続・HIVと退職勧奨問題
前回のコラムで、愛知県の大手病院で昨秋、HIV感染と診察された30代の看護師が、病院から退職勧奨を受けて辞職していたことを取り上げました。
このニュースに関して、医療現場から現役の内科医師であるおかだ氏がご自分の意見をブログで述べられています。
『転がるイシあたま』と言うタイトルのブログです。とても面白くて分かりやすくご自身の意見を書かれています。おかだ氏の見解としては、「病院側が行った行為は不当差別である。それに対して世間で病院側の行為に共感する意見が多いことに驚いている」と言うものです。そして、世間で共感者が多い背景には「差別」と「迷信」が存在すると書かれています。
今回の「差別」と「迷信」がどんなものだったのか、おかだ氏のご意見はとても興味深く、ブログを読んでいて思わず納得しました。日本人が科学的根拠の薄い事象に対して、いかに迷信に惑わされやすいか、と言うことを具体的に説明されています。詳しくはブログをご覧頂きたいと思います。
おかだ氏のブログ記事の最後は、
「どんな人が職員あるいは患者であっても良いように標準手順を確立しておくことが大切なのではないですか?」
と締めくくられています。かつてエイズパニックが起きたころ、HIV患者の受け入れを拒否する病院、ホテル、学校などが問題になりました。医療現場においては、医療を行う側だけでなく、受ける側も排除された歴史があります。
私が前回のコラムに書いたように、科学的な根拠に基づく標準ガイドラインは、絶対に必要ですね。
また、このおかだ氏のブログの中で、もう一人現役の医師ブログが紹介されています。
Yosyanと言う神戸で開業医をされている医師が運営する、「新小児科医のつぶやき」と言うブログです。今回のニュースをご自身の視点から取り上げられていますが、おかだ氏と同様のご意見です。こちらも詳しく論点を書かれていますので、ご覧頂ければと思います。
このお二人が共通して驚かれていることは、今回のニュースがネット上では賛否両論になっていることです。HIV感染者を差別した病院に賛成する人はもっと少ないだろうと思っていたそうです。ブログの中にも書かれていますが、ネットの世界は匿名で書き放題、ある意味ホンネが出やすい世界でもあります。どんなホンネであるかが問題ですが。
しかし、HIV感染者の差別がこうしてメディアに取り上げられるのって、随分久々のような気がします。むろん、決していいことではないのですが、無関心よりはいいと思います。HIV感染者は増え続け、世間ではあまりHIVやエイズに対して興味もなく忘れさられているような気もします。
世間はそうであっても、HIV感染は、あなたと言う個人にいつ降りかかるか分からない大きな問題であることは未だに何も変わっていないと思います。
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