ウィンドーピリオド

このページでは、ウィンドーピリオドについて説明します。

1.ウィンドーピリオドとは

HIV(エイズ)検査を行うとき、非常に重要になるのが、このウィンドーピリオドです。
ウィンドーピリオドとは、一口で言えばエイズ検査で見つけようとする抗体や抗原が、HIVに感染していても「陽性」になるだけの量体内に存在しなくて見つからない期間のことです。

ですから、このウィンドーピリオドの期間にHIV検査を受けて「陰性」と判定されても、HIVに感染していないとは限らず、HIV抗体や、HIV抗原の量がまだ少ないだけで本当は「陽性」かも知れないのです。

つまり、ウィンドーピリオドの期間にHIV検査を受けても正確な検査結果は得られない可能性がある訳です。

HIV検査には、抗体検査、抗原抗体同時検査、核酸増幅検査(NAT法)といくつか種類がありますが、どの検査にもこのウィンドーピリオドが存在します。ただし、その長さは検査によって異なります。

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大事なことは、それぞれの検査方法に依存するウィンドーピリオドを過ぎてから検査を受ける、と言うことです。どうしても早く検査を受けたい、と言う人は、いったん検査を受けた後に、ウィンドーピリオドを過ぎてからもう一度検査を受け直します。そうしないと検査の信頼性が保証出来ません。

このウィンドーピリオドは、保健所で検査しても病院で検査しても、または自宅で検査キットを使っても同様です。検査方法に依存するものであり、検査の場所がどこであろうと変わりません。

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2.ウィンドーピリオドが存在する理由

さて、ウィンドーピリオドが存在する理由をもう少し詳しく説明したいと思います。

まず、現在HIV(エイズ)検査として最も広く行われているのが抗体検査と言う検査方法です。この方法は、人間がHIVに感染することによって出来る抗体を検出して感染の有無を調べるものです。

人間には誰でも免疫機能があり、外部からウィルスや細菌などの病原体が侵入してくると、それを除去しようとする働きがあります。その働きで作られる物質が抗体です。抗体は主に血液中や体液中に存在し、外部からの侵入者めがけて攻撃し、除去しようとします。

そして、抗体はそれぞれの病原体に対して、それ専用で作られます。従って、HIVに感染すると、HIVにのみ対抗する抗体が生まれます。この抗体の有無を調べてHIVに感染したかどうかを判定する訳です。

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しかしながら、この抗体は作られ始める時期や、抗体が増えていくスピードに個人差があります。

そのため、エイズ検査を受ける人が誰であっても、絶対確実に抗体が検出出来るまでの期間を3ヶ月と定めています。HIV感染の可能性がある行為を行ってから、3ヶ月以上経過してから抗体検査を受けないと、正確な判定結果は得られません。

HIV(エイズ)検査では、この抗体検査以外にも、核酸増幅検査(NAT法)、抗原抗体同時検査などの方法があります。
この2つの方法は抗体を調べるのではなく、HIVの遺伝子を見つけたり、HIVの抗原を見つけます。つまり、HIVそのものを検出します。
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3.ウィンドーピリオドの長さについて

NAT法や、抗原抗体同時検査では、抗体が増えるのを待つ必要はないのですが、HIVが体内である量以上に増殖しないと、判定が出来ません。従って、抗体検査と同じようにウィンドーピリオドと呼ばれる検査が出来ない期間があります。

抗体検査のウィンドーピリオドが3ヶ月であるのに対し、抗原抗体同時検査法では2ヶ月、NAT法では1.5ヶ月と言われています。しかし、この2つの検査については検査を実施する医療機関ごとにウィンドーピリオドの設定が異なるようです。実際に検査を受けるときに事前確認するのがいいと思われます。

また、最近の情報では、このウィンドーピリオドは段々と短くなってきており、早期に正確なHIV検査が出来るよう、技術革新が進んでいます。

ウィンドーピリオドが最も長いのが抗体検査の3ヶ月ですから、どの検査方法であれ、HIV感染の可能性がある行為から、3ヶ月以上経過していれば問題なくエイズ検査が可能です。

では、ウィンドーピリオドを待たずにHIV検査を受けることは、まるで意味のないことでしょうか。実はそんなことはありません。それはそれで意味があります。

各検査のウィンドーピリオドは、抗体や抗原が体内で増えるスピードの個人差を考慮して設定しています。検査の正確さ確保を思えば、なるべく抗体や抗原の増え方が遅い人に合わせたウィンドーピリオドを設定しようとします。これはある意味当然ですね。

しかし、このことは逆に言えば抗体や抗原が早く体内に出来ている人はウィンドーピリオド中であっても、検査が可能と言うことです。例えば、ウィンドーピリオドが3ヶ月の抗体検査を、感染の可能性があると思われる日から2ヶ月目に受けたとします。

もし、検査結果が「陰性」だったとすれば、「絶対に陰性とは言い切れないけど、かなりの高い確率で陰性だと思われる」と言うことが分かります。むろん、3ヶ月経過してから、再度HIV検査を受けないと、最終的なことは分かりません。しかし、不安で不安でいてもたってもいられない、と言う人にとっては大いなる精神安定剤になり得ると思います。

当然、検査結果が「陽性」と出れば、すぐに確認検査を行うことになり、早期発見につながります。

このように、検査結果が必ずしも正確ではない、と言うことを予め知った上で、ウィンドーピリオド中にHIV検査を受けてみる、と言うのはアリだと思います。

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4.献血とウィンドーピリオド

ウィンドーピリオドの間はHIV感染が正確に検査出来ない、と言うことから問題になるのが献血です。現在、献血で集めた血液はHIV他の感染がないかどうか、必ず検査を行います。かつてのエイズ薬害事件など、輸血による血液感染を防ぐためです。

しかし、HIV感染者がウィンドーピリオドの間に献血をしたら・・・・検査をすり抜けて輸血用に使われてしまう可能性があります。そこで、献血の前には必ずアンケートでHIV感染の可能性をチェックされます。HIV感染の疑いがある人は献血をすることが出来ません。

でも、自己申告ですから、献血者本人のモラルにかかっています。だいたい、献血の件数は年間で500万件前後です。その集まった血液を検査すると、HIV陽性が出る件数は100件をちょっと超えるくらいです。

関連記事:「献血でHIV感染が分かる?」・・・「献血とHIV陽性件数」・・・「HIVと献血」・・・「献血のルール」

500万で100件なら少ない、と単純には言えないと思います。見つかった件数が100件ですから、ウィンドーピリオドの最中に献血を受けて、検査をすり抜けた血液がないとは断定出来ないと思います。ただ、幸いにも、2004年以降、輸血によるHIV感染者は出ていないそうです。

考えてみると、献血をするとき、いくら事前にヒアリングやアンケートをしても、本人に何も自覚症状がなくて、まさか自分が感染しているなんて、夢にも思っていなければ申告のしようがありません。まさか、2週間以内に性行為をした人は献血出来ません、なんて制限する訳にもいかないでしょう。

本人が知らないうちにHIVをうつされた人は、その人もまた知らないうちに他の誰かにうつしてしまうかも知れないのです。こう考えれば、HIV感染の心当たりがなくても、一度はどこかでHIV検査を受けて、安心しておきたいものです。

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