2013年第4四半期(10月~12月)のエイズ動向が、エイズ動向委員会より発表されました。(2月28日付け)

厚生労働省エイズ動向委員会は2月28日付で2013年の第4四半期(10月~12月)のエイズ動向を発表しました。すでに発表済みの第1四半期から第3四半期までのデータと合計すれば2013年通期の速報値となります。

さっそく当サイトでは2013年第4四半期のデータと2013年通期データを集計し、あなたにお届け致します。ただし、今回のデータは速報値であり、確定版としては今年の8月くらいにエイズ動向委員会より発表されるものと思われます。 ________________________________________________

それでは2013年第4四半期、及び2013年通期速報値として以下のデータをご紹介します。

情報元はこちらです。⇒『エイズ動向委員会報告』

1.概要

2.感染ルート別データ

3.年代別データ

4.いきなりエイズ

5.保健所検査/相談数

6.献血件数・HIV陽性件数

7.まとめ

*全国都道府県別 エイズ動向(別ページ掲載)

・・◇エイズ動向委員会岩本委員長コメント


2013年第4四半期(10月~12月)エイズ動向に関するエイズ動向委員会岩本委員長コメントは以下の通りです。

1.第4四半期は第3四半期に対してHIV感染者は増加し、エイズ患者は横ばいであった。

2.保健所におけるHIV検査件数、相談件数、共に大きく増加した。これは11月末に発生した献血によるHIV感染ニュースの影響と思われる。

3.HIV感染の早期発見は個人にとっては早期治療が可能となり、社会にとってはHIV感染防止につながる。今後も保健所における無料・匿名のHIV検査、相談を利用してもらいたい。 (原文を要約しています。)

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では、以下エイズ動向委員会から発表された2013年第4四半期エイズ動向データから、主要数値をまずはご紹介したいと思います。

最初に新規HIV感染者と新規エイズ患者の言葉の定義を説明しておきます。

●新規HIV感染者
保健所や病院などで報告された新規のHIV感染者。HIVには感染しているがエイズは発症していない。

●新規エイズ患者
保健所や病院で報告されたエイズ患者。HIV感染者として報告されず、「いきなりエイズ」を発症した患者。過去に新規HIV感染者として報告された人がエイズを発症しても新規エイズ患者としては報告されない。

・・◇2013年第4四半期・通期 新規HIV感染者とエイズ患者の人数

項目 10月-12月 2013年通期 2012年
新規HIV感染者数(人) 295 1,077 1,002
新規エイズ患者数(人) 108 469 447
合計数(人) 403 1,546 1,449
いきなりエイズ報告率(%) 26.8 30.3 30.9

表1.新規HIV感染者とエイズ患者

【第4四半期 10月~12月】のデータについて

●新規HIV感染者 295件
前回、7月~9月の第3四半期では261件でしたから、34件の増加です。また2012年の同時期は257件だったので38件の増加となります。

●新規エイズ患者 108件
前回、7月~9月の第3四半期では108件でしたから、同数です。2012年の同時期は114件だったので6件の減少となります。

●いきなりエイズ報告率 26.8%
前回が29.3%で 2.5%下がりました。なお、「いきなりエイズ報告率」とは、HIVに感染したと報告された人の中で、すでにエイズを発症していた人の割合を言います。(新規エイズ患者)÷(新規HIV感染者+新規エイズ患者)×100%

【2013年通期速報値】のデータについて

●新規HIV感染者 1,077件
1,077件は過去3位となる件数です。前年の1,002件から55件増加しています。

●新規エイズ患者 469件
469件は過去2位となる件数です。前年の447件から22件増加しています。

●いきなりエイズ報告率 30.3%
前年の30.8%とほぼ同じでした。依然として30%を超える高い値となっています。

新規HIV感染者、エイズ患者の推移をグラフでご紹介します。

新規HIV・新規エイズ動向
図1.2013年 通期の新規HIV感染者・新規エイズ患者の推移

新規HIV感染者と新規エイズ患者の累計は2013年に22,968人となっています。

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・・◇2013年第4四半期 感染ルート


2013年第4四半期(10月~12月)の新規HIV感染者・エイズ患者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 新規HIV 新規エイズ
異性間性的接触 51 25
同性間性的接触 205 59
静注薬物使用
母子感染
その他
不明 36 19
合計 295 108

表2.2013年第4四半期 新規HIV感染者・新規エイズ患者の感染ルート

新規HIV感染者における性的接触感染ルートは90%、新規エイズ患者においては78%となっています。また、同性間の性的接触は69.5%、54.6%となっています。同性間感染は全て男性同士であり、女性同士の感染はありません。 この数字からいかにHIVが男性同士の性的接触で感染しているかハッキリ分かります。

・・◇2013年通期 HIV感染者・エイズ患者の感染ルート


続いて2013年の通期における新規HIV感染者、エイズ患者の感染ルートをご紹介します。

感染ルート 新規HIV 新規エイズ
異性間性的接触 189 110
同性間性的接触 760 268
静注薬物使用
母子感染
その他
不明 118 80
合計 1,077 469

表3.2013年通期 新規HIV感染者・新規エイズ患者の感染ルート

新規HIV感染者の感染ルートにおいて、性的接触は88%、新規エイズ患者においては80.6%となっています。また、同性間の性的接触は70.6%、57%となっています。

なお、新規のHIV感染者においては女性同士の性的接触が1件報告されています。これはオーラルセックスによる感染かな?と思うのですが、実際の集計では同性間は異性間も含んでいるのでハッキリしません。

表3をグラフにしたものが図2、図3です。

HIV感染ルート
図2.2013年通期 新規HIV感染者の感染ルート

図2をご覧頂いてお分かりのように、新規HIV感染者の70.6%が同性間の性的接触によって感染しています。この中には女性は含まれておらず、全て男性の感染者です。

また、同性間、異性間を合わせた性的接触による感染が全体の88.1%となっています。つまり、HIVは圧倒的に性行為によって感染が広まっているのです。それも男性同士の性行為が最大感染ルートになっています。

未だにHIV・エイズ関連サイトでHIVの感染ルートを母子感染や血液感染から説明している記事があります。全くのナンセンスです。同列に説明するのは誤解の元です。 HIV感染は性行為、それも男性同士の性行為が最も危ない、そうハッキリと説明するべきだと私は思います。

続いて新規エイズ患者の感染ルートをグラフ化しました。

エイズ感染ルート
図3.2013年新規エイズ患者の感染ルート

図3をご覧頂いてお分かりのように、新規エイズ患者の57.1%が同性間の性的接触によって感染しています。この中には女性は含まれておらず、全て男性の感染者です。 また、同性間、異性間を合わせた性的接触による感染が80.6%となっています。

以上のように、新規HIV感染者、エイズ患者ともに性的接触が最大感染ルートであり、とりわけ男性同士の性的接触による感染が多くなっています。

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・・◇2013年通期 HIV感染者・エイズ患者の年代別分布


続いて2013年の通期における新規HIV感染者、エイズ患者の年代別分布データをご紹介します。

年代 新規HIV 新規エイズ
10歳未満
10-19
20-29 313 42
30-39 370 131
40-49 235 138
50歳以上 149 157
合計 1,077 469

表4.2013年通期 新規HIV感染者・新規エイズ患者の年代別分布
注1)新規HIV感染者に10歳未満が1件あるのは母子感染です。
注2)年令不明が1件ありました。 表4をグラフのしたものが図4、図5です。

HIV年代別
図4.2013年新規HIV感染者年代別分布

図4の通り、新規HIV感染者は20代、30代に多いのですが、50歳以上にも全体の13.8%の感染者がいます。2012年が11.6%だったので比率としては2.2%の増加です。件数としても33件の増加となっています。

高齢者の人口が増加し、しかも元気な高齢者が多いのです。そのこと自体はとても素晴らしいことですが、残念なことにHIV感染に対する警戒感が若い人より薄いのではないでしょうか。

続いて新規エイズ患者の年齢別分布をグラフ化してみました。

エイズ年代別
図5.2013年新規エイズ患者年代別分布

図5を見てお分かりのように、新規エイズ患者は50歳以上が最も多く、全体の33.5%を占めています。昨年も同様の傾向にありました。当サイトで何度も記事にしていますが、今やHIV感染症は早期発見によってエイズ発症を防ぐことが可能になっています。

つまり、図5に現れる新規エイズ患者とはHIV検査を受けずにいきなりエイズを発症した人達なのです。年代別の人口比を考えると、いかに50歳以上がHIV検査を受けていないか、無関心であるかが分かります。

HIV感染に年齢は関係なく、エイズ発症もまた年齢に関係ありません。これから高齢化社会が更に進むと、50歳以上のHIV感染者、エイズ患者も更に増加するのではないでしょうか。

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・・◇2013年通期 HIV感染者における「いきなりエイズ」の割合


続いて2013年の通期における「いきなりエイズ」の報告率をご紹介します。

●「いきなりエイズ」報告率=(新規エイズ件数)÷(新規HIV感染件数+新規エイズ件数)=30.3%

要するに「いきなりエイズ」報告率とは、HIVに感染したと報告された人の中にどのくらい感染に気付かないままエイズを発症した人がいるかという割合を示してます。HIV検査を受けないままエイズ発症に至ったと報告された人の割合です。

では、平成11年から平成25年まで15年間の「いきなりエイズ」報告率の推移を見てください。

いきなりエイズ
図6.「いきなりエイズ」の推移

図6の通り、「いきなりエイズ」報告率は平成21年からほぼ30%で横ばい状態です。日本ではHIV感染者の30%以上が自分の感染に気付かないままエイズを発症していることになります。 早期のHIV検査で感染が見つかっていればエイズ発症を防げた可能性が高いだけに非常に残念な結果だと思います。

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・・◇2013年通期 保健所でのHIV抗体検査件数・相談件数


次に保健所や自治体のHIV抗体検査件数、及び保健所への相談件数を紹介します。

●HIV抗体検査件数 136,400件

●相談件数 145,401 件

それでは保健所でのHIV抗体検査件数と相談件数の推移を見て頂きましょう。

保健所HIV検査
図7.保健所におけるHIV抗体検査件数と相談件数の推移

図7の赤い折れ線グラフがHIVの相談件数であり、青色の棒グラフがHIV検査の件数です。

あなたの記憶にもまだ新しいと思うのですが、2013年11月末に献血によるHIV感染が発生し、大きな社会問題となりました。 そのため、新聞、テレビ、ネットのニュース報道の後HIV検査、相談ともに急増しました。

まぁ、実質12月の1ヶ月だけ急増したので通期でみれば大きな影響はありませんでした。 HIV検査の件数は微増、相談件数は減少傾向のままです。ここ数年、ずっと同じことが言われているのですが、HIVやエイズに対する社会の関心が薄れていると指摘されています。

ただ、自宅で使えるHIV検査キットは年々その利用数が増加し、すでに2012年に年間利用数が6万5000個以上となっています。この数字から見ると単にHIVに対する関心が薄れた、というだけでなく保健所におけるHIV検査の利便性に改善の余地があるのではないかと思います。 保健所に行けば無料のHIV検査に対して、自宅で使えるHIV検査キットは3000円から5000円もするのですから。

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・・◇2013年通期 献血件数とHIV陽性件数


では最後に、2013年の献血件数、及び献血で見つかったHIV陽性件数をご紹介します。

●献血件数 5,205,819 件

●HIV陽性件数 63 件

平成12年から平成25年までの献血件数と献血で見つかったHIV陽性件数の推移をご覧ください。

献血とHIV陽性
図8.献血件数とHIV陽性件数の推移

献血によるHIV感染については2013年の11月に大きな社会問題として取り上げられました。2014年からはこれまでよりもHIV検査をより高精度で行う方針を日赤が明らかにしています。

下記関連記事をどうぞお読みください。 『献血とHIV・・・ひとまず結論』 ________________________________________________

・・◇まとめ


最後に厚生労働省エイズ動向委員会が発表した、2013年通期のエイズ動向データをまとめておきます。

●新規HIV感染者報告件数は1,077件で過去3番目に多い結果となった。

●新規エイズ患者報告件数は469件で過去2番目に多い結果となった。

●新規にHIVに感染したと報告された人の30%以上がすでにエイズを発症していた。

●新規HIV感染者の13.8%、新規エイズ患者の33.5%は50歳以上であった。 こうしたまとめからいったい何を注意すればいいのか、見えてきます。

「早期のHIV検査は救命的検査である。」

ということに尽きるのではないでしょうか。特に中高年のあなたにはそう申し上げたいと思います。

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■HIVと最も重複感染が多い梅毒、B型肝炎。症状がより重症化することがあります。

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