オススメ図書のコーナーで前回、「エイズの起源」という本をご紹介しました。そのときは本を読まずにご紹介記事を書きました。

しかしそれではこのコーナーの意義が薄れる、ポリシーに反すると大いに反省しました。

そこで実際に「エイズの起源」を手にして読んで見ました。今回は実際に「エイズの起源」を読んでみた私の感想です。

ではまず、「エイズの起源」の目次からご紹介していきましょう。どんな項目について書かれた本なのかある程度お分かり頂けると思います。

第1章 アウト・オヴ・アフリカ

第2章 起源

第3章 タイミング

第4章 カットハンター

第5章 過渡期のアフリカ社会

第6章 最古の商売

第7章 ウイルスの感染と伝搬

第8章 植民地医学の遺産(1)

第9章 植民地医学の遺産(2)

第10章 その他のヒト免疫不全ウイルス

第11章 コンゴからカリブ海へ

第12章 血液貿易

第13章 感染のグローバル化

第14章 パズルの組み立て

第15章 エピローグ

以上です。え、上が次です。

一般にエイズの登場は1981年、アメリカで数名のカリニ肺炎患者、カポジ肉腫患者が報告されることろがスタートだと思われています。しかし、エイズは突然ふってわいたように出現したわけではありません。アメリカで報告されるずっと前から中部アフリカに存在していたのです。

「エイズの起源」はアメリカでエイズが報告される以前にスポットを当て、いったいエイズはどうして出現したのか、なぜアメリカで大流行が始まったのか、そうした疑問を解き明かしてくれます。

実はエイズが報告されるずっと以前、数百年の間、中部アフリカのツェゴチンパンジーはHIV-1に遺伝子的に相同なサル免疫不全ウイルスに感染していました。そして中部アフリカの人々はおそらくそこに住みついてからずっとツェゴチンパンジーと接触してきたのです。

ではサル免疫不全ウイルスはなぜもっと早くHIV-1に進化しなかったのか。まずこの疑問が浮かびます。

その理由はいくつかあります。まず、人がサルと接触する機会は植民地化の前はそれほど多くはなかったのです。火器がない時代サルの狩猟は今よりずっと困難でした。そして深い原始林はサルとヒトの接触を限定的にしていました。

こうした理由によってサル免疫不全ウイルスは人間の体内に侵入してHIVへ進化する機会を多くは持てませんでした。

そして何より植民地化以前は性的接触(売春)や注射器使い回しによる感染はありませんでした。せいぜい狩猟者の男やサルを料理した女が血液感染をするだけでした。

狩猟者の男はその妻に、料理人の女はその夫にウイルスを感染させることはあったかも知れません。しかし、そこで終わり拡大することはありませんでした。

ところが、1921年ごろからウイルスは爆発的に広がる環境ができました。植民地化によって現れた売春と注射器がHIVの感染を拡大したのです。

このようにしてアフリカで広まったHIVはコンゴからハイチ人が持ち帰りハイチからアメリカへ渡ったのです。

と、まぁ「エイズの起源」には大変興味深い考察が書かれているのですが、何しろ345ページに及ぶこの本を熟読するのは至難の業です。医療関係者ならいざ知らず、私のような素人が読むと疲れてしまいます。

正直飛ばし読みであり、最後はエピローグまて飛んでしまいました。

最後に私が感じたことを書きます。

エイズを作り出し、広めたのは、結局人間だったのです。もしも人間がアフリカの原生林に足を踏み入れることなくそのままにしていればサル免疫不全ウイルスはHIVに進化することありませんでした。

あるいは仮に進化していたとしても世界中で毎年200万人前後が死ぬような広がりを見せることはなかったはずです。むろん、それは今だからこそ言えることであり、当時は必然性があったかも知れません。

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