献血とHIV感染

献血ではHIV検査の結果を教えてくれません。せっかくHIV検査をして
陽性だとわかっても教えてくれないのです。なぜでしょう?

献血に行かれた経験のあるあなたはご存知でしょうが、血液センターではHIV検査目的の献血を
断っています。

事前にHIV検査目的ではないことを確認してからでないと、献血を受けることができません。

そして、仮に献血を受けた後でHIV感染が分かっても、その検査結果を献血者に知らせることは
ありません。

せっかくお金と時間をかけてHIV検査を行っているのだから、教えてくれればいいのに・・・と、そう
思いませんか?

・・◇なぜ献血ではHIV感染を教えないのか?


この疑問もなんだか古典的な疑問になってしまいました。ネット上の多くの教えてサイトで見ることが
できますし、全国の血液センターホームページにも載っています。

むろん、当サイトでも記事にしています。⇒『献血でHIV感染がわかる?』

この記事は当サイトに掲載してからずっとアクセス上位にあり、最近ではアクセストップです。
それだけ多くの人が関心を持っているのだと思います。

ここで改めて同じ内容を記事にするつもりはありません。同記事とは少し違う視点であなたに情報を
お伝えしたいと思います。

そのために、まずは簡単におさらい的な意味合いで、献血でHIV検査結果を教えない理由を再度
説明するところから始めたいと思います。

血液センターが献血でHIV検査の結果を教えない最大の理由は、

輸血用の血液がHIVで汚染されることを防ぐため

です。

もしもHIVで汚染された血液を輸血されると、性行為感染などとはケタ違いの高い確率でHIVに感染
します。

厚生労働省科学研究費エイズ対策研究事業で運営する『HIV相談マップ』に紹介されているデータ
によれば、

輸血によるHIV感染確率は90%

とされています。

従って、献血で集めた血液はすべてHIV検査を行い、安全な血液のみを輸血に使います。

しかし、HIV検査でも100%確実にウイルスを見つけることはできません。HIVに感染して検査が可能
になるまでは一定の時間が必要であり、それをウインドーピリオドと呼んでいます。

献血に来た人がHIVの感染直後で、ウインドーピリオドの期間中であればHIVに汚染された血液が
検査をすり抜けて輸血用に使われる可能性があります。

この検査をすり抜けてしまうリスクを少しでも小さくするために、献血で実施するHIV検査の結果を教え
ないようにしているのです。

もしもHIV検査の結果をお知らせするとなれば、多くの人が献血をHIV検査代わりに使うようになります。
そして、献血をHIV検査代わりに使おうと考える人は一般の献血者よりもHIVに感染している可能性が
高いと考えられます。

だからそうした人達が献血をHIV検査代わりに使えないように、検査結果を教えない処置がとられて
いるのです。

・・◇それでも献血をHIV検査代わりに使おうとする人がいる


それでも、実際には献血をHIV検査代わりに使おうとする人たちがいます。その背景には、

「建前として教えないと言っているが、本当は教えてくれるはず」

こう考えているのです。でも、こう考える人がいても不思議ではありません。

なぜなら、HIV陽性の結果を教えなければその献血者はかなり高い確率でエイズを発症し、
生命の危機にさらされます。しかも、二次感染が広がる可能性もあります。

そうした事態を見過ごしていいのか、という問題です。

表向きは検査結果を教えないとして、感染リスクの高い人が献血を検査代わりに使うのを防ぎ、実態
としては本人にだけ極秘裏に教える、そんな運営がされているのではないかと勘ぐるわけです。

実は、こうした推測を裏付けるようなサイトを見つけました。

「国立感染症研究所 感染症情報センター」のホームページに、

「献血におけるHIV検査の現状と安全対策への取り組み」(2011年10月)

と言う記事がありました。

この中に、献血におけるHIV陽性者の扱いについて、次のような記述があります。

「現在、日本赤十字社では、HIV陽性献血者に対しHBV、HCVのような陽性者への通知は
行っていないが、感染拡大の防止、感染者の早期治療を促すために必要な措置を講じている。」

(HBV:B型肝炎ウイルス  HCV:C型肝炎ウイルス)

非常に慎重に、遠まわしな表現ですが、HIV検査の結果を本人に伝えていると解釈出来ます。

国立感染症研究所のような公的機関がホームページに掲載している記事ですから、それなりの
信ぴょう性はあると思われます。

ただ、「必要な処置」というのがどんな処置なのかは一切不明です。

もとより献血はHIV検査を主目的にやっているわけではないので、当然ながら保健所や病院と
同じような対応で献血者への告知を行っているとは思えません。

そういう意味では、やはり献血は保健所や病院のHIV検査と同じとは言えません。

・・◇そもそも、なぜ献血をHIV検査代わりに使うのか?


あなたもすでにご承知のように、全国の保険所ではHIV検査を無料匿名で受けることが可能です。
しかも、HIVのほかに、梅毒やクラミジア、B型肝炎なども同時に検査してくれます。
(HIV以外は各保健所で対応が異なる)

こんな便利な仕組みがあるのに保健所へは行かず、わざわざ献血を使おうと考える人がいるのは
なぜでしょか。

私が直接そうした人にインタビューしたわけではありませんが、想像するには本人にとって、

●保健所では世間体が気になる。

●保健所の職員との対面検査がいやだ。

●献血の方が利便性が高い。(たとえば日曜祭日でも受けられる、交通の便がいいなど)

こうした理由に加えて、献血をHIV検査代わりに使うことが、どれだけ危険なことかを知らない人も
いるでしょう。

・・◇献血をHIV検査代わりに使う、もうひとつの理由とは?


これは私の想像ですが、もしかしたら献血で行っているHIV検査がNAT検査であることを知って、
HIV検査代わりに使おうとしている人がいるかも知れません。

通常、あなたが保健所で受けることのできるHIV検査はHIV抗体検査か、HIV抗体・抗原検査
です。

どちらもHIVに感染してから2ヶ月、3ヶ月経過してからでないと正確な検査ができません。
ところが、NAT検査では感染後11日目から検査が可能とされています。

NAT検査ではHIVの遺伝子を人工的に増幅して高精度に感染の有無を判定します。

『NAT検査は感染初期でも検査!』

先ほども説明しましたが、血液センターでは輸血用の血液がHIVで汚染されるリスクを少しでも
小さくしようと、もっともウインドーピリオドが短い検査方式を採用しているのです。

そこでHIV感染の可能性がある行為をした直後に、自分のHIV感染を確かめようとして献血を
利用しようとする人がいるかも知れません。

HIV感染が不安でたまらず、保健所の検査を2ヶ月も3ヶ月も待てない人たちです。

しかし、このケースの人たちがもしも本当にHIVに感染していた場合には、最も危険なケースとなり
ます。HIV検査をすり抜ける危険があります。

だからもしもあなたが同様のことを考えたとしても、絶対に献血をHIV検査代わりにしないでください。
あなたがどうしても2ヶ月、3ヶ月が待てないなら、1ヶ月目に保健所に行けばいいのです。

確かにウインドーピリオド中の検査になりますから、陰性と出ても100%安心は出来ません。
しかし、多くの場合、1ヶ月後にはHIV抗体はすでに出来ていて、かなりの確率で安心なのです。
1ヶ月後の検査が全く意味がないということではありません。

ただ、あなたが3ヶ月後にもう一度検査を受けることが絶対条件です。万が一ということがあります。
あるいは、血液センター以外で、NAT検査を実施している医療機関で検査を受ける方法もあります。

NAT検査は設備も技術者も必要なので、血液センター以外で実施している医療機関は限られて
います。

私が「HIV検査相談マップ」というサイトで調べたところ、全国でNAT検査を実施している医療機関
として14の病院が紹介されています。

ここでHIV検査を受ければ、早期のHIV感染が分かります。ただし、NAT検査でわかるのは、HIV-1
の感染のみです。HIV-2はわかりません。

『HIV-1とHIV-2』

日本では非常にまれなHIV-2ですが、可能性がゼロではありません。NAT検査で陰性になっても、
やはり感染の可能性があった日から3ヶ月してHIV抗体検査を受ける必要があります。

この点、血液センターのNAT検査ではどう対応しているのか、詳しくは知りません。

ただ、私が調べたところ、血液センターでもNAT検査のみを行っているわけではなく、HIV抗体検査
も合わせて行っています。

ちなみに、あなたが仮にHIVに感染していたとして、その感染が1ヶ月目にわかっても3ヶ月目にわか
っても大差ないと思います。

いくらエイズ発症までの潜伏期間が短くなっているとはいえ、3ヶ月で発症する人はいないでしょう。
もし、あなたにHIV感染の不安があれば、思い当たる行為から3ヶ月が経過してから保健所に行く
のがベストだと思います。

献血をHIV検査代わりに使うことは絶対にやめてください。


以上、献血でHIV検査の結果を教えないということについて、2つの新たな情報を追加しました。

1.国立感染症センターのホームページ情報では、献血でHIV陽性と分かった場合、何らかの方法
で本人へ伝えているらしい。ただし、保健所や病院などと同じような処置ではない。
献血ではHIV検査結果を伝えることを本来業務にはしていない。

2.献血ではNAT検査を実施しているため、ウインドーピリオドが11日と短い。しかし、だからといって
献血をHIV検査代わりに使っても、メリットはない。

今回、2つの情報を追加しましたが、結論としてはHIV感染の不安があるなら、献血ではなく保健所へ
行ってくださいということです。

それがあなたにとっても、また輸血患者にとっても安全な方法です。

あなたがどうしても保健所には行きたくない、行けない事情があるのなら、献血ではなく検査キットを
使って自宅で検査することも可能です。

*私がHIV感染の不安に悩んだとき使った検査キットです。10分で終わりました。

・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共通)

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