2016年第2四半期(4月~6月)のエイズ動向が、厚生労働省エイズ動向委員会より発表されました。(8月31日付け)

その概要を速報であなたにお届け致します。最新のエイズ動向としてご覧下さい。

今回報告されたのは、2016年(平成28年)3月28日から2016年6月26日までの約3ヶ月間のエイズ動向情報です。従って2016年の第2四半期(4月~6月)にあたります。

情報源はこちらです⇒『エイズ動向委員会報告』

今回の発表では新規HIV感染者は239件、新規エイズ患者は112件となり、新規HIV感染者は前回より減少、新規エイズ患者は増加の結果となっています。詳細は本文にて。

今回の報告でエイズ動向委員会岩本委員長コメントによれば、

の中に次のような一文がありました。

『新規HIV感染者報告数及び新規AIDS患者報告数は前年同時期に比して減少した。』

と言うことです。

そしてこの後に、次のようなコメントが続きます。

『早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつく』

毎回のようにここで書いていますが、早期のHIV検査は救命的検査となります。

そしてこの言葉でコメントは締めくくられていました。

『新規HIV感染者、新規AIDS患者はいずれも20~70代までの幅広い年齢層において報告が認められた。性別・年齢を問わず、HIVに感染する可能性がある。』

HIV感染、エイズ発症に年齢は関係ありません。誰でも感染する可能性があります。どうぞあなたも他人事だと思わずご用心下さい。

では、エイズ動向委員会のデータから主要なものをご紹介しましょう。本文のグラフ、表は全て管理人がエイズ動向委員会から公表された数値を元に作成したものです。

また、このページはかなり長文です。そこで目次を作りました。あなたが読みたい項目をクリックすると途中を飛ばして読むことが出来ます。時間のないあなたはどうぞご利用下さい。

◇2016年第2四半期エイズ動向 目次

1.2016年第2四半期(4月~6月) 新規HIV感染者とエイズ患者の人数

2.2016年第2四半期 新規HIV感染者とエイズ患者の感染ルート

3.2016年第2四半期 新規HIV感染者・エイズ患者年代別分布

4.2016年第2四半期 都道府県別新規HIV感染者・エイズ患者数

5.保健所などの抗体検査数

6.献血件数、及びHIV抗体検査陽性件数

7.まとめ

1.2016年第2四半期(4月~6月) 新規HIV感染者とエイズ患者の人数

項   目 4月-6月 前 回 昨年同時期
新規HIV感染者数(人) 239 250 267
新規エイズ患者数(人) 112 102 118
合計数(人) 351 352 351
いきなりエイズの割合 31.9% 28.9% 30.6

表1.新規HIV感染者とエイズ患者

表中の前回とは2016年1月~3月(第1四半期)を指します。前回から比較すると新規HIV感染者は11人減少、新規エイズ患者は10人増加となっています。

昨年同時期と比較すると、新規HIV感染者は28人減少、新規エイズ患者は6人減少となっています。

それでは個別にデータをみていきましょう。

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重複感染するとより重症化したり、進行が早くなったり!
タイプO ・HIV・梅毒・B型肝検査。(男女共通
・HIVと最も重複感染の多い性感染症。

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2.2016年第2四半期(4月~6月) 新規HIV感染者とエイズ患者の感染ルート

2-1)新規HIV感染者感染ルート

2016年第2四半期(4月~6月)の新規HIV感染者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 件数 比率 (%)
異性間性的接触 31 13.0
同性間性的接触 182 76.2
静注薬物使用 0.4
母子感染 0.0
その他 0.8
不明 23 9.6
合計 239 100.0

表2.2016年第2四半期 新規HIV感染者の感染ルート

表2をご覧頂いてお分かりのように新規HIV感染者の最大感染ルートは同性間の性的接触です。182件全て男性同士の性的接触となっています。

ではなぜ男性同士の性的接触によるHIV感染が多いのか?毎回その理由を説明していますが、避妊の必要がないのでコンドームを使用しないことが多い、アナルセックスは小さな傷や出血が多い、こうしたことがHIV感染の確率を高めています。

また、異性間、同性間を合わせた性的接触による感染は全体の89.2%を占めています。つまり新規HIV感染の9割はセックスによる感染です。

表2をグラフにしたものが図1です。

HIV感染ルート
図1.2016年第2四半期 新規HIV感染者の感染ルート

図1の黄色と青が性的接触による感染です。先ほども書いた通り全体の約90%を占めています。いかに性的接触による感染が多いか分かります。

従ってHIV感染の予防はいかに性的接触による感染を防ぐか、と言うことに尽きます。

2-2)新規エイズ患者感染ルート

2016年第2四半期(4月~6月)の新規エイズ患者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 件数 比率 (%)
異性間性的接触 32 28.6
同性間性的接触 56 50.0
静注薬物使用 0.0
母子感染 0.0
その他 1.8
不明 22 19.6
合計 112 100.0

表3.2016年第2四半期 新規エイズ患者の感染ルート

新規エイズ患者の感染ルートもまた男性同士の性的接触が最大感染ルートとなっています。その理由は先ほど説明した通りです。

表3をグラフにしたものが図2です。

エイズ感染ルート
図2.2016年第2四半期 新規エイズ患者の感染ルート

新規エイズ患者の方も性的接触による感染合計は78.6%であり、不明が19.6%であることを考えると、感染ルートが判明していもののほどんどは性的接触による感染だと言えます。

なお、新規エイズ患者も同性間の性的接触は全て男性同士によるものでした。

 

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3.2016年第2四半期(4月~6月)新規HIV感染者・エイズ患者年代別分布

新規HIV感染者とエイズ患者の年代別分布データをご紹介します。

3-1)2016年第2四半期 新規HIV感染者の年代別分布

年齢区分 件数 比率 (%)
10歳未満 0.0
10歳~19歳 1.7
20歳~29歳 73 30.5
30歳~39歳 75 31.4
40歳~49歳 53 22.2
50歳~59歳 22 9.2
60歳~69歳 3.3
70歳以上 1.7
不明 0.0
合計 239 100.0

表4.2016年第2四半期 新規HIV感染者の年代別分布

この表だけでは分布が直観的に分かりずらいのでグラフにしてみました。図3をご覧下さい。

表4をグラフにしたものが図3です。

HIV年齢分布
図3.2016年第2四半期 新規HIV感染者の年代別分布

グラフからお分かりの通り、20代から40代に集中しています。特に20代、30代は感染機会も多いし、また保健所などのHIV検査を受ける人も多いのではないでしょうか。(私の個人的推測です)

ただ、50歳以上にも全体の14.2%が存在しています。改めてHIV感染に年齢は関係ないことが分かります。

3-2)2016年第2四半期 新規エイズ患者の年代別分布

年齢区分 件数 比率 (%)
10歳未満 0.0
10歳~19歳 0.0
20歳~29歳 13 11.6
30歳~39歳 34 30.4
40歳~49歳 41 36.6
50歳~59歳 15 13.4
60歳~69歳 6.3
70歳以上 1.8
不明 0.0
合計 112 100.0

表5.2016年第2四半期 新規エイズ患者の年代別分布

こちらも表では感覚的に分かりずらいのでグラフをご覧頂きましょう。

表5をグラフにしたものが図4です。

エイズ年齢分布
図4.2016年第2四半期 新規エイズ患者の年代別分布

図5をご覧頂いてお分かりの通り、新規エイズ患者は50歳以上にも多く分布しています。実に全体の21.4%を占めています。つまり新規エイズ患者の5人に1人以上は50歳以上だったのです。

しかも50歳以上ではHIV感染が分かった人の実に41.3%がすでにエイズを発症していました。いわゆる「いきなりエイズ」状態です。

いきなりエイズの全体平均は31.9%なので、50歳以は平均より10%高いことになります。年齢が高いほどいきなりエイズの割合も増えています。

中高年のあなたはどうぞご注意下さい。何度も繰り返しますがHIV感染、エイズ発症に年齢は関係ありません。HIV感染の不安が少しでもあれば早期のHIV検査を受けて下さい。エイズ発症前のHIV検査は救命的検査となります。

 

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4.2016年第2四半期 都道府県別新規HIV感染者・エイズ患者数

2016年第2四半期(4月~6月)の都道府県別HIV感染者、エイズ患者の動向を表にしてあります。また今回までの累計データも載せました。赤字は特に感染者の多い都道府県です。

 

区分 新規HIV感染者 新規エイズ患者
都道府県 今回 累計 今回 累計
北海道  3  281  4  163
青森県  0  49  1  31
岩手県  2  30  0  32
宮城県  1  125  2  90
秋田県  23  0  24
山形県  2  27  0  23
福島県  0  69  0  48
茨城県  3  533  4  326
栃木県  2  246  1  196
群馬県  2  191  3  141
埼玉県  514  6  348
千葉県  779  4  533
東京都  92  6,833  30  2,076
神奈川県  11  1,233  602
新潟県  2  92  1  59
山梨県  1  113  2  49
長野県  0  303  1  197
富山県  2  39  1  30
石川県  0  78  0  38
福井県  0  48  0  34
岐阜県  11  154  2  120
静岡県  4  418  4 206
愛知県  20  1,083  7  556
三重県  3  155  86
滋賀県  0  75  0  62
京都府  2  238  118
大阪府  28  2,343  10  757
兵庫県  392  223
奈良県  0  107  0  73
和歌山県  0  61  1  50
鳥取県  1  15  0  17
島根県  0  19  0  7
岡山県  5  137  0  74
広島県  4  215  1  113
山口県  0  59  0  22
徳島県  0  38  0  21
香川県  1  61  0  46
愛媛県  77  55
高知県  2  37  0  27
福岡県  13  484  11  253
佐賀県  31  1  15
長崎県  0  49  0  33
熊本県  3  84  0  57
大分県  2  53  1 27
宮崎県  0  50  0  39
鹿児島県  0  81  1  61
沖縄県  5  215  2  112
合計  239  18,337 112  8,270

表6.都道府県別新規HIV感染者・エイズ患者数

なお、このデータはあくまでも報告地ベースであり、新規のHIV感染者、エイズ患者が報告された都道府県に居住しているとは限りません。例えば北海道に住んでいる人が東京に遊びに来てHIV感染が見つかれば東京でカウントされます。

表6から、新規のHIV感染者、エイズ患者の多い都道府県は、東京、大阪、神奈川、千葉、愛知などです。

HIV感染者の累計とエイズ患者の累計合計は26,607人となります。

また、あなたのお住まいの都道府県でHIV感染者やエイズ患者が少ないからといって、それはあなたがHIVに感染するリスクが少ないと言うことではありません。どうぞ誤解されないようにお気をつけ下さい。

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5.保健所などの抗体検査数

2016年第2四半期(4月~6月)に保健所や地方自治体の実施するHIV抗体検査を受けた件数は以下の通りでした。

◇2016年4月~6月の保健所などにおける抗体検査件数

時期 今回 前回 昨年同時期
件数(件) 28,294 29,703 37,569

表7.保健所抗体検査数(保健所以外の自治体が実施する検査を含む)

ご覧のように、前回から1,409件減少、昨年同時期から9,275件の減少となっています。昨年同時期からの減少幅が大きいですね。

依然として保健所HIV検査は受検数が下げ止まったままという感じでしょうか。

しかし保健所でのHIV検査は無料・匿名だしスタッフも揃っています。まずは保健所でのHIV検査がオススメです。

でも、どうしても保健所に行けないあなたには自宅で使えるHIV検査キットもあります。心配や不安があれば放置しないで必ずHIV検査を受けて下さい。

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6.献血件数、及びHIV抗体検査陽性件数

2016年の4月~6月に献血を受けた件数、及びHIV陽性が発見された件数をご紹介したいと思います。

◇2016年4月~6月の献血件数

時期 献血件数 HIV陽性件数 10万人当り
件数(件) 2,429,770 18 0.741

表8.献血件数とHIV陽性件数

献血はHIV検査の代わりにはなりません。HIV感染が心配なあなたは献血ではなく保健所で検査を受けて下さい。

 

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7.まとめ

以上、厚生労働省エイズ動向委員会が8月31日付で発表した2016年の第2四半期(4月~6月)のエイズ動向をご紹介しました。前回(2016年1月~3月)と比較すると新規HIV感染者は減少、新規エイズ患者は増加でした。

エイズ動向委員会、岩本委員長のコメントにもありますが、あなたに少しでも不安があるなら早期のHIV検査を受けて下さい。現在、HIV感染は致死的疾患ではありませんが、それでもエイズを発症してからの治療は困難です。死に至らなくても重大な後遺症が残ることもあります。

早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査であることを忘れないで下さい。

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