厚生労働省では毎年1回、保健所におけるHIV検査の実態調査を行っています。
■HIV 検査相談に関する全国保健所アンケート調査報告書(平成26年度)
今回は平成26年度(2014年)の調査報告書から概要を抜粋であなたにお伝え致します。あなたが保健所でHIV検査を受けるとき、ぜひ参考にして下さい。
最初に、過去16年間の保健所におけるHIV検査の受検数の推移を見て頂きます。
グラフ1.保健所におけるHIV検査・相談数
保健所におけるHIV検査は平成20年(2008年)をピークに下げ止まったまま横ばい状態が続いています。
◇保健所HIV検査結果の概要
平成26年度における保健所アンケート調査の概要を説明しましょう。まず、今回の調査は全国577箇所の保健所にアンケート依頼を行い、そのうち469箇所から回答がありました。(グラフ2)
グラフ2.保健所HIV検査アンケート
そしてアンケート回答のあった469箇所の保健所のうち467箇所でHIV検査を行っています。実施率は99.6%なのですが、正直100%じゃないのに驚きました。てっきり100%だと思っていたのですが。
また、HIV検査を行った467箇所のうち114箇所でHIV陽性者がありました。
これもまた私としては全く意外でした。2014年にHIV検査を行った保健所のうち、76%の保健所ではHIV陽性者が1人もいなかった、ということですね。
では保健所HIV検査のデータをもう少し中身を見てみましょう。(グラフ3)
グラフ3.保健所HIV検査の概要
グラフ3からお分かりのように保健所におけるHIV検査の陽性者は231人で陽性率は0.24%でした。2014年の新規HIV感染者は1,091人でしたから、約21%が保健所のHIV検査で見つかったことになります。
そして、HIV陽性だった231人のうち215人にHIV陽性の告知を行ったということです。と言うことは16人はHIV陽性だったのに、その検査結果を伝えることが出来なかったことになります。
う~ん、これもショッキングなデータですね。もしかしたら検査結果を知るのが怖くて結果を聞きに行かなかったのでしょうか。何とも心配な数字ですね。
次に陽性結果を伝えた215人のうち182人については専門機関で受診したことを確認できたそうです。これも正直100%に近い数値じゃないかと思っていたのですが。保健所でそこまで確認は難しいのでしょうね。
◇特設検査機関におけるHIV検査の概要
さて、次は特設検査機関におけるHIV検査です。特設検査機関というのは各自治体が独自にHIV検査を行うために開設したもので、例えば東京都南新宿検査・相談室などが該当します。
特設検査機関は全国に23あって、このうち18箇所からアンケート回答がありました。そして77.8%にあたる14箇所でHIV陽性者が見つかりました。(グラフ4)
グラフ4.特設検査機関HIV検査アンケート
HIV検査に特化して開設されているせいでしょうか、保健所に比べるとHIV陽性率が高いようです。次のグラフ5をご覧ください。
グラフ5.特設検査機関のHIV検査概要
保健所のHIV陽性率が0.24%だったの対して特設検査機関では0.6%と2.5倍の多さです。
◇通常検査と即日検査の割合
さて、次は保健所における通常検査と即日検査の割合です。グラフ6をご覧ください。
グラフ6.保健所HIV検査通常・即日の割合
●通常検査 採血をして1週間から10日ほど後に検査結果を再度聞きに行く必要あり。
●即日検査 採血の後1時間ほどで検査結果が分かります。1回だけで済みます。
即日検査が断然利便性が高いですね。わざわざ2回も保健所まで行くのは面倒ですよね。でも、まだ3割の保健所では通常検査しかやっていません。
費用の問題や利用者数の問題があるのでしょうか。単純に考えると即日検査を増やせばもっとHIV検査を受ける人が増えるような気がしますけど。
ちなみに平成2013年度においては通常検査のみの保健所は32%でした。それからすると、ほんのわずかではありますが2014年は改善されたと言えます。
◇保健所のHIV検査利用時間帯
私の最寄りの保健所ではHIV検査は平日の昼間のみ、それも月に2回だけです。では全国的にはどうなのでしょうか。グラフ7をご覧ください。
グラフ7.保健所HIV検査の利用時間帯
やはり、ほぼ半数の保健所では平日の昼間しかHIV検査をやっていません。だからサラリーマンや学生さんがHIV検査を受けようとすれば仕事や学校の都合をやりくりする必要があります。
むろん、自営業の方も専業主婦の方も、それなりにやりくりは必要だと思います。ここは即日検査の普及同様、保健所の利便性を上げて欲しいと思います。
ここでも費用と利用者数の問題があるのでしょうか。
◇HIV以外の性感染症検査
案外知られていないのが、保健所でHIV以外の性感染症検査も無料・匿名でやってくれることです。私も初めて保健所でHIV検査を受けたときには知りませんでした。
グラフ8のように、85.7%の保健所ではHIV以外の性感染症検査を行っています。
グラフ8.保健所でHIV以外の性感染症検査をしているか
では実際にはどんな性感染症の検査を行っているのでしょうか。それがグラフ9です。
グラフ9.保健所で行うHIV以外の性感染症検査
梅毒、クラミジア、B型肝炎、C型肝炎といったところが多いですね。ただ、こうした性感染症検査はHIVとの同時検査が条件になっている場合が多いです。
また、B型肝炎、C型肝炎、HTLV-1については匿名不可だったり、一部費用自己負担の保健所もあるようです。あなたの最寄りの保健所でご確認下さい。
◇未成年者のHIV検査
では最後に未成年者のHIV検査です。HIV検査は匿名検査であり個人情報を出す必要はないのですが、年代は聞かれます。そこで10代と答えれば未成年であることが分かります。
あなたが未成年で保健所へHIV検査を受けに行った場合、どんな対応になるのでしょうか。それがグラフ10です。
グラフ10.保健所における未成年者の検査希望の対応
75%の保健所ではあなたの希望通りHIV検査をしてくれます。そして20.6%の保健所では「特別な配慮」をしてくれるそうです。
ただ、これが具体的にどんな配慮なのか不明です。普通に考えると検査結果が陽性だったとき、通常よりも手厚いフォローを行う、みたいな配慮でしょうか。
未成年であるがゆえに自分がHIV陽性と告知されてパニックになることを防ぐための配慮ではないかと思います。
さて、今回は平成26年度の全国の保健所や特設検査機関におけるHIV検査の実態を厚生労働省の報告書から一部抜粋でご紹介しました。
厚生労働省エイズ動向委員会の報告によれば、依然としてわが国ではHIV感染が分かったときにすでにエイズを発症している人が約30%います。
抗HIV治療が進歩してエイズで亡くなる人は激減していますが、それでもなおエイズ発症前にHIV感染が分かった方が生存率は高いし後遺症のリスクも減ります。
早期のHIV検査は救命的検査となります。どうぞあなたもHIV感染の不安があれば保健所でHIV検査を受けて下さい。
それでもどうしても時間がないというあなたは、自宅で使えるHIV検査キットもあります。決してHIV感染不安を放置しないで下さいね。
HIV検査の先送りは「いきなりエイズ」のリスクが増すだけです。
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