TOPコラム一覧コラム(HIV/エイズの現状編)>50歳以上にも多いHIV感染者

今回のお話は50歳以上のHIV感染者、エイズ患者がとても多い、と言うお話です。

2009年のHIV感染者、エイズ患者の動向についてはエイズ動向委員会から8月に発表がありました。2009年に新規に報告されたHIV感染者は1,021人であり、エイズ患者は431人でした。

このHIV感染者と、エイズ患者は重複しません。例えば、今年HIV感染者としてカウントされた人が、3年後にエイズ患者となっても、そのときに新規エイズ患者とはカウントされないのです。

つまり、新規エイズ患者の報告件数とは、それまでHIV感染者としてカウントされていなかった人たちです。いきなりエイズを発症した件数と言うことになります。実にその比率は約30%に達します。つまり、HIV感染者のほぼ3人に1人はいきなりエイズを発症したことになります。

こうしたHIV感染者、エイズ患者の報告件数を、年代別に調べてみたのが、次のグラフです。50歳以上の比率が高いことが分かります。



いかがでしょうか。新規HIV感染者の12%、新規エイズ患者の実に30%が50歳以上です。新規エイズ患者の比率が高いのは、感染してからの潜伏期間が5年から10年と長いためと思われますが、要はそれまでHIV検査を受けていないと言うことです。

実は、2009年3月に、世界保健機関(WHO)が高齢者のHIV感染者が広まっているとの研究結果を発表したそうです。情報元はこちらから⇒「高齢の患者さんにHIV感染リスクを考える」

新規HIV感染者の内、50歳以上が全体に占める割合は、欧州では8%、アメリカでは11%となっており、この比率が高まっているのだそうです。

この記事を読んだとき、私は知人の50代半ばの女性を思い出しました。彼女はHIV感染の可能性があって、自分でも分かっていたけど、どうしても保健所に行くのが嫌だといって検査を受けずにいました。

小さな町で世間が狭く、ご主人やお子さんもいて、仕事も持っていたため、世間的を気にしてためらっていたのです。私は強くHIV検査を受けることを彼女に勧めました。世間体を気にして検査をためらっている間にもエイズを発症した大変です。むろん、二次感染の心配だってあります。

結局、どうしても保健所には行きたくない、と言う彼女はHIV検査キットを使いました。検査結果は幸いにも「陰性」でした。

自分の年齢や家族から世間体を必要以上に気にして、検査が受けられない。この彼女と同じようなケースがけっこう多いのではないでしょうか。

あるいは、50歳以上の年代だと、性感染症の予防教育、予防情報に少し疎いと言うこともあるかも知れません。避妊の必要がないので、コンドームの使用率も低いかも知れません。

しかし、現実には先ほどのグラフを見て頂いたように、50歳以上でもHIVに感染したり、いきなりエイズを発症する人が多いのです。HIV感染は年齢を選びません。どんな年代であっても感染するときは感染します。

すなわち、避妊の必要がなくてもHIV感染予防の観点からコンドームの使用は必要だし、HIV検査を受けることも大事です。予防と検査は年代を問わず、必須事項なのです。

高年齢層の人で、どうしても保健所には行きにくい・・・と思われる人は、HIV検査キットをご利用になる方法もあります。自宅で誰にも知られず信頼性の高いHIV検査が可能です。保健所まで行く必要はありません。大事なことは、少しでもHIV感染の可能性があるのなら、不安や心当たりがあるのなら、すぐに検査を受けることです。

HIV感染の可能性と言うことで言えば、一度でも誰かと性的接触を持てば可能性はあります。また、現在は性的接触がなくても、過去に経験があれば同様です。最後に性的接触を持ってから、もう15年以上も経つ、と言う人は検査は不要かも知れませんが、そんな人以外はみな可能性があります。

どうか、いきなりエイズを発症して「まさか、自分が・・・」などと思うハメにならないようにして下さい。最近、日本とアメリカの両国でHIV感染からエイズ発症までの潜伏期間が短くなったという報告が出ています。今まで以上に早期検査が大事です。下の体験記に詳しい記事があります。

この記事を読んで、少しでもHIV検査を受けてみようかなと思った人、あるいは不安になってきた人がいれば、どうぞ管理人のHIV検査体験記を引き続きお読みください。

こちらから⇒「HIV検査のススメ・あなたを救う」

管理人の体験記です。どうしてもHIV検査を受けることが怖くて、検査をためらっていたのですが、ある日思い切って検査を決断しました。その苦悩の日々と、決断の理由をお伝えする体験記です。

かつては致死的疾患だったHIV感染も、今では早期発見、早期治療でエイズ発症を抑えることが出来るようになってきました。手遅れにならないうちに、ぜひ検査を受けて下さい。

50歳以上のあなた。HIVは若い人の病気で、自分には関係ないと思っていませんか?HIVは年代を問わず、誰にでも感染することを忘れないで下さい。

・・増加する「いきなりエイズ」を防ぐには、早期にHIV検査を受ける以外に方法はありません。⇒ 「HIV検査のススメ」