12月24日付けの神奈川新聞ネット版に、『HIV感染と同性愛に理解を、教育関係者ら参加し講演会/横須賀』と言う記事が載っていました。(詳細記事はこちらから⇒神奈川新聞

この記事によると、横須賀市で「HIV感染者と同性愛」をテーマにした後援会が開かれたそうです。主催したのは横須賀市であり、厚生労働省エイズ動向委員会の委員を務める私立宝塚大学看護学部の日高庸晴准教授を講師に招いたそうです。

この講演の中で日高准教授は日本国内における新規のHIV感染者の中で、男性同性愛者の占める割合が7割であると言う事実をあげて、今後の対策を訴えられたそうです。

確かに、2010年のエイズ動向委員会が発表した実績を見ると、1月から9月までのデータでは、新規HIV感染者は747人であり、そのうち男性の同性愛者は511人で68.4%になります。従って、日高准教授の指摘されるように、HIV感染の対策には男性同性愛者の感染を減らすための施策が必要です。

更に、日高准教授が過去10年間に2万人の男性同性愛者を調査した結果、「2人に1人がHIV検査を受けている。」ことが分かったそうです。この「2人に1人」と言う割合はとても高いと思います。

なぜなら、2009年に保健所などでHIV抗体検査を受けた人の数は約122,000人です。いったい、HIV感染の可能性がある人の何%が検査を受けたことになるのでしょうか。間違いなく2人に1人なんてことはありません。

つまり、日高准教授のデータが示すところは、男性同性愛者の人たちは、自分たちがHIV感染のハイリスクグループであることを自覚していて、よりHIV検査に積極的だと言えるのではないでしょうか。

それは、いきなりエイズ発症率にも出ています。いきなりエイズとは、HIVに感染した人が、自分の感染に気が付かずそのまま放置してエイズを発症してしまい、そうなって初めてHIV感染を知ることを言います。文字通り、いきなりエイズを発症する状態を言います。

先ほどと同じ、2010年の1月から9月までのデータから、異性間の性的接触でいきなりエイズを発症した割合と、同性間の性的接触でいきなりエイズを発症した割合を比べてみます。

●異性間の性的接触   いきなりエイズ発症率=39.6%(227人中90人)

●同性間の性的接触   いきなりエイズ発症率=24.5%(677人中166人)

となっています。同性愛者の方が、同性愛でない人たちよりもいきなりエイズの発症率は低いのです。同性愛者の方が、よりHIV検査を受けていることになります。

むろん、比較の問題ではなく絶対数としてみれば、男性同性愛者のHIV感染者、エイズ患者が一番多いわけで、決して予防や検査が十分な状態であるとは言えません。日高准教授のご指摘の通り、これからの対策が必要です。

同性間の性的接触が最大感染ルートになっていますが、ここでの同性愛者とはほぼ100%男性です。女性同士の性的接触でHIVに感染するケースは極めてまれです。

色々な専門書や医療サイトで指摘されていますが、男性の同性愛者同士によるアナルセックスが感染の原因とされています。

同性間だと避妊の必要がないのでコンドームの使用率が低く、かつアナルセックスの場合は直腸に傷や出血が起きやすく、これがHIV感染の確率を高めます。

つまり、同性愛者だからHIVの感染率が高いのではなく、アナルセックスを行うこと、コンドームを使用しないことがHIVの感染率を高めています。

最後に、日高准教授が指摘されていることなのですが、同性愛者に対するHIV対策を進める上で、絶対に避けて通れないのが社会全体の差別と偏見です。この壁があるから対策が進まない面もあるのだと思います。

HIV感染者、エイズ患者と言うだけで差別、偏見があるのに、加えて同性愛者となれば余計に差別されるのが日本の現状だと思います。

正直、これまで私自身もこの問題については何も考えたことがありませんでした。私の周囲にも今のところ同性愛者だとカミングアウトした友人、知人はいません。でも、私が知らない、気が付かないだけできっと何人かはいるんだと思います。

HIV感染者、エイズ患者への配慮と同時に、同性愛者に対する差別、偏見をなくすことも大事だと思っています。

ただ、そういった差別をどうやってなくしていくか、と言う問題解決とは別に、HIV検査はぐずぐずしていると危険です。いきなりエイズ発症前にHIV感染が分かれば、エイズ発症を防ぐことも可能です。

保健所や病院には行きたくない、と言う人は検査キットを使って自分の家でも検査が出来ます。私が自分のHIV感染不安から使った検査キットをご紹介しておきます。HIV感染の不安や可能性がある人は一度のぞいて見て下さい。

*私が使用したHIV検査キットはこれです。

STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)


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