2012年第4四半期(10月~12月)のエイズ動向が、エイズ動向委員会より発表されました。(2月22日付け)

ここで第4四半期のデータと合わせて2012年(平成24年)の通期データを速報値としてお届け致します。最新エイズ動向データとしてあなたのHIV感染予防にお役立てください。

今回新規に報告されたのは、2012年10月1日から2012年12月31日までのエイズ動向実績です。従って2012年の第4四半期(10月~12月)にあたります。

これまでの第1四半期から第3四半期までのデータと合わせると2012年通期の速報値となります。

ただし、例年速報値にはその後修正が加わり、HIV感染者、エイズ患者が増える傾向にあります。2012年の正式版はたぶん5月くらいに発表になると思われます。

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それでは2012年第4四半期、及び2012年通期速報値として以下のデータをご紹介します。

情報元はこちらです。⇒『エイズ動向委員会報告』

1.概要

2.感染ルート別データ

3.年代別データ

4.保健所検査/相談数

5.献血件数・HIV陽性件数

*全国都道府県別 エイズ動向(別ページ掲載)

・・◇エイズ動向委員会岩本委員長コメント


今回の報告書におけるエイズ動向委員会岩本委員長コメントは以下の通りです。

1.第4四半期は第3四半期に対してHIV感染者は減少し、エイズ患者は横ばいであった。

2.2012年通期としては前年に比べてHIV感染者、エイズ患者、共に減少した。

3.保健所におけるHIV検査数は横ばいであったが、相談件数は大きく減少した。

4.保健所におけるHIV検査で報告された陽性件数は横ばいであった。

5.献血における10万件当たりの陽性件数は横ばいであった。

6.新規のHIV感染が増加しているというデータはなく、新規感染は横ばい状態になっている可能性がある。

7.保健所への相談件数が減少していることから世間のHIVに対する関心が薄れていることが懸念される。

8.「いきなりエイズ」報告率が依然として30%台で推移しており、更なるHIV検査の普及が望まれる。

(原文を要約、加工しています。)

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では、以下エイズ動向委員会から発表されたデータから、主要数値をまずはご紹介したいと思います。

最初に新規HIV感染者と新規エイズ患者の言葉の定義を説明しておきます。

●新規HIV感染者
保健所や病院などで報告された新規のHIV感染者。HIVには感染しているがエイズは発症していない。

●新規エイズ患者
保健所や病院で報告されたエイズ患者。HIV感染者として報告されず、「いきなりエイズ」を発症した患者。過去に新規HIV感染者として報告された人がエイズを発症しても新規エイズ患者としては報告されない。

・・◇2012年第4四半期・通期 新規HIV感染者とエイズ患者の人数

項目 10月-12月 2012年通期 2011年
新規HIV感染者数(人) 257 1,001 1,056
新規エイズ患者数(人) 114 445 473
合計数(人) 371 1,446 1,529
いきなりエイズ報告率(%) 30.7 30.8 30.9

表1.新規HIV感染者とエイズ患者

【第4四半期 10月~12月】のデータについて

●新規HIV感染者 257件
前回、7月~9月の第3四半期では273件でしたから、16件の減少です。2011年の同時期と比べると294件だったので37件の減少となります。

●新規エイズ患者 114件
前回、7月~9月の第3四半期では111件でしたから、3件の増加です。2011年の同時期と比べると106件だったので8件の増加となります。

●いきなりエイズ報告率 30.7%
前回が28.9%で 1.8%上がりました。なお、「いきなりエイズ報告率」とは、HIVに感染したと報告された人の中で、すでにエイズを発症していた人の割合を言います。(新規エイズ患者)÷(新規HIV感染者+新規エイズ患者)×100%

【2012年通期速報値】のデータについて

●新規HIV感染者 1,001件
1,001件は過去6位となる件数です。前年の1,056件から55件減少しています。

●新規エイズ患者 445件
445件は過去3位となる件数です。前年の473件から28件減少しています。

●いきなりエイズ報告率 30.8%
前年の30.9%とほぼ同じでした。

新規HIV感染者、エイズ患者の推移をグラフでご紹介します。

2012年HIV感染者・エイズ患者
図1.新規HIV感染者・新規エイズ患者の推移

新規HIV感染者と新規エイズ患者の累計は2012年に21,422件となり、2万件を超えました。


■あなたの自宅でもHIV検査は可能です


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・・◇2012年第4四半期 感染ルート


2012年第4四半期(10月~12月)の新規HIV感染者・エイズ患者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 新規HIV 新規エイズ
異性間性的接触 45 30
同性間性的接触 184 62
静注薬物使用 1 0
母子感染 0 0
その他 2 1
不明 25 21
合計 257 114

表2.2012年第4四半期 新規HIV感染者・新規エイズ患者の感染ルート

新規HIV感染者における性的接触感染ルートは89%、新規エイズ患者においては80%となっています。また、同性間の性的接触は71.5%、54.4%となっています。

・・◇2012年通期 HIV感染者・エイズ患者の感染ルート


続いて2012年の通期における新規HIV感染者、エイズ患者の感染ルートをご紹介します。

感染ルート 新規HIV 新規エイズ
異性間性的接触 182 110
同性間性的接触 718 239
静注薬物使用 5 3
母子感染 0 0
その他 11 6
不明 85 87
合計 1,001 445

表3.2012年通期 新規HIV感染者・新規エイズ患者の感染ルート

新規HIV感染者の感染ルートにおいて、性的接触は89.9%、新規エイズ患者においては78.4%となっています。また、同性間の性的接触は71.7%、53.4%となっています。

表3をグラフにしたものが図2、図3です。

2012年新規HIV感染者感染ルート
図2.2012年通期 新規HIV感染者の感染ルート

図2をご覧頂いてお分かりのように、新規HIV感染者の71.7%が同性間の性的接触によって感染しています。この中には女性は含まれておらず、全て男性の感染者です。

また、同性間、異性間を合わせた性的接触による感染が全体の約90%となっています。

2012年新規エイズ患者感染ルート
図3.2012年新規エイズ患者の感染ルート

図3をご覧頂いてお分かりのように、新規エイズ患者の53.4%が同性間の性的接触によって感染しています。この中には女性は含まれておらず、全て男性の感染者です。

また、同性間、異性間を合わせた性的接触による感染が78.4%となっています。

以上のように、新規HIV感染者、エイズ患者ともに性的接触が最大感染ルートであり、とりわけ同性間(男性)の性的接触による感染が最も多くなっています。

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・・◇2012年通期 HIV感染者・エイズ患者の年代別分布


続いて2012年の通期における新規HIV感染者、エイズ患者の年代別分布データをご紹介します。

年代 新規HIV 新規エイズ
10歳未満 0 0
10-19 18 1
20-29 286 46
30-39 369 117
40-49 211 144
50歳以上 117 137
合計 1,001 445

表4.2012年通期 新規HIV感染者・新規エイズ患者の年代別分布

表4をグラフのしたものが図4、図5です。

2012年新規HIV感染者年代別分布
図4.2012年新規HIV感染者年代別分布

図4の通り、新規HIV感染者は20代、30代に多いのですが、50歳以上にも全体の11.7%の感染者がいます。これからもHIV感染に年齢は関係ないことが分かります。

2012年新規エイズ患者年代別分布
図5.2012年新規エイズ患者年代別分布

図5を見てお分かりのように、新規エイズ患者は50歳以上にも多くいて、全体の30.8%を占めています。これはエイズ発症までの潜伏期間が数年間と長いこともありますが、もっと大きな理由は高齢者ほどHIV検査を受けていないのではないかと思います。

そのため自分のHIV感染に気付かず、「いきなりエイズ」を発症してるのではないでしょうか。エイズ動向委員会の岩本委員長が警鐘を鳴らすように、よりHIV検査の幅広い普及が必要だと感じます。


■あなたの自宅でもHIV検査は可能です


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・・◇2012年通期 「いきなりエイズ」報告率


続いて2012年の通期における「いきなりエイズ」の報告率をご紹介します。

●「いきなりエイズ」報告率=(新規エイズ件数)÷(新規HIV感染件数+新規エイズ件数)=30.8%

要するに「いきなりエイズ」報告率とは、HIVに感染したと報告された人の中にどのくらい感染に気付かないままエイズを発症した人がいるかという割合を示してます。HIV検査を受けないままエイズ発症に至ったと報告された人の割合です。

では、平成11年から平成24年まで14年間の「いきなりエイズ」報告率の推移を見てください。

2012年いきなりエイズ
図6.「いきなりエイズ」の推移

図6の通り、「いきなりエイズ」報告率は平成21年からほぼ30%で横ばい状態です。日本ではHIV感染者の30%が自分の感染に気付かないままエイズを発症していることになります。

早期のHIV検査で感染が見つかっていればエイズ発症を防げた可能性が高いだけに非常に残念な結果だと思います。

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・・◇2012年通期 保健所でのHIV抗体検査件数・相談件数


次に保健所や自治体のHIV抗体検査件数、及び保健所への相談件数を紹介します。

●HIV抗体検査件数 131,235 件

●相談件数 153,583 件

それでは保健所でのHIV抗体検査件数と相談件数の推移を見て頂きましょう。

2012年保健所HIV抗体検査
図7.保健所におけるHIV抗体検査件数と相談件数の推移

図7からお分かりの通り、検査件数、相談件数ともに平成21年をピークに減少傾向にあります。この傾向からエイズ動向委員会の岩本委員長は世間のエイズに対する関心が低下しているのではないかと指摘されています。

しかし、保健所でのHIV検査が減少傾向のままであるのに対し、自宅で使えるHIV検査キットは毎年利用者が増え続けており、厚生労働省の調べでは平成23年には65,000個が使用されています。

保健所では無料で受けられるHIV検査をわざわざ3,000円から5,000円も出して検査キットを購入するのはなぜでしょうか?

理由の1つはその利便性だと思います。いつでも自分の都合に合わせてHIV検査が可能です。保健所も更なる利便性の向上が必要ではないでしょうか。例えば夜間、休日の検査枠を拡大する、あるいは即日検査を更に拡大するなどの施策が必要かと思います。

更に言えば誰にも知られず検査が出来る匿名性も検査キット利用の理由になっているかも知れません。保健所が匿名検査と言っても対面検査であり、誰にも会わずに検査が可能な検査キットはより匿名性が高いと言えます。


■あなたの自宅でもHIV検査は可能です


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・・◇2012年通期 献血件数とHIV陽性件数


2012年の献血件数、及び献血で見つかったHIV陽性件数をご紹介します。

●献血件数 5,271,103 件

●HIV陽性件数 68 件
では、平成12年から平成24年までの献血件数と献血で見つかったHIV陽性件数の推移をご覧ください。

2012年献血
図8.献血件数とHIV陽性件数の推移

献血件数はここ数年、横ばい状態です。そして献血におけるHIV陽性件数は減少しています。

献血者の中にHIV検査目的の人がいないと仮定すれば、献血で見つかるHIV陽性件数は潜在的なHIV感染者の動向を反映していると言えます。

このデータからもエイズ動向委員会の岩本委員長がHIV感染者が増加しているデータは見つかっていないと指摘されています。

なお、献血におけるHIV検査は仮に陽性であっても検査結果を教えてくれません。従って献血はHIV検査代わりにはなりません。

『献血でHIV感染が分かる?』

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・・◇まとめ


●新規HIV感染者報告件数が減少した

新規HIV感染者の報告件数が前年よりも減少しました。ただし依然として保健所におけるHIV検査件数が減少したまま横ばい状態であり、潜在的なHIV感染者の動向はどうなのかという個人的疑問は感じます。

●新規エイズ患者件数も減少した

ずっと右肩上がりで増加を続けていた新規エイズ患者が減少しました。まだ速報値なので最終的には多少増えると思いますが、それでも昨年を上回るまでは増えないと思います。

新規エイズ患者はほぼ100%顕在化していると思われるので、この指標が減っているのはちょっと安心できるのではないでしょうか。

●「いきなりエイズ」報告率は減っていない

そうした状況の中で、依然として「いきなりエイズ」報告率は下がらず横ばいのままです。本文の中でも書きましたが、HIVに感染したと報告された人の30%は感染に気付かないまま「いきなりエイズ」を発症しています。

今回のエイズ動向委員会の報告から言えることは、もしもあなたにHIV感染の不安があれば、仮に自覚症状はなくてもHIV検査を受けるべきであると言うことです。

「いきなりエイズ」を防ぐには早期のHIV検査以外に方法はありません。早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査です。

*保健所や病院に行かなくても、簡単にHIV検査ができます。

・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)

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