TOP コラム一覧コラム(基礎情報)>HIVやエイズを正しく知ること

今回は、HIVやエイズに対する正しい知識、情報が大事です、と言うお話です。

私は、自分がHIVに感染しているのではないかと不安になったとき、ネット上の様々なサイトを見ました。何とか、自分自身を安心させることが出来る情報がないかと探していたのです。

つまり、「その程度の行為なら感染していなよ」とか、「自分も同じ程度のことはしてるけど、感染してないよ」、あるいは、医学用語をちりばめた説明で大丈夫と言ってくれるサイト。私はこんなサイトを見つけては安心したがっていたのです。

でも、今にして思えば、それらのサイトの何と怪しげで不正確な情報の多いことでしょう。最近になって、改めてそんなサイトを見ることがあります。そして、とても心配になります。当時の私と同じように、自分がHIVに感染しているかも知れないと不安な人が、そんな怪しげなサイトを見て、誤った判断でもしたら大変だと。

ちょっと見つけた具体的な事例をご紹介しましょう。

1.献血に行けばHIVに感染しているかどうか、分かる?
この手の質問、回答はネット上に溢れています。もう、何度となく見ている質問です。そして、未だに「yes」と答える回答を目にします。でも、この質問に対しては「no」が正解ですから、決して献血をすればHIV検査は不要だと思わないで下さい。

日赤血液センターのホームページを見て下さい。「エイズ検査の結果はお知らせしていません」と明記されています。⇒「血液センターからのお願い」参照。

確かに、献血で集まった血液はHIVに汚染されていないか全数検査をします。しかし、その結果、汚染されていれば血液を廃棄処分にするだけで、血液提供者に対してHIV感染の結果を教えることはありません。

なぜなら、検査結果を教えてしまうと、それこそ献血がHIV検査代わりに使われてしまう危険性が高くなるからです。私たちがHIVに感染しても、身体の中にすぐには抗体が作れません。HIV検査は抗体があるかないかを見ているので、感染直後の抗体がまだ作れない時期に検査をしてしまうと、感染しているのにパスしてしまう危険があるのです。

この抗体が出来て、検査が可能になるまでの期間をウインドーピリオドと言います。一般には感染の機会があってから、3ヶ月後に正確な検査が可能だと言われています。最近では、このウインドーピリオドの短いNAT検査と言う方法が導入されるようになりましたが、それでも感染後4週間くらいは検査が正確には出来ません。

そんな危険があるので、献血ではHIV感染の検査をするけど、結果を教えてはくれないのです。ただ、本当に全国、全ての献血場所で検査結果を教えないのかどうか、それは分かりません。もしかしたら、教えてくれる血液センターも存在するのかも知れません。

仮に、そんな血液センターがあったとしても、それは一般的ではなく特殊なケースです。くれぐれも、毎月献血に行ってるから、HIV検査なんて受けなくても大丈夫、などと思わないでください。むしろ、少しでも不安があるなら献血に行ってはいけないのです。すぐに保健所に行って、無料・匿名検査を受けて欲しいです。

保健所に行けない、行きたくない、と言う人は検査キットを使う方法もあります。

関連記事:「保険所でHIV検査を受けました」・・「HIV検査キットを使ってみました」・・「献血でHIV感染が分かる?」

2.HIVに感染してもエイズまでの潜伏期間は長いから、症状はすぐには出ない。
ネット上で、自分がHIVに感染したのではないかと質問する掲示板を沢山見かけます。例えば、「最近知りあったばかりの相手とコンドームなしでセックスをしました。しばらくしてから、発疹が出たり、微熱が出たりするのですが、HIVに感染したのでしょうか。」

こんな質問に対して、「HIVに感染してもエイズまでの潜伏期間は長いから、すぐに症状が出ることはない。きっと別の原因だから気にすることはない。」

確かにHIVに感染してからエイズを発症するまでの潜伏期間は長く、5年から10年かかります。しかし、HIVに感染した数週間後に、風邪によく似た症状が出ることがあります。これをHIV急性感染症と言います。ただし、感染したら必ず全員に発症するとは限りません。何も症状が出ないでそのまま潜伏期間に入る人もいます。

HIV急性感染症では、微熱が続く、喉が痛い、下痢をする、頭痛がする、発疹が出る、倦怠感がある、などの症状が出ます。これらの症状は放置しておくと1週間から2週間くらいで治ります。そして、ここから長い潜伏期間に入ります。

従って、風邪によく似た症状だからと軽く扱わないで、感染の機会に心当たりがあるのならHIV検査を受けるべきです。HIV感染に気付かず放置すれば、やがてエイズを発症します。「いきなりエイズ」を防ぐには早期に検査を受ける以外にありません。

関連記事:「HIV急性感染症」・・「いきなりエイズ」

3.エイズにはいい薬が出来て、死ぬことはなくなったので恐れることはない。
こんなフレーズもけっこう、ネット上では目にします。確かに、かつてのように死の病ではなくなりました。もしも自分が陽性だったら・・・それが怖くてHIV検査を受けられない人がいたとしたら、先ほどのフレーズで励ましてHIV検査を勧めることは意味があります。むろん、HIVに感染した人に対しても、人生お終いじゃなく、ちゃんと治療を受ければ普通に生活を続けることも出来ると理解してもらうのに使うフレーズでもあると思います。

しかし、安易にHIVやエイズを軽く見るような使い方は不適当です。いくらいい薬が出来たと言っても、HIVを消滅させることは出来ません。今でもいったん感染すれば完治することは不可能な病気なのです。死ぬまでずっと薬を飲み続けなくてはならないのです。エイズと言う病気そのものが脅威でなくなった訳ではありません。

「エイズにはいい薬が出来たから・・・」

確かにそうだけど、やはり治療よりも予防が大事であり、予防の重要性は何ら変わってはいません。それを誤解されるような使い方で表現するのは間違いです。

以上のように、HIVやエイズに対する知識、情報が少ないままに、間違った、不適当な情報を見てしまうと危険です。

このサイトでも、管理人がかつて体験した不安から、同じ状況の人に役立ちそうな記事を載せてあります。でも、たった一つに絞ってお伝えするなら、

「あなたがHIVに感染したかどうかは、HIV検査を受ける以外には絶対に分かりません。」

と言うことをお伝えしたいです。いくら状況証拠を並べてみても、類似の事例を集めてみても、今のあなたが感染しているかどうは、検査を受けるしか絶対に分からないのです。

どうか、ネット上で無責任な、根拠のない怪しげな情報に惑わされないようにして下さい。

関連記事:「エイズ治療について」・・「HIV感染者とエイズ患者の現状」

「いきなりエイズ」を防ぐには、早くHIV検査を受ける以外に方法はありません。⇒ 「HIV検査があなたの命を救います」

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