世界で初めてHIV感染が完治したと言うニュースをご紹介します。

12月15日付けの複数のメディアが世界で初めてHIV感染が完治した患者のニュースを伝えています。例えばCNNでは『HIV感染の独男性、幹細胞移植で「完治」の研究報告』と報じています。

いったいどんな新薬?どんな治療法?これでもうエイズは不治の病ではなくなった?

残念ながら、そう簡単に手放しで喜べるニュースではないようです。CNNニュースから少しその内容を拾ってご紹介しましょう。今回、HIV感染が完治したと報じられた患者は、Timoth Ray Brownさんと言う40歳代のドイツ人男性です。

BrownさんはHIVに感染して10年以上になり、当初は普通に坑HIV治療を受けていました。ところがBrownさんは2006年に急性骨髄性白血病を発症します。この治療で化学療法を受けたのですが、あまり効果がなかったそうです。

そこで、2007年2月にドイツ人医師ゲロ・フッター(Gero Hutter)氏は、Brownさんの白血病治療のために骨髄移植を行うことにしました。皆さんもご存知のように、骨髄移植手術には骨髄を提供してくれるドナーが必要です。

まずこのドナー探しが大変困難です。ドナーが見つからずに手術を受けられない患者さんの話をよく聞きます。それなのに今回フッター医師はHIV耐性遺伝子を持つドナーを探したのです。このドナーをどうやって見つけたのかはニュースにも報じられていませんが、見つけるのは極めて難しかったと思われます。

なぜなら、HIVに対する耐性を持つ遺伝子と言うのは、白人のわずか1%にしか存在しないからです。その中から骨髄を提供してくれるドナーを探しだすのは大変なことです。HIV耐性の遺伝子を持った人はHIVに感染しても免疫細胞が破壊されず、体内でHIVが増殖しないそうです。

この移植手術を2007年に行い、翌2008年3月以降も何度か繰り返します。そして抗HIV薬の投与を中止しました。それから3年半が経過した今年2010年の夏、HIV感染も白血病もまったく検査では正常だったそうです。

結果的に、この移植手術でBrownさんはHIV感染が完治したと言うことです。

しかし、今回の手術はHIV耐性遺伝子を持つドナーを探しだすことが困難な上に手術そのものも非常にハイリスクで、しかも費用が高額とあって一般的に広まる可能性はないそうです。

CNNニュースでは「極めてまれで幸運なケースであった」と報じています。確かにいろんな幸運が重なって実現した事例でしょうが、HIV感染が世界で初めて完治したことは事実です。この事例が今度の抗HIV治療に生かされるといいと思いました。

残念ながら私もあなたもBrownさんと同じようにはいきません。ならば、HIV感染はまずは予防であり、次にHIV検査です。HIVに感染してもエイズ発症前に感染が分かれば、エイズの発症を防ぐことができます。

*私が使用したHIV検査キットはこれです。

STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)

「いきなりエイズ」を防ぐには、早くHIV検査を受ける以外に方法はありません。⇒ 「HIV検査があなたの命を救います」


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