献血でHIV感染が分かる?
このページでは、献血や健康診断の血液検査で、HIV(エイズ)感染が分かるか、と言うお話しをします。
いきなり結論ですが、HIVに感染したかどうかは、HIV(エイズ)検査を受けない限り分かりません。ネット上の色んな相談サイトで見かけるのが、
1.いつも献血をしているけど、何も言われないのでHIV感染は大丈夫か?
2.毎年職場や病院で、健康診断のとき血液検査をしている。何も言われないので大丈夫か?
この2つの質問です。そして、この2つの質問に対しては、どちらも「ノー」です。献血や、健康診断の血液検査では、HIV感染は分かりません。
献血の場合、正確に言えば、「保健所で検査を受けるのと同じようには分かりません」、と言う表現になります。以下詳細は本文にて。
________________________________________________
◇なぜ、献血でHIV(エイズ)感染が分からないのか?
確かに、献血で採取した血液は、そのまま輸血に使うことはなく、必ずHIVに感染していないかどうか、確かめます。かつて薬害エイズ事件では、多くの血友病患者が血液感染でエイズを発症しました。いま、日本では2004年以降、血液感染の事例はないそうです。
では、献血でHIV感染を検査しているのなら、HIVに感染しているかどうか、分かるのでは? そう思うかも知れませんが、ちがうのです。HIVに感染している血液は輸血に使えませんから、当然廃棄処分されます。しかし、HIVに感染していたと言う検査結果を献血者にお伝えすることはありません。
何故なら、HIVに感染していることをお伝えすれば、それこそ多くの人が献血をHIV検査代わりに使う可能性があるからです。それはとても危険なことなのです。その危険と言う理由をもう少し詳しくお話しましょう。
皆さんはウィンドーピリオドと言う言葉をご存知ですか?これは、HIVに感染して、正確な検査ができるまでの期間を言います。つまり、私たちがHIVに感染して、すぐにHIV(エイズ)検査を受けてもHIVを見つけることが出来ない期間があるのです。
保健所や病院、それに検査キットなどで行うHIV(エイズ)検査は、一般にはまず抗体検査と呼ばれる検査方法で行われます。これは、HIVに感染すると免疫機能が働いて体内に生成される抗体の有無を調べて、HIVに感染しているかどうかを調べるものです。
ところが、私たちがHIVに感染しても、すぐには抗体は出来ません。検査して見つけられるくらいの量にまで増えるには時間がかかるのです。この、HIVに感染してから検査が出来るようになるまでの期間が、ウィンドーピリオドです。ウィンドーピリオドには個人差もあって、感染の可能性がある行為を行ってから3ヶ月を抗体検査のウィンドーピリオドとしています。
つまり、感染の可能性がある行為を行って、それから3ヶ月以内にHIVの抗体検査を受けても、HIVに感染しているかどうかを正確に検査することは出来ないのです。HIV検査結果が「陰性」であっても、本当は「陽性」かも知れないのです。
これは献血で採取された血液についても全く同じことが言えます。ウィンドーピリオド中に献血を受けると、HIV感染検査をすり抜けて輸血に使われる可能性があります。とても危険なことです。
もしも、献血をHIV検査代わりに使おうと考えている人がいたとすると、そのような人は一般の献血者よりもHIVに感染している可能性は高いと推測されます。HIVに感染している可能性があるから、HIV検査の代わりに献血を受けようとする訳で、当然可能性は高いですよね。
では、実際にそのように献血した血液から、HIV感染が見つかるケースはどのくらいあるのでしょうか。
これについては、エイズ動向委員会の年次報告で正確なデータが出ています。そのデータを調べた記事がこちらです。
⇒「献血件数とHIV陽性件数」(1987年から2010年までの献血件数とHIV陽性件数の推移)
このデータによると、ここ20年くらい献血件数は減少傾向にあります。しかし、献血の中から見つかるHIV陽性件数はほぼ右肩上がりで増え続けています。2007年に100件を超えてからずっと100件以上見つかっています。
これはあくまでも検査で見つかった件数です。先ほども説明したように、感染間もない人が献血した場合には検査をすり抜ける可能性があります。そういったすり抜ける危険を防ぐために検査方法も改善されています。
HIVの血液感染を防ぐため、1999年10月からはNAT検査が導入されています。この検査方法は、先ほど説明した抗体検査よりも、より感度が高く、しかもウィンドーピリオドが短いのです。
つまり、HIVに感染している血液をより厳しくチェック出来る検査方法です。
抗体検査がHIVそのものを調べるのではなく、HIVに感染すると生成される抗体を調べるのに対して、NAT検査と言うのはHIVそのものの遺伝子の一部を増幅器にかけて調べるのだそうです。
そのため、血液中のHIVが少量であっても、確実に検出出来るそうです。原理は専門家じゃないのでよく分かりませんが、要は高感度の検査方式と言うことです。
それでも、NAT検査においてもウィンドーピリオドは存在します。こちらも個人差があるのですが、HIVに感染してから約6週間と言われています。従って、感染直後にNAT検査を受けてもすり抜ける可能性はあります。
このように、献血をHIV感染検査代わりに使うことは非常に危険であり、間違った考え方です。
それゆえ、献血においてはHIV感染の有無を献血者に教えることをせず、HIV検査代わりに献血されることを防いでいます。
しかし・・・・そうは言っても、HIVに感染していることが分かっている人に、そのまま告知せずに放置するのか・・・?
そんな疑問に答えるブログを見つけました。
こちらからどうぞ⇒「献血と感染症を読んで」
この記事に登場するブログの中では、献血を行う血液センターによっては、HIV感染を教えてくれると書いてあります。むろん、全ての血液センターで行っているとは書いてないし、ブログの趣旨は決して献血がHIVの検査代わりになる、と言ったものではありません。
もうひとつ、「HIVマップ」と言う有名なサイトがあるのですが、こちらでも「血液センターによってはHIV感染を告知することもあるようだ」と言ったことが書かれています。
こちらからどうぞ⇒「保健所代わりに献血でHIV検査?」
もちろん、このサイトでも、決して献血がHIV検査の代用となるとは書かれていません。仮に血液センターによっては告知するところがあったとしても、保健所と同じような訳にはいかない、と言うことを書かれています。
献血は、当然ですがHIV検査が目的ではないので、もしもHIV感染を告知するとしても、専門のスタッフもいないし、プライバシーの保護も保健所と同じレベルではありません。つまり、保健所と同じようなHIV検査は絶対に出来ないのです。
このように、建前としてはHIV感染は教えない、となっていますが本当のところは一部にHIV感染を教えている血液センターがあるのかも知れません。(あくまでも実際の所は分かりません。推測です。)
でも、あなたが献血した血液センターが、HIV感染を教えてくれる血液センターかどうか、それは調べようもありません。問い合わせれば絶対に「教えません」としか回答しないからです。
すなわち、献血を何回も受けて、何も呼び出しがないからHIV感染は大丈夫だ、とは行かないのです。結局、多くのサイト、多くの専門書に書かれている通り、HIV感染はHIV検査を受けること以外では絶対に分かりません。
保健所では無料、匿名でHIV検査が受けられます。なのに、保険所を利用せず、献血で検査を、と考える人はもしかしたら保健所に行くこと自体が嫌なのかも知れません。人と顔を合わせたくないなどの理由があるのかも知れません。もしも、そんな人がいたら、ぜひこんな記事も見て下さい。
こちらからどうぞ⇒「HIV検査キットを使ってみました」
自宅で匿名検査が簡単に受けられます。管理人の写真付き詳細レポートを記事にしてあります。どうぞご参考にして下さい。ともかく、くれぐれも献血を受けて呼び出しがないから安心だ、などと思わないようにして下さい。
なお、献血でのHIV感染告知については、以下のサイトをご覧下さい。正式にお断り、の記事があります。
日本赤十字社のこのサイトを見て下さい。⇒こちらのサイトです。
また、こちらのコラムもご参考にどうぞ。⇒「献血のルール」
________________________________________________
◇なぜ、健康診断の血液検査ではHIV感染が分からないのか?
これは理由は簡単です。はじめからHIV検査が検査項目に入っていないからです。
一般的な健康診断で行う血液検査は、肝機能や中性脂肪の量を検査するのが目的です。
HIV検査は検査項目にありません。いくら血液検査だと言っても、検査項目にHIV検査がないのですからHIVに感染したかどうか、分かるはずがありません。
また、HIV検査は原則として事前の本人承諾が義務付けられています。本人が知らないうちにHIV検査を実施されることはありません。
ですから、健康診断のときに、「今回からHIV検査が追加になりますが、受けますか?」と事前案内があれば、話は別ですがそんな健康診断は会社や学校ではしませんね。
以上のように、HIV(エイズ)検査を目的とした血液検査を受けない限り、HIVの感染の有無は分かりません。
先ほども書きましたが、献血でHIV感染を調べるくらいなら、保健所で無料・匿名の検査を受ければいい。そう思いませんか?わざわざ、献血を利用するまでもないのに。⇒「保健所でHIV検査を受けました」
どうしても保健所は行きたくない、行けない、と言う人は次の記事を参考にして下さい。
⇒「HIV検査キットを使ってみました」:管理人の体験記です。写真付きで詳細に説明しています。
とにかく、HIV感染の不安があるのなら、献血以外の方法、保健所に行くか検査キットでチェックして下さい。HIV感染の疑いがあるのに放置していると、「いきなりエイズ」の可能性もあります。
⇒「いきなりエイズ」:実に日本ではHIV感染者3人に1人は「いきなりエイズ」です。
![]()
| □知っていますか? この病気に感染していると、HIV の感染リスクが何十倍にもなるって・・⇒ここから |
| □検査キットの選定ミスをしないため、ここだけはしっかり押さえておきたい、4つの重要ポイント・・⇒ここから |
| □この検査キットなら簡単、安全。 写真付きでとっても詳しい管理人の使用体験レポート。・・・⇒ここから |
.
.
.
.
.
.
.
.