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今回ご紹介するのは、フリーのジャーナリスト福島香織さんが中国の女性たちを取材した渾身の一冊です。中でも「エイズ村の女たち」は私にとって衝撃的なルポでした。

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◇本のタイトル:潜入ルポ 中国の女


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◇著者:福島香織  文芸春秋社(2011年) ¥1,429+税

福島香織さんはかつて産経新聞香港支局長、北京中国総局勤務を経て2009年からフリーで活動をしています。主には中国関連分野を得意としています。

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◇内容

今やアメリカに次いで世界第2位の経済大国として躍進を続ける大国中国ですが、一方で貧富の差は拡大し、都会と農村の地域格差もそのままです。

中国の貧しい農村部では売血や売春によってHIV感染が非常に深刻化しています。中国当局もそれを知っていながら十分な対応を取っていません。

しかも農村部では今なお、男尊女卑、封建的色合いが非常に濃く、「男を生めない女は一人前と認められない。」のです。

あるいは、「農村で女に生まれるくらいなら、牛や馬に生まれた方がましだ。」と女たちは絶望の声を上げます。

極度の貧困と昔ながらの差別が生み出すHIV感染のまん延。治療薬も十分でなく、どうせ助からないのだからとHIV検査を受けることさえしません。

特に福島さんが本の最初にルポしている文楼村は、村民3,170人のうち半分がHIVに感染しています。それは1990年代にこの村で広がった売血のためでした。

1回血を売れば50元(約600円)もらえました。それは文楼村ではゆうに1ヶ月分の現金収入でした。たった1日で1ヶ月分の収入を稼ぐことが出来たのです。

村人たちは前の晩から順番待ちで並ぶほど売血に通いました。しかし、そこでは50元と引き換えにHIV感染と言う、村民が予想だにしない事態が待っていたのです。

売血で行う成分献血が大量のHIV感染者を生みました。いったん採取した血液から、血液中の血漿・血小板を分離してバックに採取し、赤血球・白血球を一部の血漿と共に体内へ戻すのです。

この成分献血を行う装置がHIVに汚染されており、次から次へと感染していきました。

また、血液を売れなくなった女たちの中には売春を選ぶ者もいました。1回の売春で稼ぐお金はわずかに30元です。それなのにコンドーム1つが5元します。だから女たちはコンドームを自分では買いません。

農村で女として生れた女性たちが、どうやって生きてきたのか。なぜHIVに感染してしまったのか。そして、HIVに感染してからの生き方をどう変えたの か。

こうした悲惨な状況が福島さんの体当たり、現地突撃取材で明らかになっていきます。それは2005年のことでした。今からわずか6年前のことです。あの華々しく開催された北京オリンピックのわずか3年前のお話です。

HIV感染を通して中国の闇の部分を知ってしまうと、いったい中国と言う国の本質はどこにあるのだろうと、疑問で頭がいっぱいになりました。

【目次抜粋】

第1章 エイズ村の女たち

第2章 北京で彷徨う女たち

第3章 女強人(女傑)の台頭

第4章 文革世代と八O后と小皇帝たち

福島香織さんの突撃取材は迫力満点です。女性ならではの視点もありますが、とにかく冷静で肝の据わった取材から、隠された真実、現実が浮かびあがってきます。

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◇オススメポイント

「エイズ売春婦から大富豪まで」まさに中国の女たちを色んな角度から取材し、その実態を教えてくれます。中国はあまりに広く、あまりに人口が多い。

この一冊からも、一口で「中国とは・・・」なんて絶対に語れないことがよく分かります。

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◇管理人の満足度(あくまでも主観による独断と偏見の採点です)・・・・90点

福島さんはかつて産経新聞香港支局長、北京中国総局勤務を経験しているだけに、中国の本質をしっかりとらえて私たちの前に見せてくれます。

しかし、私には見せられたものを全部消化することは到底出来そうにありません。とても無責任な言い方ですが、「それが中国という国だ。」と片づけたくなりました。

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あなたにとって早期のHIV検査がどれほど大事か、ぜひ次の記事をご覧ください。HIV検査を遅らせることであなたにプラスになるこは何ひとつありません。いかに危険ばかりが大きくなっていくか、お分かり頂けるはずです。

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