このサイトでもすでにお伝えした通り、2月7日にエイズ動向委員会から「2010年エイズ動向報告」が出されています。2010年の新規HIV感染者は1,050件(過去3位)、新規エイズ患者は453件(過去最多)でした。そして、昨日(2月9日)は「HIV感染に伴う皮膚疾患」と言う記事をアップさせてもらいました。

そして今朝、公園を散歩しているときに、「そうだ!」とひらめきました。2010年の報告と、皮膚疾患の記事が私の頭の中で1つに合体したのです。

『新規エイズ患者が多いのは、皮膚疾患でHIV感染を見逃していることも理由の1つではないのか?』

そう思ったのです。

このサイトで私は自分のHIV感染疑惑を何度も書きました。それは2009年のことだったのですが、自分のHIV感染を疑うきっかけになったのは帯状疱疹と全身の発疹と言う、2つの皮膚疾患でした。

私はこの2つの皮膚疾患を短期間に連続して発症し、かなりの確率でHIVに感染していると思い込みました。自分で専門書を読んだりネットで調べたりして、これらの皮膚疾患がHIV感染の初期に多く見られる症状だと知ったからです。

私は帯状疱疹のときは皮膚科の専門医に診てもらいました。全身発疹のときは。大きな総合病院の皮膚科で診てもらいました。そして、どちらの専門医も、私のHIV感染の可能性については一言もありませんでした。HIV検査のススメはなかったのです。

「HIV感染に伴う皮膚疾患」にも出てくるように、皮膚疾患からHIV感染を疑い、必要に応じてHIV検査を本人承諾の元で実施している皮膚科もあります。例として出されていたのは東京医科大学の皮膚科で、2004年から2008年の5年間に3,764人の検査を行い23人の陽性者が見つかったとあります。

東京医科大の皮膚科においては、初めから皮膚疾患がHIV感染の症状かも知れないと疑っています。事実HIV感染者の9割は何らかの皮膚疾患を発症しているのだそうです。

つまり、自分がHIVに感染していると気付かない、ただの皮膚病だろうと思って来院する患者さんに対してHIV感染のチェックを行うわけです。そして早期発見につながる例が出ているのです。

これは、東京医科大が都内にあると言う地理的な条件もあるかも知れません。国内でもっともHIV感染者が多い場所です。一方、私が診察を受けた病院は九州の地方都市であり、HIV感染者は極めて少数です。

特に私が帯状疱疹で診てもらった皮膚科は個人クリニックだし、先生は恐らくHIV感染者など一度も診察したことがないのではないかと思います。自分の皮膚科に来る患者の中にHIV感染者がいるかも知れないなど、あまたの片隅にもないと思うのです。だから私に対してHIV検査についての話がなかったのだと思います。

きっと私と同じような経験をされた方は随分と多いのではないでしょうか。あたにも似たようなご経験はありませんか?私が発症した帯状疱疹は極めて一般的なHIV感染に伴う皮膚疾患です。HIV感染を疑うかっこうの材料と言うべき症状です。

2010年に新規エイズ患者が最多となったのは、要するに自分がHIVに感染していることに気がつかず、「いきなりエイズ」を発症する人が過去最多だったと言うことです。エイズ動向調査においては新規のHIV感染者とエイズ患者は重複カウントされないからです。

例えば2009年に新規HIV感染者としてカウントされた人が、2010年にエイズを発症しても新規エイズ患者としてはカウントされません。その場合には新規HIV感染からの病変件数としてカウントされるだけです。

すなわち、新規エイズ患者とは、HIV感染者を飛び越えて文字通り「いきなりエイズ」を発症した人を意味します。

だけど、もしかしたらそんな新規エイズ患者の中には、エイズ発症前に何かの皮膚疾患で皮膚科の診察を受けているかも知れません。そのときに、医師からHIV検査を勧められていれば、エイズ発症を未然に防ぐことも出来たかも知れません。それは私自身の体験からもそう思うのです。

私の場合は、最終的には検査キットでHIV検査を受けました。幸いにも結果は陰性でした。しかし、もしも結果が違っていたら・・・。きっと私は帯状疱疹や全身発疹が出た時にどうしてHIV検査を受けなかったんだろうと、悔んでいたかも知れません。

そんな私の体験からあなたにお伝えしたいことは、あなたが何かの皮膚疾患で病院に行ったときは、念のため、安心するためにHIV検査を受けた方がいいですよ、と言うことです。

むろん、皮膚科に行ったと言っても何でもかんでもHIV検査が必要なわけではありません。しかし、帯状疱疹や体の広い範囲で発疹、斑点などが出てきたら要注意です。皮膚科の先生がHIV検査を口しなくてもあなたの判断でHIV検査を受けることをお勧め致します。

「HIV感染に伴う皮膚疾患」の中で東京医科大学皮膚科の坪井良治教授は皮膚疾患からHIV感染を疑う重要性、必要性を説いておられます。また、国立国際医療研究センター戸山病院エイズ治療・研究開発センターの岡センター長も同じようなご指摘を岡氏編集の書籍の中でされています。

結局、あなたを「いきなりエイズ」から守るものは早期のHIV検査です。あなたご自身に感染の不安があろうとなかろうと、感染の可能性があればHIV検査をお勧め致します。「自分に限っては大丈夫」と言う根拠のない自信や勘違いは命取りになるかも知れません。

ご参考までに私が自宅で使ったHIV検査キットをご紹介しておきます。あなたが保健所や病院にはどうしても行きたくないと思うなら、検査キットと言う方法もアリです。

*保健所や病院に行かなくてもHIV検査は可能です

■自宅でHIV検査体験記