HIV感染者はどこで見つかる?
このページでは、HIV感染者がどこで見つかっているかをお話します。私の認識では、HIV感染者は保健所で検査を受けて見つかるケースがほとんどではないかと思っていました。しかし・・・・
________________________________________________ 1.HIV感染のスクリーニング検査は保健所・医療機関・検査キットで可能
まず、HIV感染のスクリーニング検査(1次検査)を行っているのは、全国の保健所、医療機関、そして検査キットを使った自宅での検査ですね。この3つのうち、自宅で個人が行う検査キットによる検査は、スクリーニング検査しか出来ません。仮に検査キットの検査結果が陽性(感染している)の場合には、確認検査(2次検査)が必要になります。
その確認検査(2次検査)は検査キットでは出来ないので、改めて保健所か医療機関に出向いて再検査を行うことになります。従って、HIV感染者として報告が上がってくるのは保健所か医療機関のどちらかと言うことになります。
では、HIV感染者は保健所と医療機関と、どちらで多く見つかっているのでしょうか。
________________________________________________ 2.保健所と医療機関のHIV感染発見数
ここで、厚生労働省エイズ動向委員会の2008年(平成20年)のデータから、HIV感染者の発見数を検証してみましょう。以下に検証のための基礎データを示します。
①2008年(平成20年) HIV感染者数 1,126人 (エイズ動向委員会報告書より)
②2008年(平成20年) 全国の保健所におけるHIV抗体検査総数 146,880 (エイズ動向委員会報告書より)
③保健所におけるHIV感染者発見確率 3人/1000人 (厚生労働省 HIV検査相談マップより)
最後の、③保健所におけるHIV感染者の発見確率は凡その数値だそうです。従って、本来基礎データとして確定した数値と同一には扱えないと思います。今回は他に根拠となるデータが見つからなかったので、不正確を承知で目安としての検証を行います。
④保健所におけるHIV感染者発見数=②検査件数×③発見確率=441人
⑤保健所以外の医療機関におけるHIV感染者発見数=①HIV感染者数-④保健所におけるHIV感染者発見数=685人
以上のような計算となります。
従って、2008年のHIV感染者は、39%が保健所で見つかり、61%が医療機関で見つかったことになります。(基礎データの③が条件付きのため、あくまでも目安です。)
一方、こんなデータもあります。『これでわかるHIV/AIDS診療の基本』(白坂 琢磨氏編集 南江堂)によると、HIV感染は約80%が医療機関によって見つかっていると記述されています。その根拠となる数値は示されていませんが、白坂氏はHIV、エイズの先端医療の専門家です。必ずバックデータがあっての記述だと思われます。
従って、HIV感染者の6割から8割は医療機関で見つかっている、と思えば間違いないと思います。正直、私の認識では、もっと保健所での検査で見つかっていると思いました。何故なら、保健所では無料・匿名で検査が可能です。医療機関では有料であり匿名検査は不可です。どう考えても保健所に検査に行く人の方が圧倒的に多いはず、そう思いました。
実際のところ、自分でHIV感染が不安だから検査を受けようと、自主検査を行う場合には保健所に行く人がほとんどでしょう。誰がどう考えても絶対にそうです。保健所に比べて医療機関の優位性、メリットは思いつきません。
では、なぜ事実として医療機関でのHIV感染者発見が多いのか? それは、本人の自主的な検査で見つかったのではなく、HIV感染以外の医療行為の中で見つかっているのです。
例えば、クラミジア感染症や梅毒などの性感染症で病院に行って、HIV検査も受けたら感染していた、と言う場合ですね。あるいは、帯状疱疹の治療を受ける中でHIV感染も検査したら陽性だった、と言う場合です。(帯状疱疹はHIV急性感染症の可能性あり)
むろん、いきなりエイズ、と呼ばれるケースも含みます。身体に異変があって内科医に診てもらったら、すでにエイズを発症していた場合です。これはHIV感染者全体の約3割を占めるそうです。
________________________________________________ 3.早期発見・早期治療
このサイトの色んなページに書いていますが、現在ではHIVに感染しても早期に見つかればエイズ発症を抑えることが可能になっています。医療機関で早期に見つかることは大事ですが、それよりもっと早く、保健所で何かの症状が出る前にHIV感染が見つかればより効果的な治療が可能です。
HIVは自覚症状の出ない性感染症です。自分で不安に思う行為や、心当たりがあれば、すぐに保健所でHIV検査を受けることをお勧めします。
| 「いきなりエイズ」を防ぐには、早くHIV検査を受ける以外に方法はありません。⇒ 「HIV検査があなたの命を救います」 |
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