平成28年(2016年)のエイズ動向正式版をお届けします。

8月30日に厚生労働省エイズ動向委員会から平成28年のエイズ動向報告が発表されました。

この時は委員長コメントのみでしたが、10月に入って早々に詳細データがアップされました。

ここに平成28年(2016年)のエイズ動向正式版をお届け致します。

(本ページのソースはこちら⇒『エイズ動向委員会報告』)

【 目 次 】

■エイズ動向委員会 委員長コメント

1.エイズ発生動向の概要

2.HIV感染者/エイズ患者の報告状況

3.HIV感染者/エイズ患者の感染ルート

4.HIV感染者/エイズ患者の年齢別分布

5.いきなりエイズ

6.都道府県別の新規HIV感染者とエイズ患者

7.保健所におけるHIV抗体検査件数

8.献血件数と陽性件数

HIV感染者、エイズ患者の動向データが、あなたのHIV感染予防、エイズ発症予防に役立てば幸いです。

 

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■エイズ動向委員会 委員長コメント

厚生労働省エイズ動向委員会の岩本委員長からのコメントです。主な内容を箇条書きにしてみます。

●平成28年は新規HIV感染者、新規エイズ患者共に横ばい状態である。

●新規HIV感染者の90%、新規エイズ患者の81%は性的接触によるものであり、最大感染ルートになっている。

●特に男性同士の性的接触による感染が多く、この傾向は変わっていない。

●保健所で見つかったHIV陽性が440件あり、これは報告件数全体の40%以上である。更に保健所の無料・匿名検査を利用したもらいたい。

●HIV感染が分かった時、すでにエイズを発症している人の割合が30%のまま推移している。早期発見は個人においては早期治療に、社会においては感染拡大の防止に結びつく。

以上のようなコメントでした。

ほぼ前年と同じようなコメント内容となっています。

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1.エイズ発生動向の概要

まずは、平成28年に報告された新規HIV感染者と、新規エイズ患者の件数をご紹介します。

表1をご覧下さい。

平成28年(人) (昨年)
1.新規HIV感染者 1,011 1,006
2.新規エイズ患者 437 428
合計 1,448 1,434

(表1)平成28年新規HIV感染者・エイズ患者

平成28年の新規のHIV感染者は、平成27年よりも5件増えて1,011件でした。

これは、過去8番目に多い数字となっています。ちなみに過去最多は平成20年の1,126件となっています。

一方、平成28年における新規のエイズ患者は、平成27年よりも9件増えて437件でした。

これは過去6番目に多い数字となっています。こちらの過去最多は平成25年の484件でした。

また新規HIV感染者と新規エイズ患者の合計件数は1,448件でした。

これは過去9番目で最多は平成25年の1,590件でした。

こうした数字だけを見ると、平成28年において新規HIV感染者はほぼ前年同様、横ばい状態なのかなと思います。

また、2016年末までの新規HIV感染者、エイズ患者の累計は下のグラフの通りです。

HIV・エイズ累計
(図1)累計

2016年末の時点で、累計は以下の通りです。

●新規HIV感染者 18,920人

●新規エイズ患者 8,523人

●合計 27,443人

以上のようになっています。

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2.新規HIV感染者/エイズ患者の報告状況

では、ここからもう少し詳しく平成28年の動向を見て行くことにしましょう。

まずは、新規HIV感染者と新規エイズ患者の報告件数を見てみることにします。

平成14年からの推移でグラフ化しています。(図2)


(図2)新規HIV感染者・新規エイズ患者の推移

グラフ2を見ると平成21年頃からはほぼ横ばい状態に見えます。

ただし、決して減少傾向にはない高い数値のままの横ばい状態です。

では、新規HIV感染者と新規エイズ患者の推移を男女別に見てみましょう。

 

●男女別 新規HIV感染者の推移

HIV男女
(図3)男女別 新規HIV感染者

グラフ3を見てお分かりの通り、新規HIV感染者は男女共にほぼ横ばい状態です。

たまに、

「最近は女性のHIV感染者も増えている。」

なんて記事を目にすることがありますが、データからはそんな傾向は見えません。

 

●男女別 新規エイズ患者の推移

エイズ男女
(図4)男女別 新規エイズ患者

新規エイズ患者もまた、男女どちらもほぼ横ばい状態が続いています。

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3.新規HIV感染者/エイズ患者の感染ルート

3-1)新規HIV感染者の感染ルート

平成28年における新規HIV感染者の感染ルートは以下の通りでした。

感染ルート 件数 比率(%)
異性間性的接触 170 16.8%
同性間性的接触 735 72.7%
静注薬物使用 1 0.1%
母子感染 0 0.0%
その他 23 2.3%
不明 82 8.1%
合計 1,011 100.0%

(表2)新規HIV感染者感染ルート

新規HIV感染者の感染ルートとしては性的接触が全体の約90%を占めています。

中でも同性間の性的接触が72.7%を占めています。

詳細データが出てないので分かりませんが、速報値では同性間は全て男性同士の性的接触でした。

また、昨年まで3年連続で続いていた母子感染は2016年にはゼロでした。

表2をグラフにしたものが図5です。

HIV感染ルート
(図5)新規HIV感染者感染ルート

先ほども書きましたが、性的接触が全体の約90%を占めています。(グラフの赤と青)

あなたや私がHIV感染で注意すべきはほぼ性的接触のみです。

それ以外で感染することはまずありません。刺青やピアスの穴開けくらいです。

お互い、コンドームの使用は必須にしましょう。

3-2)新規エイズ患者の感染ルート

平成28年における新規エイズ患者の感染ルートは以下の通りでした。

感染ルート 件数 比率(%)
異性間性的接触 114 26.1%
同性間性的接触 241 55.1%
静注薬物使用 1 0.2%
母子感染 0 0.0%
その他 16 3.7%
不明 65 14.9%
合計 437 100.0%

(表3)新規エイズ患者感染ルート

表3からお分かり頂けるように、感染ルートの55.1%は同性間性的接触です。このルートは女性は0件でした。

表3をグラフにしたものが図6です。

エイズ感染ルート
(図6)新規エイズ患者感染ルート

グラフからもお分かりの通り、新規エイズ患者の感染ルートは約80%が性的接触となっています。

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4.HIV感染者/エイズ患者の年齢層

それでは、新規HIV感染者とエイズ患者は、どんな年齢層が多いのでしょうか。

それぞれ詳細なデータを見てみましょう。

 

4-1)新規HIV感染者の年齢層分布

新規HIV感染者(人) 比率(%)
10歳未満 0 0.0
10-19 15
1.5
20-29 313 31.0
30-39 317 31.4
40-49 232 22.9
50-59 83 8.2
60-69 44 4.4
70歳以上 7 0.7
不明 0 0.0
合計 1,011 100.0

(表4)新規HIV感染者の年齢層分布

表4をグラフにしたのが下の図7になります。

グラフの方がずっと分かりやすいですよね。


HIV年齢
(図7)新規HIV感染者の年齢層分布

新規のHIV感染者は20代から40代が多いのですが、50代以上にも全体の13.3%が存在しています。

HIV感染には年齢は関係なく、なおかつ高齢者同士だとコンドームを使わないことも多いのではないでしょうか。

4-2)新規エイズ患者の年齢層分布

新規エイズ患者(人) 比率(%)
10歳未満 0 0.0
10-19 1 0.2
20-29 46 10.5
30-39 114 26.1
40-49 150 34.3
50-59 69 15.8
60-69 46 10.5
70歳以上 11 2.5
不明 0 0.0
合計 437 100.0

(表5)新規エイズ患者の年齢層分布

表5をグラフにしたのが下の図8です。

エイズ年齢
(図8)新規エイズ患者の年齢層

新規エイズ患者については30代、40代に多いのですが、50歳以上にも全体の28.8%が分布しています。

しかも50代以上ではHIV感染が見つかった人のほぼ半分がすでにエイズを発症していました。

中高年がHIV検査を受けずに「いきなりエイズ」を発症していることが分かります。

年齢に関係なく、50代以上のあなたもぜひHIV感染の不安があれば検査を受けて下さい。

年齢がいくと他人の目が気になるものですが、どうしても保健所や病院へ行けないあなたは自宅で使える郵送式のHIV検査キットもあります。

最悪なのは不安をそのまま放置してエイズを発症することです。

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5.いきなりエイズ

次に、HIV陽性者におけるいきなりエイズの割合を見てみましょう。

いきなりエイズと言うのはHIVに感染している人が、自分のHIV感染に気が付かずそのまま放置して、文字通りいきなりエイズを発症してしまうことを言います。

つまりHIV感染が分かった時にはすでにエイズを発症しているケースを言います。

いきなりエイズの割合=(新規エイズ患者)/(新規エイズ患者+新規HIV感染者)×100%

では新規にHIVに感染したと報告された件数のうち、どのくらいいきなりエイズだったのか、過去15年間の推移をグラフで見てみましょう。図9をご覧下さい。

いきなりエイズ
(図9)いきなりエイズの割合

平成28年のいきなりエイズの割合は30.2%で平成27年より0.4%上がりました。この10年間はほぼ30%前後で推移しています。

先ほども説明しましたが、50歳以上のいきなりエイズの割合はほぼ50%です。

全体平均が30%ですから、何と20%も高いことになります。

繰り返しになりますが、中高年はHIV検査を受ける人が少ないのだと思います。

そもそも自分がHIVに感染しているなどと疑っていない、危機感がないのかも知れません。

HIV感染、エイズ発症に年齢は関係ないことをどうか忘れないようにして下さい。

「いきなりエイズ」を防ぐ早期のHIV検査は、救命的検査と言えます。

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6.都道府県別の新規HIV感染者とエイズ患者

平成28年の都道府県別の新規HIV感染者、エイズ患者は以下の通りです。

昭和60年(1985年)からの累計データといっしょにまとめてみました。

区分 新規HIV感染者 新規エイズ患者
都道府県 2016年 累計 2016年 累計
北海道 23
293 19 176
青森県 2 51 2 32
岩手県 2 30 0 32
宮城県 9 132 3 92
秋田県 0 23 1 24
山形県 3 27 0 24
福島県 7 75 5 50
茨城県 9 537 5 326
栃木県 3 246 6 199
群馬県 7 196 9 144
埼玉県 25 527 15 356
千葉県 31 798 19 541
東京都 370 7,046 97 2,124
神奈川県 57 1,269 26 622
新潟県 2 90 2 60
山梨県 7 116 2 49
長野県 3 306 4 200
岐阜県 20 162 6 124
静岡県 15 422 7 208
三重県 8 158 5 90
愛知県 70 1,127 32 581
富山県 3 40 2 31
福井県 0 48 0 34
石川県 4 81 0 38
滋賀県 6 79 4 65
京都府 13 244 7 121
大阪府 140 2,430 48 790
兵庫県 20 406 15 229
奈良県 1 109 2 73
和歌山県 5 67 1 50
鳥取県 1 15 1 17
島根県 1 19 1 8
岡山県 10 144 2 76
広島県 15 224 2 113
山口県 6 64 1 22
徳島県 6 41 1 22
香川県 4 61 1 47
愛媛県 4 78 5 59
高知県 5 40 4 28
福岡県 46 510 46 278
佐賀県 3 33 6 20
長崎県 0 49 2 34
熊本県 14 91 5 62
大分県 5 55 3 29
宮崎県 3 52 3 41
鹿児島県 6 85 5 64
沖縄県 17 221 5 117
合計 1,011 18,920 437 8,523

(表6)都道府県別新規HIV感染者と新規エイズ患者

仮にあなたのお住まいの都道府県で、HIV感染者が少なかったとしても、だからと言ってあなたが安全だと言うことにはなりません。

かつて私もそうでしたが、何となく勘違いしてしまいがちです。

くれぐれも誤解なきようお願い致します。

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7.保健所などにおけるHIV抗体検査件数

続いて、平成28年における保健所など自治体でのHIV抗体検査の件数をご紹介します。

HIV検査保健所
(図10)保健所でのHIV抗体検査件数

平成28年の保健所におけるHIV検査の受検数は、118,005件でした。

平成26までは2年連続受検者が増えていたのですが、平成27年からまた減少傾向にあります。

どうも平成20年をピークに、平成22年以降減少したまま横ばい状態が続いているようです。

また、HIVやエイズに関する相談件数も同じ傾向を示しています。

全国の保健所では無料・匿名検査が可能です。

また、梅毒やクラミジアなどの性感染症も同時に検査出来るところが多くあります。

ぜひあなたも最寄の保健所をご利用下さい。

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8.献血件数と陽性件数

次は、平成28年に全国の血液センターなどで行われた献血の件数と、その中から見つかったHIV陽性件数をご紹介します。

献血HIV陽性
(図8)献血件数とHIV陽性件数

平成28年の献血件数は4,841,601件、HIV陽性は48件でした。

図8をご覧頂いてお分かりのように、献血でみつかるHIV陽性は平成20年をピークに減少し続けています。これは潜在的なHIV感染者が減少しているからでしょうか。

あるいはHIV検査目的の献血が減ってきたからでしょうか。

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以上、平成28年(2016年)のエイズ動向正式版をお届けしました。

本文の中でもご紹介しましたが、平成28年もまた新規のHIV感染者として報告された人の約30%が、自分のHIV感染に気が付かないまま、「いきなりエイズ」を発症しています。

50歳以上の中高年に至っては、実に50%が「いきなりエイズ」を発症してからHIV感染に気付いています。

エイズ発症前にHIV感染が見つかれば、かなりの高い確率でエイズ発症を防ぐことが可能です。

あなたも私も、HIV感染の疑いは検査を受けるしか判定する方法はありません。

早期のHIV検査は救命的検査です。

あなたが、HIV検査を受ける決心はついたけど、どうしても保健所に行く時間がなかったり、誰にも知られず、誰にも会わずにHIV検査を受けたいと思うならHIV検査キットと言う方法もあります。

かつて私が深刻なHIV感染疑惑に陥ったときにも使いました。

私が使ったSTDチェッカーは他社とは異なり、唯一第四世代のHIV抗原抗体検査を採用したHIV検査キットです。

まさに保健所や病院と同じレベルの信頼性の高いHIV検査が可能です。

一番大事なことは少しでもHIV感染の心あたり、不安があるなら放置しないでHIV検査を受けることです。

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