は24%と報告されています。

そもそも、HIV感染者の数やエイズ患者の数に疑問のわくところであり、「いきなりエイズ」の発生率も素直に信じられない気がします。

何しろ中国で長年エイズ治療や予防に携わってきた中国人医師が、中国政府の発表は偽りであり、本当はもっと多いと告発しているくらいです。⇒『中国のHIV感染者1000万人?』

それから、アメリカの「いきなりエイズ」発生率の高さも意外でした。確かに毎年発生率は下がってきてはいますが、それでも2008年で40%を超えています。

アメリカでは日本よりもエイズに対する危機感があって、HIV検査の体制も充実しているのではないかと思ったのですが。

台湾では2005年くらいから「いきなりエイズ」が急増していますが、これはHIV感染者の急増と一致しています。台湾の詳細データはこちら⇒『HIVにご注意・台湾(台北)』

こうして海外の国々と日本の「いきなりエイズ」の発生率を比較してみると、決して日本が低いとは言えません。毎年HIV感染者が増え続け、「いきなりエイズ」の発生率も下がらない日本。

でも、あなたはHIVに感染したり、「いきなりエイズ」を発症したりしないよう、HIV感染の予防や検査にご注意ください。

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あなたが、

「HIV?自分に限っては大丈夫・・」

なんて根拠のない気休めや自信に頼っていると、いきなりエイズを発症して

「まさか自分が感染するなんて・・」となる危険性もあります。

2010年の厚生労働省の調査結果では、HIV感染者の30.1%は自分がHIVに感染したことに気がつかず、「いきなりエイズ」を発症しているのです。

「いきなりエイズ」発症前にHIV感染が見つかればエイズ発症を防ぐことも出来ます。近年エイズ発症までの潜伏期間が短くなっており、より早期のHIV検査が重要になっています。HIV検査はあなたにとって救命的検査になるかも知れません。

*保健所や病院に行かなくてもHIV検査は可能です

■自宅でHIV検査体験記