HIV(エイズ)と性感染症の法律
昔は「性病」、今は「性感染症」。呼び方が変わりました。何故だかご存知ですか?これは該当する法律が変わったので呼び名も変わったのです。今回はHIV(エイズ)と性感染症の法律についてご紹介します。
HIV(エイズ)をはじめとする性感染症に関する法律としては、『感染症の予防及び感染 症の患者に対する医療に関する法律』と言う、長い名前の法律があります。この法律は、1998年に制定され、1999年4月1日に施行されまし た。この法律が制定される前は、「伝染病予防法」、「性病予防法」、「エイズ予防法」と言う別々の3つの法律があったのですが、それを統合して1つの法律 としました。この法律が出来てから、「性病」と言う呼び名を「性感染症」と変えています。
以前の「性病」と言う名前で呼ばれていた病気は次の4種です。
◆軟性下疳⇒詳 しくはこちら
◆淋菌感染症⇒詳 しくはこちら
◆梅毒⇒詳 しくはこちら
◆第四性病(鼠径リンパ肉芽腫・そけいりんぱにくげしゅ)⇒鼠径リンパ部と言うのは、足の付け根です。ここにはリンパ節がたくさんあります。クラミ ジア・トラコマティスと言う細菌に感染すると、この鼠径リンパ部に痛みのある腫脹(ふくれ上がった部分)が出来ます。
「性病予防法」が出来たのは1945年です。当時は、先にあげたような性病が多かったのです。しかし、現在では軟性下疳、第四性病はほとんど見られ なくなっているそうです。その代わりに、クラミジア感染症、性器ヘルペスなどの性感染症が増えています。時代と共に性感染症の流行も変わったのですね。そこで、性行為によって感染する病気をひとまとめ にして、新しい法律へと移行したのです。また、「伝染病予防法」に至っては、制定が明治30年まで遡ります。当時と今では伝染病も変わっているし、患者へ の対応も変わっています。
この2つの法律に、「エイズ予防法」も変更、追加して新しい法律が制定されました。そして、2007年4月1日からは「結核予防法」もこの法律に統 合されました。
この法律によって、感染症は一類感染症から、五類感染症まで、5つに分類されています。これは、病原体の感染力の強さ、感染した場合の患者への影響 など、危険性の高いものから順に一類、二類と分類したのです。エイズは五類感染症と分類されています。五類に指定された感染症は、医療現場で診断した場合 には、7日以内に保健所に届け出ることが義務付けられています。
私たちの身近な性感染症としては、エイズと梅毒が五類感染症に指定されています。従って、この2つの病気は診察した全ての患者データが報告されま す。これに対して、クラミジア感染症やトリコモナス症などの性感染症は同じ五類感染症でも全数報告ではなく、定点報告となっており、定点に指定された医療施 設からだけ定期的な感染状況が報告されることになっています。この定点報告については、「性感染症の動向調査」と題して、コラムで取り上げました。
こういった法律は、患者の生命、人権の尊重などに非常に大きくかかわるものですが、日頃はあまり馴染みがないですね。
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「HIV・エイズの歴史」:法律はまた、エイズの歴史と深い関わりがあります。
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