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今回は香川県における「いきなりエイズ」についてです。
香川県内の昨年末までの累計HIV感染者は48人です。そのうち、21人が医療機関で診察を受けた時にはすでにエイズを発症していたそうです。(6月22日付け 読売新聞)
感染者の約44%がいわゆる「いきなりエイズ」と言うことです。⇒「いきなりエイズ」
全国的に見ると、2009年ではHIV感染者が1008人、エイズ患者が420人新しく報告されています。つまり、「いきなりエイズ」は29.4%となります。全国平均からすると、香川県の数字はかなり高い発生率ではないでしょうか。
そこで、香川県における保健所などのHIV抗体検査件数を調べてみました。昨年までの過去10年のデータが下のグラフです。
平成15年から右肩上がりで検査件数は増えてきましたが、昨年は減少しています。これは全国的にも同じ傾向であり、新型インフルエンザの影響とされています。(エイズ動向委員会資料による)
過去10年の検査件数を、同じ四国の他県と比較してみます。
◇四国4県のHIV抗体検査件数比較(過去10年累計)
●徳島県 5,070件 (人口 789,269人) 人口10万人当たりの検査件数 64.2件
●香川県 3,462件 (人口 1,000,169人) 人口10万人当たりの検査件数 34.6件
●愛媛県 9,274件 (人口 1,437,549人) 人口10万人当たりの検査件数 64.5件
●高知県 5,089件 (人口 767,520人) 人口10万人当たりの検査件数 66.3件
いかがでしょうか。同じ四国の他県と比べると半分くらいしか検査を受けていない結果となっています。
まぁ、簡単には断定出来ないでしょうが、検査数が多ければHIV感染者が見つかる可能性は高くなり、当然「いきなりエイズ」になる可能性は低くなります。
HIVに感染しても自覚症状はありませんから、「いきなりエイズ」になったほとんどの人は、「まさか自分が・・・」と思ったのではないでしょうか。中には覚悟していた人もいるかも知れませんが、そんなケースは少ないと思います。
HIVは非常に感染力の弱い、感染ルートが限定されたウイルスです。私たちに感染の可能性があるのは性行為感染だけと言ってもいいと思います。コンドームを使ったセーファーセックス、確かな相手限定のセックスで予防するしかないですね。
ただ、今やHIV感染しても薬でHIVをコントロール出来るようになりました。エイズ発症を遅らせる、抑えることが出来ます。それには何より早期発見・早期治療が大事です。「いきなりエイズ」は命取りになりかねません。どうぞ、少しでも不安があれば検査を受けることをお勧めします。
最後に、最近の研究では、エイズの潜伏期間が短くなっていると言う報告があることをご紹介しておきます。これが事実であれば、「いきなりエイズ」のリスクは更に大きくなります。⇒「エイズの潜伏期間が短くなる?」
関連記事⇒「エイズ治療について」・・・・「保健所でHIV検査を受けました」・・・・「HIV検査キットを使ってみました」
「いきなりエイズ」を防ぐには、早くHIV検査を受ける以外に方法はありません。⇒ 「HIV検査があなたの命を救います」 |
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