HIV(エイズ)検査の種類
このページでは、HIV(エイズ)検査の種類について詳しい説明を行います。
慣れない難しい専門用語も出てくるのですが、全くの素人である私がうまく説明するのは難しいです。
多少分かりにくいところもあるでしょうが、ご容赦下さい。
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1.目的による検査の種類
HIV(エイズ)「検査はスクリーニング検査」と言う一次検査と、「確認検査」と言う二次検査の2つを組み合わせて行います。
◆スクリーニング検査
スクリーニング検査とは、まず最初に行う検査で、非常に高い感度でHIVの感染がないかどうかを調べる検査です。
ちょっとでも怪しい血液は「陽性」と判定し、絶対に「陽性」の血液を見逃さないことを目的としています。
「スクリーニング」とは「振い分け」と言う意味です。文字通り、検体(血液)を「陰性」と「陽性」に振い分けします。
従って、ウインドーピリオドを経過して受けたスクリーニング検査において、「陰性」と判定されれば、間違いなく「陰性」と言えます。
最近では保健所などのスクリーニング検査は「迅速検査」、または「即日検査」と言って、採血して30分から1時間以内に結果が分かるようになりました。(ただし、迅速検査をしていない保健所もあるようです。)
ただ、あまりに感度が高すぎるため、本当はHIVに感染していない血液を「陽性」と判定することがあります。
これを「偽陽性」と呼びます。
保健所で行うスクリーニング検査では、100人に1人程度の割合で「偽陽性」が出ると言われています。
(保健所で配布された「HIV検査」というパンフレットに記載あり。)
では、本当は「陽性」なのに、「陰性」と判定する「偽陰性」は絶対にないのでしょうか。実は、全くゼロとは言えないのだそうです。中四国エイズセンターの「HIV検査について」と言うガイドブックによれば、スクリーニング検査における「偽陰性」の確率は、0.000004%(250万分の1)だそうです。⇒「HIV検査について」
また、スクリーニング検査で用いられる検査方法には、次のようなものがあります。
①抗体検査=PA法、EIA法、IC法
②抗原抗体同時検査=EIA法
◆確認検査
スクリーニング検査で「陰性」と判定されれば、その時点で「陰性」が確定します。(ただし、ウインドーピリオドを過ぎていること)
しかし、「陽性」と判定された場合には、それが本当の「陽性」なのか、「偽陽性」なのかを判定するために、確認検査を行います。
確認検査はスクリーニング検査よりも精度の高い検査で、この検査では「偽陽性」が出ることはありません。
その代わり検査には時間がかかります。保健所などの確認検査では、結果が出るまで1週間から2週間ほどかかります。
保健所のスクリーニング検査で「陽性」の結果が出た場合、それが「偽陽性」である確率は77%だそうです。つまり、「陽性」と判定された人の、4人に3人は実は本当は「陰性」であり、残り1人が「陽性」と言うことになります。
このデータの詳しい説明は、「エイズ検査を受けるときの注意点」のページを参照して下さい。(下記関連記事です)
確認検査に用いられる検査方法は、次のようなものがあります。
①抗体検査=WB法
②遺伝子検査=RT-PCR法
関連記事
「エイズ検査を受けるときの注意点」:スクリーニング検査で「陽性」が出ても、4人に3人は「偽陽性」です。
「ウインドーピリオド」:HIV検査の種類によって、それぞれ感染してから検査が可能になるまでの期間が異なります。
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2.検査原理による分類
HIV(エイズ)検査は、その検査原理によっていくつかに分類されます。その代表的なものをご紹介します。
◆抗体検査
人間がHIVに感染すると、まず体内でHIVが増殖します。その後、免疫機能が働いて、HIVに対する抗体が生まれます。抗体検査は、この抗体が血液中に存在するかどうかを調べます。
抗体検査には、次のようなものがあります。
①IC法
即日検査、迅速検査と呼ばれて、保健所などでスクリーニング検査に使われている検査法です。検査そのものは15分程度で結果が分かります。ただし、この検査方法では抗体が検出出来るレベルまで増えるのを待つ必要があり、その期間(ウインドーピリオド)は3ヶ月とされています。つまり、HIVに感染して、3ヶ月以内にこの検査を受けても、正確な検査結果が出ないことがあるのです。
HIVには、HIV-1とHIV-2の2種類があるのですが、IC法では両方の検査が可能です。⇒「HIV-1とHIV-2」参照
②PA法(ゼラチン粒子凝集法)
この方法もスクリーニング検査に使われています。IC法と同様で、検査が可能になるまでに3ヶ月のウインドーピリオドがあります。またHIV-1とHIV-2の両方が検査可能です。この検査方法も多くの病院や保健所で使われています。
③WB法(ウェスタンブロット法)
確認検査で使われている検査方法です。スクリーニング検査で用いられるIC法やPA法よりも検査精度が高い方法です。スクリーニング検査では、HIVに対して作られる抗体のうち、1種類か2種類しか検査しません。しかし、WB法では全ての抗体を検査します。
◆抗原抗体同時検査
抗原検査とは、HIVの一部分であるHIV抗原を検出する検査方法です。抗体が作られるよりも早い段階で感染の確認が可能です。ただし、抗原が減少すると検査しても反応しなくなるので、抗体検査とセットで使われます。これを抗原抗体同時検査と呼びます。感染後早い時期で検査が可能な第四世代の検査方法と呼ばれ、多くの医療機関で用いられるようになりました。
抗原抗体同時検査には、EIA法(酵素免疫法)が使われます。
この検査のウインドーピリオドには明確な基準がなく、検査機関によってまちまちです。抗原を見つけるのは抗体が出来るよりも早い段階で可能であり、30日で可能とも言われています。しかし、抗体を見つけるには3ヶ月かかります。
ちなみに東京都では感染の機会から60日以上経過してこの検査を受ければ正確な結果が得られるとしています。
このエイズ検査では抗原はHIV-1型しか検査できません。抗体はHIV-1、HIV-2両方が検査出来ます。
◆NAT検査
NAT検査とは、HIVの遺伝子を見つけて感染しているかどうかを検査する方法で、RT-PCR法と呼ばれる方法が用いられています。検査精度が高いので、スクリーニング検査で「陽性」が出たときの確認検査に使われます。
最大の特徴は、感染初期に精度の高い検査が可能である、と言う点です。なぜ感染初期に検査が可能かと言えば、検体に含まれるHIVの遺伝子を、何万倍にも増幅して検査を行うため微量でも見逃さないからです。
では、実際のウインドーピリオドはどのくらいかと言うと、はっきりとした期間設定はないのだそうです。なぜなら、感染後のHIV増殖のスピードには個人差があり、一概には決められないからです。それでも、一応の目安としては感染の機会から6週間過ぎていれば、正確な検査結果が得られるとされているようです。抗原抗体同時検査よりも早く検査が可能です。
もともとこの検査法は、感染した人の治療のためにHIVの量を調べたり、輸血などに使われる血液製剤の中にHIVが含まれていないかどうかをチェックするために開発されました。しかし、最近ではわずかなHIVの存在でも分かることから、感染の初期検査としての利用が試みられるようになっています。
ただし、NAT検査ではHIV-1しか検査出来ません。また、NAT検査は検査方法が難しく、高額な設備を必要とするため一般の医療機関には普及していません。
関連記事
「保健所でHIV検査を受けました」:管理人が保健所でHIV 検査を受けた体験記です。
「HIV検査キットを使ってみました」:管理人がHIV検査 キットを使った体験レポートです。
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3.まとめ
以上、HIV検査の種類をまとめると、次のようになります。
①検査目的としての分類には、最初の振い分けとして「スクリーニング検査」があり、スクリーニング検査で陽性判定が出たときに受ける「確認検査」の2種類があります。
②HIV検査の検査原理からの分類としては、「抗体検査」、「抗原抗体同時検査」、「NAT検査」の3種類があります。
「抗体検査」では、HIVに感染すると免疫機能によって作りだされる「抗体」を見つけます。「抗原抗体同時検査」では、ウイルスそのものの「抗原」と、「抗体」の両方を見つけます。「NAT検査」では、ウイルスの遺伝子を見つけます。
③ウインドーピリオドが長い順に、「抗体検査」=3ヶ月、「抗原抗体同時検査」=2ヶ月、「NAT検査」=1.5ヶ月となります。
ただし、これらの期間はあくまでも目安です。いろんな本や信頼出来るサイト情報を見てもそれぞれで期間が異なります。その傾向としては、概ね新しい情報ほど、ウインドーピリオドの設定が短くなっています。これはある意味理解できます。検査技術が進歩して、段々とウインドーピリオドが短い技術が開発されているのだと思います。このサイトでも随時記事を更新していきたいと思っています。
最後の最後に一言です。どんなにHIVの検査技術が進歩し、ウインドーピリオドが短くなっても、偽陽性が少なくなっても、それは検査を受けてこそ威力を発揮します。検査を受ける人が少なければ、技術革新もあまり意味がありません。
HIV検査を受けるかどうかは、あなたの気持ちひとつです。HIV検査は本人の同意なしには出来ません。少しでも心あたりがあれば、手遅れになる前に検査を受けることをお勧めします。
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