HIV-1とHIV-2
このページでは、HIV-1とHIV-2について説明します。HIVにはHIV-1とHIV-2と言う2種類があります。普通、私達がHIVと呼んでいるのは、ほとんどの場合HIV-1を指しています。なぜなら、日本国内ではHIV-1の感染がほとんどであり、HIV-2の感染例はほんの数件しか見つかっていなのです。そして、世界的に見てもHIV-1が世界中に感染しているのに対して、HIV-2は主に西アフリカを中心に感染が広まっています。でも、これから先はHIV-2に対しても警戒は必要なのだそうです。
平成21年2月に、厚生労働省から全国の地方自治体に対して、「医療機関及び保健所に対するHIV-2感染症例の周知について(依頼)」と言う通知が出されています。この通知は日本国内において、HIV-2の感染例が見つかったので、今後はHIV-2に対しても十分な警戒をするようにと呼びかけているものです。
では、HIV-1とHIV-2では、どう違うのでしょうか。まず、そもそもの由来が異なります。HIV-1と言うウィルスは、もともとはチンパンジーに免疫不全を起こすウィルスで、それが人間に感染して生まれたと考えられているそうです。それに対して、HIV-2は西アフリカに生息するスーティーマンガベイと言う、オナガザル科の猿に免疫不全を起こすウィルスが起源と考えられています。こちらのサイトに、スーティーマンガベイの写真がありました。よかったら見て下さい。⇒「ニンバ山に生息するスーティーマンガベイ」
HIV-1が発見されたのは1983年ですが、HIV-2はそれから3年あと、1986年に発見されました。日本国内においては、正式な報告では2006年、西アフリカで輸血を受けて感染した例が最初とされています。(「これでわかるHIV/AIDS診療の基本」南江堂より) そして、その後2007年に2例、2008年に2例と複数の感染が見つかっています。このうち2例については、来日中の西アフリカ男性と性交渉を持った日本人女性が感染したものです。まだ例は少ないのですが、これから日本でも広まる危険性があるのです。
HIV-1とHIV-2では、HIV-2の方が感染力は弱く、進行も遅いと言われています。しかし、HIV-1に対してHAART療法と言う治療方法が確立しているのに対して、HIV-2に対しては治療法がまだ確立していないそうです。この点からもHIV-2の感染拡大に対しては用心が必要ですね。
さて、HIV-1はもともとチンパンジーを宿主としていたウィルスだとお話しました。しかし、人間に感染するHIV-1はチンパンジーに対しては病気を起こしません。そして、人間とチンパンジーの遺伝子の差はわずか2%程度なのだそうです。この2%の差で免疫不全になるか、ならないかの差が生まれると言うわけです。
最後になりますが、現在行われているHIV検査のスクリーニング検査では、HIV-1とHIV-2の両方を検査しています。従って、保健所などでHIV検査を受ければHIV-1とHIV-2の両方を同時に検査することが出来ます。
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