管理人注記:2013年9月15日

このページでは2010年のエイズ動向をお伝えしています。もっと最新のデータを随時更新しています。2013年9月15日現在の最新データとしては以下の2つです。

『平成25年(2013年)第2四半期エイズ動向』

『平成24年(2012年)エイズ動向』

なお、エイズ動向を始めとする各種データは下記に過去記事から最新記事までを収納しています。ぜひご覧ください。

『エイズデータバンク』

平成22年エイズ動向報告

2010年(平成22年)エイズ動向をエイズ動向委員会が発表!(9/27)

2011年9月27日にエイズ動向委員会から発表になった2010年のエイズ動向報告をご紹介致します。

エイズ動向委員会は厚生労働省に属し、東京大学医科学研究所教授の岩本愛吉氏を委員長としたエイズ専門機関です。専門的な見地から、エイズの研究結果や、感染の動向を正しく国民へ情報提供することを役目としています。

本文に詳細なデータをご紹介していますが、ぜひあなたに知って欲しいことが3つあります。

1.日本では、毎日4.2人がHIVに感染している。

2.HIV感染者の約30%は、「いきなりエイズ」を発症している。
(エイズを未然に防ぐチャンスを逸している。)

3.HIV感染者の84%は性行為によって感染している。

この3つがどんな意味を持っているのか、詳しくは本文にて説明します。

なお、2011年のエイズ動向報告については、同じ2011年11月25日に第3四半期までの速報が出されています。ぜひ、こちからご覧下さい。⇒『2011年第3四半期エイズ動向』

この記事は少し長い説明になりますので、目次を用意致します。お時間のない人は、興味のある項目だけでもご覧下さい。

【 目 次 】

1.エイズ発生動向の概要

2.HIV感染者/エイズ患者の報告状況

3.HIV感染者/エイズ患者の感染ルート

4.HIV感染者/エイズ患者の年齢別分布

5.いきなりエイズ

6.都道府県別の新規HIV感染者とエイズ患者

7.保健所におけるHIV抗体検査件数と相談件数

8.献血件数と陽性件数

◇総括・・・今回のデータから言えること
(本ページのデータは全てこちらから⇒『平成22年エイズ発生動向年報』

HIV感染者、エイズ患者の動向データが、あなたのHIV感染予防、エイズ発症予防に役立てば幸いです。

・・・ご存知ですか?あなたの自宅でHIV検査が可能です!

________________________________________________

・・1.エイズ発生動向の概要


まずは、2010年に新規に報告された新規HIV感染者と、新規エイズ患者の件数をご紹介します。

表1、表2をご覧下さい。

2010年新規HIV感染者(人) (参考2009年)
1.日本人男性 956 894
2.日本人女性 41 38
3.外国人男性 59 71
4.外国人女性 19 18
5.合計・・・・・・ 1,075 1,021

(表1)2010年新規HIV感染者

新規のHIV感染者は、2009年よりも54件増えて1,075件でした。これは、2008年、2007年に次いで過去3番目に多い件数となっています。

2010年新規エイズ患者(人) (参考2009年)
6.日本人男性 421 386
7.日本人女性 15 15
8.外国人男性 29 21
9.外国人女性 4 9
10.合計・・・・・・・・ 469 431

(表2)2010年新規エイズ患者

新規のエイズ患者は、2009年から38件増加して469件となり、過去最多でした。

新規エイズ患者は、過去のHIV感染者とは重複しません。例えば、昨年新規HIV感染者として報告された人が、今年になってエイズを発症したとしても、新規エイズ患者にはカウントされません。

その場合には、病変報告として、任意の報告となります。

すなわち、新規エイズ患者とは、HIV感染に気がつかず、「いきなりエイズ」を発症した人です。

現在の抗HIV医療では、検査でHIV感染が分かれば薬でエイズ発症を抑えることも可能です。従って、早期のHIV検査で感染が分かれば「いきなりエイズ」を防ぐことが可能です。

しかし、2010年は新規エイズ患者が過去最多と言う非常に残念な結果となっています。

また、新規HIV感染者とエイズ患者の合計は1,544件であり、過去2番目に多い件数となっています。この件数は平均すれば毎日4.2件のエイズ感染が発生している計算になります。

このように新規HIV感染者、エイズ患者ともに増加傾向が続いており、一方で保健所などのHIV抗体検査は受検件数が減少しています。

潜在的なHIV感染者の増加と共に新規エイズ患者、いわゆる「いきなりエイズ」が増加傾向にあります。

________________________________________________

・・2.HIV感染者/エイズ患者の報告状況


では、ここからもう少し詳しく2010年の動向を見て行くことにしましょう。まずは、新規HIV感染者の報告件数を、過去からの推移で見てみることにします。

新規HIV感染者の推移
(図1)新規HIV感染者の推移

平成21年(2009年)にいったん減少した新規HIV感染者数は昨年再び増加に転じました。

しかも、保健所などでのHIV抗体検査数が減少傾向のままであり、実際のHIV感染者は更に多いことが推測されます。(事実、2011年の1月から6月までのデータから、この推測が正しいことがうかがえます。)

次に、新規エイズ患者の推移を見てみましょう。

新規エイズ患者の推移
(図2)新規エイズ患者の推移

新規エイズ患者は過去最多の469件となり、グラフからもお分かりの通り、増加の一途をたどっています。この傾向は2011年になっても変わらず、エイズ動向委員会からも警鐘を鳴らしています。

________________________________________________

・・3.新規HIV感染者/エイズ患者の感染ルート


3-1)新規HIV感染者の感染ルート

2010年における新規HIV感染者の感染ルートは以下の通りでした。

新規HIV 感染ルート 件数 比率(%)
異性間性的接触 195 18.1
同性間性的接触 744 69.2
静注薬物使用 3 0.3
母子感染 3 0.3
その他 38 3.5
不明 92 8.6
合計 1,075 100.0

(表3)新規HIV感染者感染ルート

同性間の性的接触が全体の約70%を占めています。このルートは全て男性であり、女性の同性間性的接触の感染者はいませんでした。

また、2009年まで3年間ゼロだった母子感染が4年ぶりに3件発生しています。出産までHIV感染が見つからないケースは極めてまれだと思うのですが、とても残念なことです。

表2をグラフにしたものが図3です。

新規HIV感染者の感染ルート
(図3)新規HIV感染者感染ルート

新規HIV感染者の87.3%が性的接触によって感染しています。いかにセーファーセックスが重要かお分かり頂けると思います。

3-2)新規エイズ患者の感染ルート

2010年における新規エイズ患者の感染ルートは以下の通りでした。

新規エイズ 感染ルート 件数 比率(%)
異性間性的接触 127 27.1
同性間性的接触 230 49.0
静注薬物使用 4 0.9
母子感染 0 0.0
その他 17 3.6
不明 91 19.4
合計 469 100.0

(表4)新規エイズ患者感染ルート

表3からお分かり頂けるように、感染ルートのおよそ半分は同性間性的接触です。このルートは全て男性であり、女性はいません。

表3をグラフにしたものが図4です。

新規エイズ患者の感染ルート

(図4)新規エイズ患者感染ルート

新規エイズ患者の76.1%が性的接触による感染です。

・・・ご存知ですか?あなたの自宅でHIV検査が可能です!

________________________________________________

・・4.HIV感染者/エイズ患者の年齢層


それでは、新規HIV感染者とエイズ患者は、どんな年齢層が多いのでしょうか。

年齢層別に見てみましょう。

4-1)新規HIV感染者の年齢層分布

2010年新規HIV感染者(人) (参考2009年)
10歳未満 3 0
10-14 0 0
15-19 15 16
20-24 132 123
25-29 197 180
30-34 184 209
35-39 213 216
40-44 115 105
45-49 75 52
50-54 47 42
55-59 38 41
60歳以上 56 37
合計 1,075 1,021

(表5)新規HIV感染者の年齢層分布

表5をグラフにしたのが下の図5になります。


新規HIV感染者の年齢分布
(図5)新規HIV感染者の年齢層分布

新規のHIV感染者は20代から30代が多いのですが、50歳以上にも全体の13.1%にあたる感染者がいます。

エイズ動向委員会の委員長コメントにも、40代以上のHIV感染者が増加傾向にあり、感染が広がっていると警鐘を鳴らしています。

4-2)新規エイズ患者の年齢層分布

2010年新規エイズ患者(人) (参考2009年)
10歳未満 0 0
10-14 0 0
15-19 1 1
20-24 9 9
25-29 45 26
30-34 49 61
35-39 104 103
40-44 67 54
45-49 61 49
50-54 35 36
55-59 40 45
60歳以上 58 47
合計 469 431

(表6)新規エイズ患者の年齢層分布

表6をグラフにしたのが下の図6です。

新規エイズ患者の年齢分布
(図6)新規エイズ患者の年齢層

新規エイズ患者については、50歳以上が全体の28.4%を占めています。エイズ発症までの潜伏期間を考慮すると、HIV感染者よりも高齢化するのは当然です。

しかし、同時に高齢者になるほどHIV検査を受ける人が少ないと言うことも理由の1つにあるのではないでしょうか。

私自身もそうでしたが、高齢者ほど保健所に出向いての対面検査は苦手だと思います。どうしても世間体が悪いと感じたり、恥ずかしいと感じたりします。

50歳を超えた私の同世代の知人にも保健所に行きたくない人が何人かいました。しかし、このデータをご覧頂いてお分かりのように、HIV感染、エイズ発症は年齢を問いません。

自分だけは大丈夫だと思い込む、根拠のない自信こそ危ないと思います。

私もそうですが、中高年は性教育を受けていないし、エイズについての知識が少ない人もいると思います。

何が危険か知らないことが、最も危険です。

________________________________________________

・・5.いきなりエイズ


次に、いきなりエイズの発生率を見てみましょう。いきなりエイズ、と言うのはHIVに感染している人が、自分のHIV感染に気が付かず、そのまま放置して、文字通りいきなりエイズを発症してしまうことを言います。

現在ではHIV感染が早期に分かれば、早期治療によって免疫力低下を抑えることができ、エイズ発症を防ぐことが出来るようになっています。

しかし、いきなりエイズの場合には、すでに免疫力がかなり低下して発症に至っている訳で、そこからの治療はより困難になります。

さて、いきなりエイズの発生率をご覧頂きましょう。図7をご覧下さい。

いきなりエイズ発症率
(図7)いきなりエイズ発生率

2010年のいきなりエイズ発症率は30.4%でした。ここ数年は30%前後です。

国立国際医療研究センター病院の本田医師も言われていますが、いきなりエイズの患者さんのほとんどは、

「まさか自分が・・・思ってもみなかった。」

そう言われるのだそうです。

根拠のない自信はHIV感染リスクを高めます。しかも近年、エイズ発症までの潜伏期間は短くなっており、よりいきなりエイズの危険が高くなっています。

エイズを発症する前に抗HIV治療を開始出来るか、それともいきなりエイズ発症後に治療を開始するか、治療開始時期によってその後の生存率にも大きな差が出ます。

それゆえ「いきなりエイズ」を防ぐ早期のHIV検査は、救命的検査と言えます。

関連記事:HIV検査があなたの命を救います

・・・ご存知ですか?あなたの自宅でHIV検査が可能です!

________________________________________________

・・6.都道府県別の新規HIV感染者とエイズ患者


2010年の都道府県別の新規HIV感染者、エイズ患者は以下の通りです。2009年のデータ、及び1985年からの累計データといっしょにまとめてみました。

区分 新規HIV感染者 新規エイズ患者
都道府県 2010年 2009年 累計 2010年 2009年 累計
北海道 16 23 155 5 11 105
青森県 2 4 39 1 3 22
岩手県 3 1 22 2 3 26
宮城県 3 4 84 7 5 55
秋田県 0 0 15 3 2 20
山形県 2 2 19 0 2 21
福島県 5 3 49 1 2 37
茨城県 8 14 456 9 10 281
栃木県 5 10 193 8 8 151
群馬県 4 9 139 4 5 105
埼玉県 23 27 373 10 9 261
千葉県 37 34 593 22 19 404
東京都 400 374 4,847 107 96 1,574
神奈川県 55 57 877 22 24 445
新潟県 2 2 63 4 4 46
山梨県 0 7 92 1 1 40
長野県 10 7 265 6 4 169
岐阜県 11 6 80 8 10 72
静岡県 25 18 301 8 8 147
三重県 6 2 111 3 4 69
愛知県 82 54 708 56 32 351
富山県 2 1 25 0 3 22
福井県 7 0 35 1 0 17
石川県 4 3 46 4 3 21
滋賀県 1 2 52 0 7 35
京都府 12 13 175 8 10 85
大阪府 198 171 1,501 68 62 461
兵庫県 25 31 254 16 12 140
奈良県 9 6 71 7 8 48
和歌山県 3 4 37 1 2 35
鳥取県 0 3 11 3 1 8
島根県 3 0 12 1 0 4
岡山県 11 8 68 11 4 49
広島県 18 24 140 9 8 54
山口県 7 6 45 2 1 12
徳島県 4 4 16 4 0 14
香川県 4 1 31 2 1 23
愛媛県 4 1 51 2 1 36
高知県 2 2 26 0 1 12
福岡県 35 38 259 23 19 129
佐賀県 1 2 9 1 3 9
長崎県 1 7 31 1 2 19
熊本県 1 10 51 5 7 38
大分県 4 3 26 1 2 14
宮崎県 2 1 20 3 2 16
鹿児島県 7 7 51 6 3 33
沖縄県 11 15 124 3 7 64
合計 1,075 1,021 12,648 469 431 5,799

(表5)都道府県別新規HIV感染者と新規エイズ患者

都道府県別のデータについては、エイズ動向委員会の委員長コメントから抜粋しておきます。

6-1)新規HIV感染者
○ 東京都を含む関東・甲信越ブロック及び近畿ブロックの報告が多数を占める(74%)
○ 東海ブロック、近畿ブロックが増加

6-2)新規エイズ患者
○ 東京都を含む関東・甲信越ブロック及び近畿ブロックからの報告が多数を占める(62%)
○ 東海ブロック、中国・四国ブロックが増加

仮にあなたのお住まいの都道府県で、HIV感染者が少なかったとしても、だからと言ってあなたが安全だと言うことにはなりません。ご用心下さい。

________________________________________________

・・7.保健所における検査数と相談件数


続いて、2010年における保健所でのHIV抗体検査の件数、及び相談件数は以下の通りです。なお、データには保健所以外の自治体による検査も含みます。

保健所におけるHIV検査件数と相談件数

(図8)保健所でのHIV抗体検査件数

グラフをご覧頂くとひと目でお分かりの通り、平成20年(2008年)をピークに2009年、2010年と検査件数、相談件数ともに減少傾向です。

2009年にHIV検査件数が減少したとき、新型インフルエンザの影響だと指摘されていましたが、決してそれだけではなかったことが2010年のデータから分かります。

HIV感染が致死的疾患ではなくなった現在、社会全体のエイズに対する関心が低下しているのではないかと指摘されているところです。

エイズ動向委員会委員長のコメントにも、

「利用者の利便性に配慮した検査・相談事業を推進し、予防に関する啓発に努めることが重要である。」

と書かれています。

2009年、2010年とHIV検査の件数が減った影響か、2011年上期は新規エイズ患者が増えています。

潜在的なHIV感染者が増えているにも関わらず、検査を受けないままエイズ発症に至っているのではないでしょうか。

________________________________________________

・・8.献血件数と陽性件数


次は、全国の血液センターなどで行われている献血の件数と、その中から見つかったHIV陽性件数をご紹介します。

献血件数とHIV陽性件数

(図9)献血件数とHIV陽性件数

図9には過去22年間の献血件数と、その中から見つかったHIV陽性件数をグラフにしています。

こうして見ると、献血件数は年々減少傾向にあり、HIV陽性件数は逆に増加傾向にあることが分かります。潜在的なHIV感染者が多くなっているのか、HIV検査を目的として献血を受ける人がいるのか。

しかし、このサイトでも幾度となく記事にしてきましたが、献血を受けてもHIV検査の代わりにはなりません。

どうぞ皆さんはHIV感染が少しでも心配、不安であれば保健所へ行って下さい。どうしても保険所に行けないのなら、自宅で検査キットを使う方法もあります。

間違っても献血を代用しないようにお願いします。

________________________________________________

以上、2010年の新規HIV感染者、新規エイズ患者の動向報告をお届け致しました。

エイズ動向委員会から2010年のデータが報告されるのと同時に、2011年の第2四半期(4月~6月)のデータも発表になりました。(9月27日付け)

2011年も日本においてはHIV感染は広がり続け、いきなりエイズが増加の一途にあります。

「HIV感染者が増加しているのは先進国では日本だけ」

と言うフレーズも、未だに使われ続けています。

どうか、あなたにHIV感染の心配、不安が少しでもあるなら早期にHIV検査を受けて下さい。「いきなりエイズ」を防ぐ方法は早期のHIV検査以外にありません。

エイズの発症を防ぐメリットを考えれば、あなたがHIV検査のために負担するわずかな時間や手間がいったいどれほどのことでしょうか。何しろ保健所のHIV検査は無料で匿名なのです。

保健所でのHIV検査に高額な費用が必要だったり、あなたのプライバシーが犠牲になるのならともかく、無料、匿名で検査が受けられるのです。

早期のHIV検査があなたにとって、救命的検査になるかも知れないことを忘れないで下さい。

あなたが、HIV検査を受ける決心はついたけど、どうしても保健所に行く時間がなかったり、誰にも知られず、誰にも会わずにHIV検査を受けたいと思うならこんな方法もあります。

実は私自身も使用しました。

■「もしかして・・・」 HIV感染が不安なら迷わず検査。自宅でHIV検査が出来ます。

STDチェッカー TypeJ(男女共用)
HIV検査のみ

■HIVと最も重複感染が多い梅毒、B型肝炎。症状がより重症化することがあります。

STDチェッカー TypeO(男女共用)
HIV・梅毒・B型肝炎が同時に検査できます。

■検査キットの信頼性についてはこちら⇒検査の信頼性について
■検査キットを使った人のクチコミはこちら⇒利用者の声

・・HIV(エイズ)検査完全ガイド  TOP