私の50代の知人にHIV感染の疑いがあったとき、その知人は私に言いました。

「何回も献血に行ったけど、一度も何か言われたことがない。だから大丈夫。」

もしも自分がHIVに感染していたら、きっと血液センターから告知があったはず。それがないのはHIVに感染していないからだと言う理屈です。あなたはこの知人の言い分をどう思いますか?

この、「献血でHIV感染が分かるか?」と言う質問は非常に多くネット上で見かけます。それだけ献血をHIV検査代わりに使おうと考えている人が多いってことでしょうか。

まず、全国どこの血液センターでも、公式にはHIV検査の結果は教えてくれないことになっています。ホームページ上でも断っていますし、実際に献血に行った人は知っていると思いますが現場でもHIV検査に使うことを拒否しています。

むろん、血液感染を防ぐために、全ての献血で集めた血液はチェックされます。もしもHIVに汚染された血液が見つかれば廃棄処分にされます。HIVが輸血に混じっていると、ほぼ100%の確率で感染するのです。そして、全国の血液センターでは年間に100件ほど、HIVに感染した血液が見つかっています。(エイズ動向委員会報告)

では、どうして血液センターではHIV感染を本人に告知しないのでしょうか。それは、大勢の人がHIV検査として献血を利用するようになると非常に危険だからです。本人に告知しないことによって、検査代わりに使われることを防いでいるのです。

もう少し詳しく説明します。私たちがHIV検査を受けるとき、必ず確認されるのがウインドーピリオドです。HIVに感染しても、検査が正確に出来ない期間があり、その期間をウインドーピリオドと呼びます。保健所などで広く行われている抗体検査では、HIV感染から3ヶ月がウインドーピリオドになります。

HIV検査には何種類か方式があるのですが、それぞれの方式では、あなたの血液を採取して、その血液の中に「HIV抗体」や、「HIV抗原」、あるいは「HIV遺伝子」が存在するかどうかを調べて判断しています。

しかし、それらの検査対象となるものは、あなたがHIVに感染してからある期間が過ぎないとあなたの体内に生成されないのです。それまではあなたがHIVに感染していても分かりません。この生成に必要な期間がウインドーピリオドと呼ばれる期間です。

ウインドーピリオド中にあなたが検査を受けて、HIV抗体などの検査対象物が見つからなくても、それはあなたがHIVに感染していないのか、それとも単に期間が短すぎて見つからないだけなのか、その判断が出来ません。つまり、「陰性」と判定されても信用出来ないのです。

ですから、保健所に検査の予約をするとき、「感染の可能性があった行為から3ヶ月以上経過していますか?」と必ず保健所の職員に質問されます。

以上の事から、もしもウインドーピリオド中のHIV感染者が献血を受けたらどうなるでしょう。血液センターでのHIV検査をすり抜けて、HIVに汚染された血液が輸血に使われる可能性があるのです。

献血をHIV検査代わりに使おうと考える人は、一般の献血者よりもHIVに感染している可能性は高いと考えられるので、そんな人が大勢増えてしまったら、いつか必ず血液感染が発生するでしょう。

現在、血液センターが行っているHIV検査はNAT法といって、非常にウインドーピリオドが短く、感染から11日過ぎていれば検出出来るそうです。しかし、それでもウインドーピリオドは存在します。幸い、日本においては2004年以降血液感染は発生していないそうですが。

一方で、本当にHIV感染が見つかっても告知しないのか、と言う疑問は残ります。本人が全く気付いていなければ、そのうちエイズを発症することは間違いないし、その間にどんどん二次感染で他の人もHIV感染するかも知れません。それを防がなくてもいいのか、と言う問題もあります。

「実際にはある一部の血液センターではHIV告知を行っている」、と言う情報をネットで見かけることがあります。それも、信頼出来るエイズ専門サイトで見ました。これは非常にめずらしい例だったので、記憶に残っています。血液センターはむろん、公的な医療機関では、私が知る限り100%例外なく「HIV感染が見つかっても告知はしない」と書かれています。

ところが、最近になって、「一部では告知している」と書かれたあったその有名サイトを見ると、「告知しない」に変わっていました。きっと誤解を招いて危険と感じて訂正したのだと思います。

一部の血液センターがHIV告知を行うのか、しないのか、本当のところはどうなのか、それは私にも分かりません。しかし、仮に一部の血液センターが告知を行っていたとしても、それがどこの血液センターかも、どんな基準で告知しているのかも分かりません。すなわち、あなたが献血を受けて、何も告知がなかったからと言って、何の安心材料にもならないということは確かです。

ちなみに、私の知人にもそれを丁寧に説明し、納得させました。そして保健所でHIV検査を受けるよう、再三忠告したのですが、どうしても保健所の対面検査は嫌だと言い張りました。仕方ないので、最後には検査キットを使って、やっと検査を受けさせました。結果は幸いにも陰性でした。

あなたがもしも、私の知人と同じような献血に対する間違った認識を持っていたなら、どうぞ早く保健所でHIV検査を受けることをお勧め致します。

本サイトでは色んなページで繰り返しお伝えしていますが、HIVに感染しても早期に発見出来ればエイズ発症を防ぐ治療が可能です。あなたが献血で大丈夫だと安心している間にエイズを発症してしまうと、その後の治療は困難な場合があるのです。決して大げさでなく、HIV検査があなたの生死を分ける可能性だってあります。

でも、あなたがどうしても保健所に行きたくなければ、検査キットを利用する方法もあります。あなたにとって一番大事なことは「いきなりエイズ」の前にHIV検査を受けることです。

ご参考までに、私の知人が使った検査キットをご紹介しておきます。これは私自身も使いました。自宅で誰にも知られず、わずか10分で使用可能です。あなたが「いきなりエイズ」を発症しないことを願っています。

*私と知人が使用したHIV検査キット*

・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)

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