『エイズの世界へようこそ』と言う本を読みました。この本は・・・あなたにはお奨め出来ません。

このコーナーでは私が読んだエイズ関連本の中から、特に面白かった、役に立ったと思われるものをあなたにご紹介するコーナーです。これまで紹介してきた本は全てそういった観点から選びました。

しかし、今回あなたにご紹介する本はあなたに読んで欲しくてご紹介するのではありません。その逆です。読まない方がいいですよとお伝えしたくてご紹介します。

まぁ、それもあくまで私の主観的な感想です。もしかしたらあなたにとっては面白い本かも知れません。そこは一応考慮して、客観的なデータもご紹介することにします。

『エイズの世界へようこそ』寺島 祐 東京図書出版 ¥1,000+税

◇本の目次

第一章 悲劇のエイズ離婚調停

第二章 悪魔の落とし子。それは真っ赤なエイズです。

第三章 あざ笑う金髪の女王リリーの出現

談四章 終えんの地、京都尼寺

第五章 捨て難い最愛の隠し妻

第六章 富良野人間牧場の悲劇

第七章 白狐麗人伝説

◇本の概要

目次の通り、独立した7つのフィクションから構成された一冊です。この本の一番最初に、こう書かれています。

『この作品は完全なるフィクションであります。万が一、不快になられましたら、ご容赦ください。』 作者

私は最初、この一文を読んできっとエイズの描写がどぎついのかなと思いました。あるいは、性描写がどぎついのかなとも考えました。

そして私はこの本を読み終えた後、まさしく「不快感」を感じてしまいました。それは最初に思ったような理由からではありません。言わばそれ以前の問題です。

確かに「エイズの世界へようこそ」と言うタイトルの通り、各章の物語に何かしらHIVやエイズは関係するのですが、そこに全く必然性がありません。いったい作者は何を意図してこの話を書いたんだろう、と言うのが読み取れませんでした。

例えば第一章の「悲劇のエイズ離婚調停」と言うお話。自分の妻をHIVに感染させ、それを理由に有利な離婚を狙うと言う話の筋です。「なぜHIV?」と言う疑問がまず湧きますが、それに加えて妻にHIVを感染させる方法がまた大疑問。

まず、HIVに感染した少女を使って、ある男にHIVを感染させます。そしてその男から妻へとHIVを感染させます。何とまぁ、不可思議な。最初の少女から男へのHIV感染はたった1回のセックスで成功しています。

まぁ絶対あり得ない話ではありませんが、何せ1回あたりの感染確率は1%以下です。そんな確率を当てにするなんて普通じゃ考えられません。

わざわざHIVを感染させなくても妻と男の密会現場を盗撮でもすれば浮気理由で簡単に離婚出来ると思うのですが。

他の章のお話しは全く別のストーリーなのですが、第一章と同じくエイズが出てくる必然性がよく分かりませんでした。

 

◇オススメポイント

今回はお奨め出来ません。

 

◇管理人の満足度(あくまでも主観による独断と偏見の採点です)・・・・0点

あくまで私の主観ですから。

そもそも私がなぜこの本を買ったかと言うと、そのタイトルに惹かれたからです。

ある男性がバーで出会った行きずりの女とホテルで一夜を共にします。翌朝目覚めてみるともう女はいません。男が顔を洗おうと洗面所へ行くと、そこには女性のものと思われる口紅で、鏡にこう書かれていました。

『エイズの世界へようこそ』

これは「エイズメアリー」と呼ばれる都市伝説です。当然、この本も都市伝説をもじってタイトルにしたのだと思いました。この手の都市伝説が書かれているのだと思ったのです。

完全に私の勘違い、大失敗でした。

ちなみに、1980年に上映された「殺しのドレス」と言うサスペンスホラー映画があるのですが、これは「エイズメアリー」と男女が逆でした。

行きずりの男性と一晩を共にした女が、翌朝目覚めて鏡を見ると、そこには

「あなたは性病に感染している」

と書かれていたのです。封切りされたのが1980年ですから、エイズが世に知られる直前です。ここでの性病はエイズではなく他の病気を想定していたのでしょうね。この映画は大変良く出来た映画で面白かったです。