エイズ動向委員会から発表された2010年のエイズ指標疾患分布をご紹介します。

あなたはエイズ指標疾患をご存知でしょうか。

もしもあなたがHIVに感染しても、それだけではエイズ患者ではありません。
国が定めた23種類のエイズ指標疾患のどれか1つでも発症したら、その段階で
エイズ患者と認定されます。

むろん、HIVに感染せずに発症してもエイズ患者ではありません。

HIVに感染して、なおかつ23種類のエイズ指標疾患のどれか1つでも発症したら
エイズ患者となります。

では、2010年のデータから、エイズ指標疾患の分布をご紹介致しましょう。

・・◇2010年 エイズ指標疾患分布


疾患名 件数 比重
ニューモシスティス肺炎 284 42.7%
カンジダ症 132 19.8%
サイトメガロウイルス感染症 77 11.6%
HIV消耗性症候群 41 6.2%
活動性結核 22 3.3%
HIV脳症 20 3.0%
カポジ肉腫 16 2.4%
クリプトコックス症 15 2.3%
非ホジキンリンパ腫 15 2.3%
進行性多発性白質脳症 8 1.2%
反復性肺炎 6 0.9%
非結核性抗酸菌症 5 0.8%
単俊ヘルペスウイルス感染症 4 0.6%
トキソプラズマ脳症 4 0.6%
化膿性細菌感染症 4 0.6%
サルモネラ菌血症 4 0.6%
原発性脳リンパ腫 3 0.5%
クリプトスポリジウム症 2 0.3%
リンパ性間質性肺炎 2 0.3%
浸潤性子宮頸癌 1 0.2%
コクシジオイデス症 0 0.0%
ヒストプラズマ症 0 0.0%
イソスポラ症 0 0.0%
合計 665 100.0%

表をご覧頂いてお分かりのように、報告された指標疾患の合計は665件でした。

2010年に報告されたエイズ患者の件数は469件でした。従って、1人のエイズ患者が
複数の指標疾患を発症したものと思われます。

特に発症件数の多い上位10疾患についてグラフにしてみました。

・・◇2010年 エイズ指標疾患分布グラフ


1:ニューモシスティス肺炎
2:カンジダ症
3:サイトメガロウイルス感染症
4:HIV消耗性症候群
5:活動性結核
6:HIV脳症
7:カポジ肉腫
8:クリプトコックス症
9:非ホジキンリンパ種
10:進行性多発性白質脳症

グラフにしてみるとよく分かりますが、上位の3疾患で全体の71.4%、ほぼ3/4を占めて
います。

では、この上位3疾患について、どんな疾患か説明しておきます。

・・ニューモシスチス肺炎


以前は「カリニ肺炎」と呼ばれていましたが、今でははこの名前に変わっています。

カリニという原虫 が引き起こす肺炎だと思われていたのですが、実際の原因は真菌である
ことが分かったためです。エイズ指標疾患の中では最も多く見られる疾患です。

主な症状は呼吸困難や発熱、痰(たん)を伴わない咳(せき)などです。何も治療をしないと
致死的です。治療には抗生剤を使用します。

・・カンジダ症


カンジダという真菌(カビ)が引き起こす病気です。カンジダはもともと健康な人の体内にも存在して
いることがあります。免疫力が通常であれば、別に何の症状も出ません。

症状としては皮膚、口の中、食道、気管、肺などに炎症を起こします。ただ し、エイズ指標疾患と
しては、食道、気管、肺に限定されています。

治療としては、抗真菌薬を投与します。

・・サイトメガロウィルス症候群


ヒトヘルペスウィルス5型というウィルス感染によって発症します。症状としては、肺炎、網膜炎、
胃腸炎、脳炎などをひきおこします。

治療には抗ウィルス薬を投与しますが、長期化することが多いそうです。
治療せずに放置すれば死に至ります。


2010年の新規エイズ患者469人は過去最多でした。
一方で保健所などのHIV検査受検者は減少の一途をたどっています。

抗HIV医療の進歩により、今回ご紹介したエイズ指標疾患を発症する前に治療を
開始すればエイズの発症を防ぐことも出来るようになりました。

エイズ発症前に治療を開始するのと、エイズを発症してから治療を開始するのとでは、
当然ながらその後の経過は大きく異なります。

それがHIV検査が救命的検査と言われる理由です。

あなたに少しでもHIV感染の不安があるなら、迷わず保健所や病院でHIV検査を
受けて下さい。

ほんのわずかな時間や費用で、あなたの生命の危機を回避出来るのです。

どうしても保健所や病院に行くのが嫌なら、自宅で検査も可能です。

*私がHIV感染の不安に悩んだとき使った検査キットです。10分で終わりました。

・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)

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