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「いきなりエイズ」の怖さについて改めて情報をお伝えしたいと思います。まず、「いきなりエイズ」という言葉ですが、この意味を再確認しましょう。

「いきなりエイズ」とは、自分がHIVに感染していることに気が付かず、エイズを発症して初めてHIV感染に気付くことを言います。

では、日本ではどのくらいの「いきなりエイズ」が発生しているのでしょうか。そのデータはエイズ動向委員会から四半期ごとに発表があります。むろん、もともとのエイズ患者の報告は全国の医療機関から上がってくる報告書です。日本では感染症に関する法律で、HIV感染者やエイズ患者が見つかった場合には、7日以内に都道府県知事に報告することが義務付けられています。

この全国の医療機関からの報告をエイズ動向委員会が四半期ごとにまとめて発表しているのです。では、「いきなりエイズ」の発生状況を過去10年までさかのぼってみてみましょう。下のグラフをご覧下さい。


・・・・・(エイズ動向委員会発表データより)

ご覧頂けばすぐにお分かりの通り、「いきなりエイズ」の報告件数はずっと右肩上がりで増加しています。HIV感染者全体における「いきなりエイズ」の発生率は、10年前の平成12年には41.6%でしたが、昨年平成21年には29.7%でした。10年前と比べると発生率は11.9%減少しています。それでもなお、HIVに感染した人の約3人に1人は「いきなりエイズ」です。

「HIV感染者の早期発見と社会復帰のポイント」(医薬ジャーナル社 岡慎一氏編集)の中に、「いきなりエイズ」の危険性、怖さが解説されています。そのエッセンスをご紹介しましょう。

まず、HIV感染者に対する医療の進歩についてお話します。1990年代の半ばくらいまではHIV感染は致死的疾患でした。HIVに感染すると5年から10年の潜伏期間を経てエイズを発症し、その後2年ほどで死に至る病気でした。

ところが、1997年ごろからHAARTと呼ばれる多剤併用法による抗HIV療法が開発されると状況は一変しました。抗HIV薬によってHIV増殖を食い止め、免疫低下を防ぐと共にいったん低下した免疫力を回復させることが出来るようになりました。

これによってHIVに感染してもエイズ発症を抑える(遅らせる)ことが出来るようになり、エイズで亡くなる患者さんは激減しました。25歳でHIVに感染すると、平均余命は7年だったものが40年と言われるまでになったのです。

この抗HIV治療によってHIV感染が致死的疾患ではなくなった、という事実は今では多くの人が知っていると思います。しかし、そのHAART療法もエイズ発症前の早期治療においてより効果的であることはあまり知られていないのではないでしょうか。

「HIV感染者の早期発見と社会復帰のポイント」の中で紹介されているデータによりますと、「いきなりエイズ」の状況から抗HIV治療を行った場合、感染から120週経過して生存している確率は80%だそうです。(2007年のACCデータ:ただし、このデータにはエイズ関連死以外も含む全死亡データです。)

一方、「いきなりエイズ」を発症する前にHIV感染が分かって抗HIV治療を開始した人の場合は99%の生存率だったそうです。この事実はHIVに感染して「いきなりエイズ」を発症してしまうと、20%の患者は2年以内に亡くなってしまうと言うことを意味しています。

むろん、HAART療法以前はほぼ100%の致死率ですから、それを思えば劇的に改善されています。でも、「いきなりエイズ」の前にHIV感染が分かって治療を受ければ2年後の生存率99%なのです。いや、2年どころか先ほど書いたように現在では40年の余命だとも言われています。(25歳でHIVに感染した場合)

「HIV感染者の早期発見と社会復帰のポイント」の編者であり、国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター長でもある岡慎一氏は、抗HIV治療によって、あたかもエイズがもう怖い病気ではないと軽く考えてしまう怖さに警鐘を鳴らされています。抗HIV医療が進んだ現在においても、「いきなりエイズ」は絶対に避けるべきリスクなのです。

早期発見、早期治療は医療の大原則ですが、HIV感染ほどそれが当てはまる疾患はありません。まさに生死を分けるものは、早期のHIV検査です。HIVに感染しているかどうかは、HIV検査を受けることでしか分かりません。

どうぞあなたにもHIV感染に不安があったり、もしかして、と思う過去があるのなら、ぜひHIV検査を受けることをお勧め致します。

ただ、HIV検査は簡単に受けられる人と、そうでない人がいます。もしもあなたがHIV検査をためらっているようなら、ぜひとも管理人からのメッ セージを 読んで欲しいと思います。3ヶ月間もHIV検査を迷って悩んだ管理人からの本気のメッセージです。もしかしたら、あなたがHIV検査を受けるきっかけにして頂けるかも知れません。

あなたにHIVの不安があれば 今すぐお伝えしたいメッセージいきなりエイズを防ぐ方法はこれだけです。

「いきなりエイズ」を防ぐには、早くHIV検査を受ける以外に方法はありません。⇒ 「献血で防げない・いきなりエイズ」


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