エイズ関連死の報告は任意であり、必ずしも義務化されていません。今回はエイズ患者の病変死亡データをご紹介します。

現在の日本の法律では新規HIV感染者、新規エイズ患者を診察すると7日以内に都道府県知事へ報告するよう義務付られています。これを怠ると罰則規定があります。

しかし、その新規エイズ患者が後に病変死した場合、それを報告する義務はありません。あくまでも任意報告となっています。従って、どのくらいの死亡者がいるのか正確なデータは分かりません。

それでも厚生労働省エイズ動向委員会では毎年病変死亡者のデータを公開しています。

今回はそのデータを元に、1989年から2012年までのエイズ関連死、病変死亡者の推移をグラフ化してみました。いったいどのくらいエイズの犠牲になって亡くなる人がいるのか傾向が分かります。

◇変化点は1997年のART開始

ではさっそく、私がエイズ動向委員会のデータを元に作成したグラフをご覧ください。

エイズ病変死亡者推移
グラフ1.エイズ病変死亡者推移

グラフをご覧頂いてお分かりのように、病変死亡者がもっとも多かったのは1996年で116人でした。しかし、この1996年をピークにして翌97年からいっきに病変死亡者は激減します。

そして2002年以降、ほぼ20人前後で推移しています。

病変死亡者数の推移で大きな変化点となったのは1997年です。この年から抗HIV医療にARTと呼ばれる治療法が導入されました。

それまではHIVに感染すると有効な治療法もなく、エイズを発症して死亡する人がほとんどでした。それがARTによって体内のHIVをコントロールできるようになり、免疫力を回復させることが可能になったのです。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

『エイズ治療について』

『抗HIV薬とはどんなものか』


◇今でも怖い病気にはちがいない

今やHIV感染症は慢性疾患に近づきつつあると言われます。薬によってHIVをコントロールすることができ、HIVキャリアとしての寿命も延びました。

すると、こんなことを言い出す人がけっこういます。

「HIVに感染するのはよっぽど運の悪い人。仮に感染しても死ぬことはない。」

「HIVに感染する心配より交通事故に合わない心配をする方が現実的だ」

どうです?あなたもこんな書き込みをネット上で見たことがありませんか?HIVやエイズ関連サイトでかなり目にします。

まぁ、書き込んだご本人がそう感じて、そう思って書くのでしょうからそれは自由です。でも、私にはかなり違和感があります。

確かにエイズで亡くなる人は減りました。2012年の任意報告件数は18件です。一方、2012年に交通事故で亡くなった人は4,411人もいます。(警視庁発表)

「交通事故の方を注意しろ」というのも死亡者の数字だけを見れば的外れとも言えません。

でも、エイズ病変死と交通事故死を比較するのは大間違いだと思います。

「HIVに感染するのは交通事故にあったようなもんだ」

と思う人が単純に比較するのでしょうね。しかし、HIV感染と交通事故は決定的に違います。

HIV感染は自分の意志で予防することが可能です。交通事故は不可抗力の場合もあります。

ここが決定的に違うと思います。

小学生が集団登校している列に無免許運転の車が突っ込んだり、飲酒運転の車が突っ込んだり。これはもう本当に亡くなった子供がかわいそう過ぎます。子供たちに何の罪も責任もなく、子供たちでは防ぎようがありません。

こんな交通事故とHIV感染は同じではありません。見知らぬ相手や性風俗でコンドームを使わないのは自分の意志であり、自分の責任です。



◇エイズ発症を防ぐ方法

先ほどのグラフでもご紹介したように、エイズ関連死の病変データからみると、年間の死亡者は20人前後です。この数字はあくまでも任意報告ベースなので、実際にどのくらいの死亡者がいるのかは分かりません。

もしかしたら50人かも知れないし、100人かも知れません。

しかし、あなたがエイズ関連死で死なない方法は、あなたの意思で何とでも出来ます。

●そもそもHIVに感染しないよう注意する。コンドームの使用、不特定多数との性行為を避ける。

●HIV検査を受けることによって、仮にHIVに感染してもエイズ発症を防ぐ。

この2つの方法はエイズ発症を防ぐことが出来る有効な方法です。あなたの意思で実行することが出来ます。

2013年8月30日、エイズ動向委員会は2013年の第2四半期(4月~6月)の新規エイズ患者を146人と発表しました。この人数は四半期ベースでは過去最多です。

「HIV感染は怖くない。エイズになっても死ぬことはない。」

もしもあなたがそう考えているとしたら、それは非常に危険です。今でもHIV感染症は不治の病であり怖い病気にちがいありません。そしてエイズ発症は今でも生命の危機に直面する危険な事態であることに変わりありません。

そして、HIV感染を防ぐこと、エイズ発症を防ぐこと、これはあなたの意思で実行できます。

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