HIV(エイズ) 検査の概要
このページでは、HIV(エイズ)検査の大まかな全体の仕組みをお話します。
私もまったくの素人なので、調べるまでは知らないことばかりでした。HIVやエイズのことを色々な本で読んだり、ネット上で調べた結果をまとめてお話します。一般的なHIV・エイズ知識として知って頂けたらと思います。そして、もしも今、検査を受けようか、どうしようかと迷っている人がいたら、ぜひ最後まで読んで頂きたいと思います。きっとお役に立てると思います。
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1.HIV検査とは?
HIV検査とは、HIV=ヒト免疫不全ウイルス(ヒトめんえきふぜんウイルス)に感染していないかどうかを調べる検査です。このウイルスに感染していると、やがてエイズを発症し、深刻な感染症を引き起こします。治療せずに放置していれば非常に高い確率で死に至る病気です。
しかし、早期発見、早期治療が開始できれば、死ぬことはなくなりました。だからHIV検査はとても大事な検査なのです。検査の方法はこれから詳しく説明しますが、わずかな量の血液を採取し、血液検査によってHIV感染を調べます。
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2.どんなときにHIV検査を受ける?
HIVの感染ルートは、性行為感染、血液感染、母子感染、この3つです。しかし、血液感染も母子感染もごくまれであり、ほとんどは性行為感染です。
国立国際医療センター戸山病院(現・独立行政法人 国立国際医療研究センター病院)の本田医師はエッセイの中で、こうおっしゃっています。
「1回でも、どなたかと性的な接触があれば、HIV検査を受ける十分な理由になります。」
エイズが初めて見つかった頃は、男性の同性愛者の間で流行する病気だと言われたり、血友病患者の薬害だけがクローズアップされました。しかし、HIVは私たちのごく身近にあるウイルスで、誰がいつ感染しても不思議ではありません。
このサイトでも「HIV感染者・エイズ患者の現状」と言うページで詳しく実情を説明していますので、ぜひそちらもご覧になって下さい。こちらから⇒「HIV感染者・エイズ患者の現状」
HIVは、感染しても初期の急性期を除けば自覚症状はありません。「なんだかHIVに感染したみたい・・・」と自分で分かる症状から検査を受けるきっかけはないのです。それゆえ、自覚症状がなくても心当たりがあれば、自分で検査に行かなくては手遅れになることもあります。
コンドームなしのセックスを行ったとか、不特定多数の相手とセックスしたとか、こういった場合には早急にHIV検査を受けることをお勧めします。また、コンドームを使っており、しかも特定の相手しかセックスしない、と言う人も安心のために一度はHIV検査を受けることをお勧めします。
「好きな相手と普通にセックスしていれば、HIVなんて感染しない・・・」これはまったく根拠なき思い込みに過ぎません。
もちろん、HIV急性感染症の疑いがある人は、すぐに検査を受けることをお勧めします。HIV急性感染症については、次の関連記事を読んで下さい。
関連記事
「HIV急性感染症」:感染後に現れるインフルエンザに似た症状です。具体的に解説してあります。
「こんな症状が出たらHIV検査を」:HIV急性感染症の発症事例から、特に注意すべき症状を説明しています。
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3.HIV感染は、HIV検査でしか分かりません。
皆さんすでにご存知かも知れませんが、HIVに感染しているかどうかは、HIV検査を受ける以外には絶対に分かりません。ところが、ネット上でよく見かける質問に、
「最近知りあったばかりの相手とコンドームなしのセックスをしてしまいました。それから1ヶ月くらい経つのですが、微熱が出たり、喉が痛かったりします。これって、HIVに感染したのでしょうか?」
この手の質問はとても多く、いろんな掲示板、質問サイトで見かけます。HIV感染が不安でたまらず、でも検査を受ける勇気がなくて、思わずネット上で質問してしまうのです。管理人も自分の体験上この質問者さんたちの気持ちは痛いほどよく分かります。
確かに、HIVに感染した数週間後にインフルエンザに似た症状が出ることがあります。これをHIV急性感染症と呼びます。感染した後に体内でHIVが急激に増殖し、ウイルスが血液中に入り込んでウイルス血症を起こす為に発症します。この症状はほおっておくと、数週間で自然と治ってしまいます。
でも、HIVに感染してもこの症状が出ない人もいるし、症状が出てもただの風邪や体調不良かも知れません。いくら推測に時間とエネルギーを費やしてみても、結局はHIV検査を受けないと感染の有無は分かりません。
「自己紹介です」のページで、私の体験を書きました。すごい心当たりがある行為の数週間から1ヶ月、2ヶ月後に、発熱、発疹、帯状疱疹、全身のだるさ、喉の痛み、頭痛、下痢など、様々な症状が続きました。もう、間違いなくHIVに感染していると自分では思いました。
発熱や下痢はともかく、全身の発疹や帯状疱疹なんて、今まで経験がありませんでした。どちらもHIV感染の後に多く見られる症状だと本に書いてあるのを見て、パニック寸前でした。
そんな私でしたが、勇気を出してHIV検査を受けた結果は「陰性」、感染はしていなかったのです。あんなに怪しい症状だらけの私でも感染していませんでした。だから、どんなに自分は感染していると不安に思っても感染していないかも知れないし、逆に絶対大丈夫だと思っていても感染しているかも知れません。結局、検査を受けてみるまで分からないのです。
また、こんな質問もネット上でよく見かけます。
「献血でHIV感染が分かりますか?」
「会社の健康診断で血液検査をしましたが、HIV感染も分かりますか?」
この2つの質問です。答えはどちらも「ノー」です。
特に献血については意外に誤解している人が多いようです。確かに献血で採取した血液はHIVに感染していないか検査します。しかし、たとえ検査結果が陽性であっても、献血者には教えないことになっています。なぜなら、エイズ検査目的で献血する人が増えると次の理由により危険だからです。
私たちがHIVに感染しても、感染初期には検査が正確に出来ない期間があります。この期間をウインドーピリオドと呼びます。もしも、この期間中に献血を受けに来られると、検査ではじくことが出来ずに輸血された患者がHIVに感染する危険があるのです。
手軽に献血で調べてもらおうなどと、決して安易に考えないようにして下さい。⇒(献血でHIV感染がわかる?のページを参照)
また、会社などで行う一般的な健康診断の血液検査ではHIV感染は検査しないのが普通です。血液中の中性脂肪や、肝機能などの検査が目的です。 HIV(エイズ)検査は原則として、本人の同意のもとに行うことになっています。また検査結果も本人に直接連絡することになっています。プライバシー保護も十分考慮されない集団の健康診断でHIV(エイズ)検査が行われることはないと思ってよいのではないでしょうか。
以上のことから、少しでもHIV感染が不安で心配なら、勇気を出してHIV検査を受けることです。ここでは、その決心がつくよう、お手伝いが出来ればと、HIV検査について解説をします。
HIV検査の概要から種類、検査を受けるときの注意点なども説明します。この記事を読みながら、ご自分が検査を受けるときの状況をイメージして頂けたらと願っています。
関連記事」
「自己紹介です」:管理人の自己紹介と合わせて、HIV検査を受けるに至った経過を書いています。HIV急性感染症に似た症状に悩まされ続けました。
「ウインドーピリオド」:HIV検査を受ける時には、必ずウインドーピリオドが終わってから受けます。
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4.HIV検査の流れは?
まず、HIV検査の大まかな流れからお話します。私たちが保健所や病院でHIV検査を受けようとすると、凡そ次のようなステップを踏んで検査を受けることになります。
検査の流れ⇒問診・面談⇒スクリーニング検査⇒確認検査⇒告知・治療開始
では、順に見て行きましょう。
①問診・面談
病院なら問診、保健所なら簡単な面談があります。ここで、検査を受ける目的や、感染した可能性がある日からどのくらい時間が経過しているか、などの質問があります。保健所では簡単なアンケート用紙も用意されています。
基本的に、保健所の場合は匿名検査であり、個人情報は出す必要がありません。面談やアンケートでも、自分が答えたくなければ無理に答える必要はありません。しかし、病院では個人情報は分かってしまいます。しかし、どこで検査を受けても検査結果については守秘義務があって、本人の了解なしに第三者へ情報を洩らされる心配はありません。
また、HIV検査は本人の了解なしに行うことは禁止されています。ただし、未成年者、意識不明の患者、精神障害のある患者などの場合には、保護者や家族の同意があれば検査出来ることになっています。このとき、書面は不要とされており、口頭了解で手続き完了です。
②スクリーニング検査
HIV検査は、スクリーニング検査と呼ばれる一次検査と、確認検査と呼ばれる二次検査の組み合わせで行われます。まず、スクリーニング検査ですが、スクリーニングとは「振い分け」と言う意味です。採血した検体(血液)を、「陰性」と「陽性」に振い分けをします。
このスクリーニング検査で用いられる検査方法は、多くは抗体検査と呼ばれるもので、感染して身体に侵入してきたウイルスそのものを見つけるのではなく、ウイルスに感染したことによって出来た抗体を見つけるやり方です。抗体と言うのは、人の免疫機能によって作られる物質で、ウイルスや細菌をやっつけ、身体を守ってくれる役目をします。
この抗体は感染してすぐに作られるのではなく、時間がかかります。個人差もあるのですが、確実な検査をしようとすれば感染の機会から3ヶ月経過したのちに検査を行うとされています。3ヶ月以内では、感染していても「陰性」になる可能性があります。
この抗体が出来て検査が可能になるまでの期間を「ウインドーピリオド」と呼びます。検査方法によって、その期間は異なります。最近では3ヶ月も待たずに正確な検査が出来る方法も開発され取り入れられるようになっています。
このスクリーニング検査は非常に感度が高い検査で、怪しいウイルスがいたら絶対に見逃しません。でも、あまりに感度が高すぎて、HIVに感染していないのに間違って感染している、「陽性」と判定してしまうことがあります。これを「偽陽性」と呼び、確率的には1%くらい発生します。(保健所配布資料による)
以上のように、スクリーニング検査で「陰性」と判断されれば、問題なく感染していないことになります。しかし、「陽性」と判断された場合には、それが本当の「陽性」なのか、「偽陽性」なのか、更に検査を行うことになります。
実際には、スクリーニング検査で「陽性」と判断されても、「偽陽性」の方が多いのです。このことをスクリーニング検査を受ける前にしっかり確認しておきましょう。そうしないと、「陽性」判定を最終結果と勘違いして、そのまま自暴自棄になったりしたら大変です。
なお、抗体検査の場合「即日検査」と「通常検査」の2種類があります。即日検査だと、1時間程度で検査結果が分かります。保健所でもこの即日検査が増えてきました。検査した日の後にまた出直す手間がなく1日で終わります。その一方、通常検査だと、検査してから1週間から10日くらいして検査結果が出ます。本人が直接結果を聞きに出直す必要があります。
③確認検査
スクリーニング検査で「陽性」と判定されると、次に確認検査を受けることになります。この検査では「偽陽性」が出ることはありません。従って、確認検査で「陽性」の結果が出ると、「陽性」が確定します。
確認検査には「即日検査」はありません。検査してから1週間から10日くらい後に検査結果が分かります。
④告知・治療
確認検査で「陽性」であることが確定すると、直接本人へ面談で告知されます。電話や手紙、メールなどを使った告知はありません。医師や専門スタッフが今後の治療や日常生活に関する注意点を説明すると同時に、本人のメンタル面をケアするため、カウンセラーが対応します。
かつてはHIVに感染していることが分かっても、有効な治療法がなく、5年から10年の潜伏期間を経てエイズを発病し、そこから2年ほどで死亡に至る恐ろしい病気でした。
現在でも完治させることが出来ない病気ではありますが、いい薬が出来、治療法の開発も進みました。早期に感染が分かれば早期治療が可能で、HIVに感染していてもエイズを発症させないで普通の生活が出来るようになったのです。
むろん、今のところ完治することがないので、生涯薬を飲み続ける必要があります。また、いくつかの副作用があることも報告されています。そういったことから、決して深刻さが軽くなった訳ではありませんが、すぐに死ぬ病気ではなくなりました。
こういった情報をカウンセラーが説明してくれ、今後の生活をいっしょに考えてくれます。家族や職場に対して陽性だったことを話すのか、話さないのか。また、話すとすれば、どう言えばいいのか。こういったことを本人だけで悩むのではなく、カウンセラーがいっしょに考えてくれるのです。
関連記事
「抗HIV薬を飲み続ける大変さ」:HIVの治療薬は他の病気の薬にはない、飲み続ける苦労があります。
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5.検査費用はどのくらい?
HIV検査を受けるのに、費用はどのくらいかかるのでしょうか。まず、保健所で検査を受けると無料です。まったく費用はかかりません。私も保健所で検査を受けましたが1円もかかりませんでした。
では、病院で検査を受けた場合にはどうでしょうか。症状や病院によって差があると思いますが、診察代と検査費で凡そ7,000円程度かかるようです。この金額は健康保険が適用されない場合の金額です。
HIV検査も健康保険が適用される場合もあります。それは、医師が診察してエイズを発症している疑いがある場合や、HIVに感染している可能性があると認められた場合です。つまり、まったく感染を疑う症状がなく、念のために検査をしたい、と言うような場合には健康保険の適用外となり、感染している可能性があれば保険適用となります。
この他、HIV検査キットを使って検査を受けることも出来ます。このサイトでも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。検査キットの場合だと、2,500円から5,000円程度の金額となります。
関連記事
「HIV検査の保険適用」:HIV検査において、健康保険の適用がどうなっているのか、説明しています。
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6.まとめ
HIV検査の要点をまとめると、次にようになります。
①HIVは感染しても自覚症状がなく、HIV検査を受ける以外に感染を確かめる方法はない。
②HIV検査にはスクリーニング検査と確認検査があり、スクリーニング検査では「偽陽性」が1%程度の確率で発生する。
③HIV検査は保健所では無料・匿名で受けられる。病院では7,000円ほど費用がかかり、個人情報が必要となる。他に検査キットを使う方法もある。
④HIV検査は本人の同意が必要であり、検査結果は本人に直接告げられる。また、保健所や病院には守秘義務があり検査結果を本人の了解なしに第三者へ漏らすことは出来ない。
⑤HIVの検査方法にはいくつかあるが、それぞれ感染してから検査が出来るようになるまでに、ある期間が必要でその期間をウインドーピリオドと呼ぶ。この期間中に検査をしても正確な検査結果は得られない。
⑥仮に検査結果が「陽性」と確定しても、現在では治療法も進んでおりエイズ発症を抑えることが出来るようになっている。専門スタッフ、カウンセラーが今後の治療や生活をいっしょに考えてくれる。
それでは最後にひとこと。HIV感染を不安に思う人にとって、最悪のケースとは何でしょうか。
検査を受けて、結果が「陽性」と出ることでしょうか。
私はそうではないと思います。HIV検査を受けず、自分が感染していることに気がつかないまま、「いきなりエイズ」を発症することだと思います。 ⇒(「いきなりエイズ」参照)
どうぞ、不安に思う人は勇気を出してエイズ検査を受けて欲しいと思います。
関連記事
「保健所でHIV検査を受けました」:管理人が保健所でHIV検査を受けた体験記です。
「HIV検査キットを使ってみました」:管理人がHIV検査キットを使った体験レポートです。
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