感染すると、どうなる? その2

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このページでは、HIVに感染するとどうなるのか、その概要をお話します。

人間がHIVに感染すると、その後は症状によって3つの時期に分類されます。
①HIV感染初期(急性期) ②無症候期 ③エイズ発症期
この3つです。それでは、その3つについて説明します。

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1.HIV感染初期(急性期)
人間の体内にHIVが感染すると、感染後2週間目から4週間目くらいの間に、HIVは急激に体内で増殖を始めます。それは何故かというと、この時期にはまだHIVに対抗する免疫機構が出来ていないからです。HIVを攻撃する抗体がないので、やりたい放題で増殖します。

HIVがどのくらいのペースで増殖するかというと、1日当たり100億個以上も増殖すると言われています。何とも恐ろしい勢いです。この増殖した HIVは、体内でCD4陽性Tリンパ球という免疫細胞を破壊します。(「HIVに感染するとどうなるの? その1」でお話したヘルパーT細胞のことです。)

この、HIV抗体が出来るまでの期間、急増したHIVは血液中に入り、高レベルのウイルス血症を起こします。その結果、HIV急性感染症と呼ばれる症状が出ることがあります。発熱、のどの痛み、だるさ、下痢など、風邪やインフルエンザに似た症状から、筋肉痛や帯状疱疹などが出る場合もあります。いずれも放置しておくと数日から数週間で症状は消えてしまいます。

なぜ自然に消えるかというと、体内でHIVに対抗する抗体が出来るからです。この抗体がHIVを攻撃することによって、いったん増殖したHIVは激減します。それで、症状が消えてしまうのです。

ただ、この感染初期のHIVの増え方、減り方には個人差があり、誰でもが必ず同じような症状になるわけではありません。何も症状が出ない人から軽い人、中には非常に重い人まであります。いずれにしても、症状が消えたからといって、HIVが体内から消えてなくなったわけではなく、静かに増殖を続けます。そして、免疫細胞を破壊し続けているのです。

よくネット上で、感染の可能性のある行為をしたあと、発熱、のどの痛み、倦怠感などを感じて自分がHIVに感染したのではないかと心配する書き込みを目にします。コンドームなしでセックスして、2,3週間したら熱が38度くらい出たとか、のどがヒリヒリして痛くなったとか、そんな症状で不安になる人がいます。むろん、HIV急性感染症の可能性もあるのですが、普通に風邪とか体調不良でも同じような症状は出ます。

あまりに心配しすぎて、ノイローゼ状態までいく人もいるようですが、HIV(エイズ)検査を受ける以外にはっきりさせる方法はありません。どんな本を読んでも、えらい先生のご意見を聞いても、絶対にHIV(エイズ)検査しか判定方法はありません。

えらそうに書いていますが、私自身も過去にノイローゼ状態を経験しています。
「自己紹介」のページを見て下さい。また、「こんな症状が出たらHIV検査を」もどうぞ。

関連記事
◇「自己紹介です」・・◇「HIV急性感染症」・・◇「HIV検査キットを使ってみました」・・◇「保健所でHIV検査を受けました」

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2.無症候期
次に何も症状の出ない時期が、5年から10年続きます。ただし、この期間は個人差があり、2年で次のエイズ発症期に入る人もいれば、15年経っても症状が出ない人もいると言われています。症状が出なくても、体内ではHIVが増殖を続けています。またそれに対抗すべく免疫機能も働いており、何年も HIVと免疫細胞の戦いが続いているのです。

自覚症状がないので、自分ではHIVに感染していることが分かりません。HIV(エイズ)検査を受けない限り、感染は分からないのです。そのために、次から次へと2次感染が広がる恐れもあります。

また、この時期にHIV感染が判明しても、すぐに薬の投与を開始することはありません。定期的に通院して体内のHIVの状況を確認し、免疫力の低下を見ながら治療開始の時期を決めます。その目安として、体内のCD4陽性Tリンパ球という免疫細胞の数を調べます。この免疫細胞は、普通の健康な人の場合、1μL中に700個から1500個あるといわれています。
(1μLは、1リットルの百万分の一)

そして、無症候期にこの免疫細胞が1μL当たり、350を切れば、治療開始を検討するようです。

最近の研究では、HIV自身が変異を起こして人間の免疫攻撃から逃れ、自己増殖を盛んにすることが分かったそうです。この結果、エイズ発症までの潜伏期間が短くなっている可能性があるそうです。詳細はこちらから。⇒「エイズの潜伏期間が短くなる?」

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3.エイズ発症期
CD4陽性リンパ球が1μL当たりで200を切ると、免疫力の低下によって、様々な病気にかかります。厚生労働省では、エイズ診断基準として23の疾患を決めています。HIV感染者がこの23疾患のどれか1つでも発病したら、その時点でエイズ患者と認定します。従って感染していても、23疾患を発病するまではエイズ患者ではありません。

23疾患には、カンジダ症やニューモシスチス肺炎などの日和見感染症と呼ばれるもの、カポジ肉腫、原発性脳リンパ腫のような日和見悪性腫瘍、そして HIV脳症、HIV消耗性症候群などがあります。

1990年代の中ごろまではエイズ発症期に入ると有効な治療法もなく、発症から2年ほどで死に至る患者が多かったのです。
そのため、エイズ=死、というイメージが強く定着してしまいました。

しかし、現在ではHAARTと呼ばれる抗HIV治療によって、仮にエイズ発症期に入ってもまた免疫力を回復させ、病状を改善することが出来るようになりました。

関連記事

◇「エイズ治療について」・・・◇「エイズ指標疾患」・・・◇「HIV感染者・エイズ患者の現状」

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