前に『HIV感染に伴う皮膚疾患』と言う記事を書いたのですが、非常に多くのアクセスを頂いています。
毎日100人近くの人がこの記事を読んでくれています。
そこで、今回はHIV感染に伴う皮膚疾患をより具体的に説明してみたいと思います。
参考文献は「これでわかるHIV/AIDS診療の基本」(南江堂)、「Visual Dermatology」(秀潤社)の2つです。
これからご紹介するHIV感染に伴う皮膚疾患には2種類あります。
1つはHIV感染による免疫力低下によって日和見感染する皮膚疾患です。
例えば帯状疱疹や口腔内カンジダなどです。
もう1つは、HIV感染が直接の原因ではないけれど、HIV感染者に多く見られる皮膚疾患です。
例えば、梅毒、尖圭コンジローマによる皮膚疾患です。
要は、これからご紹介する皮膚疾患がもしもあなたに認められれば、それはHIV感染の可能性がある、と言うことです。
あるいはエイズ指標疾患を発症した可能性があると言うことです。
あなたは速やかにHIV検査を受けること、治療を受けることが重要かと思います。
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1.梅毒による皮膚疾患
あなたもご存知のように、梅毒はHIVとの重複感染が最も多い性感染症です。
従って梅毒による皮膚疾患が疑われるときはHIV感染も疑うべきです。
多くの場合、梅毒に感染するとおよそ3週間くらい後に感染した場所の粘膜部や皮膚に丘疹(盛り上がった斑点)が出来ます。
やがてこの丘疹は浅い潰瘍(かいよう)となります。しかし、痛みは伴わず、自然に治ってしまいます。
これが梅毒の第1期に現れる皮膚疾患です。
次に感染してから約3ヶ月くらいすると、梅毒は第2期に入り、梅毒性バラ疹と呼ばれる淡い紅色の斑点が体の色んな場所に多発します。
あるいは、梅毒性丘疹と呼ばれる暗い紅色の丘疹が多発します。
これらの2期疹はかゆみを伴わないのが特徴です。
しかし、時には発熱、関節痛、リンパ腺の腫れなどが出ます。
最初に書いた通り、梅毒感染者はHIVに重複感染するリスクが高く、重複感染すると梅毒の進行が速まることがあるので要注意です。
従って、もしもあなたに、ここに書いたような皮膚疾患が現れた場合にはまず梅毒を疑い、HIVも同時に検査されることをお勧め致します。
2.カポジ肉腫
カポジ肉腫はエイズ指標疾患にも指定されており、HIV感染者に非常に多く見られる皮膚疾患です。
多くの場合、CD4が300/μL以下になると発症します。
現在ではカポジ肉腫の病原菌はHHV-8(ヒトヘルペスウイルス8型)であることが分かっています。
カポジ肉腫は、最初は暗い紅色か紫色の平坦な斑点です。この斑点が段々と盛り上がっていきます。
その大きさや形状によって、丘疹⇒結節⇒肉腫と呼び方も変わります。
肉腫は下半身から始まってお腹や腕、首、顔と色んな場所に次々と出てきます。
皮膚だけでなく、気道や消化管の粘膜、リンパ節など臓器にも出ます。
私が見た写真の例では、眼球に肉腫が出来た事例もありました。
かつてはHIV感染によるカポジ肉腫は治療が困難で、そのまま進行して致死的経過をたどることもありました。
しかし、現在ではARTと呼ばれる坑HIV療法と、ドキソルビシンと言うアドリアマイシン系の抗ガン剤が有効で完治する例が多くなっているそうです。
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3.単純疱疹(単純ヘルペス)
単純ヘルペスウイルスによる日和見感染により発症します。
ヘルペスウイルスによる感染はHIVに感染していない健康な人にも見られます。
単純疱疹は多くの場合、唇や性器に痛みや違和感を感じ、数日後に直径1mmから2mm程度の小さな水泡がたくさん集まって現れます。
健康な人の場合は治療せずに放置しても7日から10日程度で治ってしまうこともあります。
HIV感染による免疫低下の場合には、水泡が短期間に何度でも現れてきます。
そしてCD4が200/μLを切ると水泡が現れた状態が慢性化してきます。
更にCD4が50/μLを切ると重症化し、激しい痛みと共に潰瘍が出来ます。
従って、単純ヘルペスによる潰瘍が皮膚や粘膜に1ヶ月以上も続けばかなりひどい免疫不全であることを意味し、エイズ指標疾患にも指定されています。
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4.帯状疱疹(たいじょうほうしん)
帯状疱疹は私が自分のHIV感染を疑うきっかけとなった皮膚疾患です。
この皮膚疾患はHIV感染者によく見られるのですが、私の例のようにHIVに感染していなくても発症することが珍しくありません。
子供の頃に水痘(水ぼうそうのこと)にかかると、病原菌であるヘルペスウイルスは完全には消えず、大人になっても神経節と言う場所に残ったままになっています。
そして免疫力が低下したときにヘルペスウイルスが暴れ出して発症することがあるのです。
症状としては体の左半分か、右半分のどちらか片側に痛みを感じ、その後小さな水泡が現れます。赤い斑点のようになり帯状に分布します。
詳しくは私の体験記をご覧下さい。
先ほども書いたように、HIV感染者以外でも珍しくない皮膚疾患なので、帯状疱疹になったからと言ってHIV感染だと決めつける必要はありません。
しかし、一方では帯状疱疹はHIV感染による免疫低下で見られる皮膚疾患でもあります。
あなたが帯状疱疹を発症したら、HIV感染の心当たりがなくてもHIV検査を受けておく方が安全です。
むろん、心当たりがあれば絶対です。私の場合は当時そんな知識もなく、担当医もHIVには何も言及してくれませんでした。
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5.HIV感染初期に出る急性皮疹
これも私が自分自身のHIV感染を疑うきっかけとなった皮膚疾患です。
私は結局HIVには感染していなかったのですが、この急性皮疹に似た症状が出ました。
HIVに感染した直後にはウイルス血症によるインフルエンザに似た症状が出ることがあり、これを急性HIV感染症と言います。
急性皮疹もまたその症状の1つです。
直径が5mmから10mmくらいで、赤い膨れた丘疹が体中に出来ます。
蕁麻疹(じんましん)やアレルギー症と間違うことがあるかも知れませんが、今までにそうした経験がなく、初めて丘疹が出てきたらHIV感染も疑う必要があると思います。
この急性皮疹は放置しておいても1週間から2週間ほどで自然と治ります。
それだけにこの時点でHIV感染を見逃すと、次はいきなりエイズの可能性もあります。
決して軽く考えず、皮膚科で診てもらうだけではなくHIV検査まで受けて欲しいと思います。
私の場合は前述の帯状疱疹と同様、私に知識もなく、担当医もまたHIV検査を指示してくれなかったので、検査を受けずじまいでした。
もしも私がHIVに感染していたらと思うと、怖いものがあります。・
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6.伝染性軟属腫(水いぼ)
ポックスウイルスによる感染症です。普通は子供の頃に発症し、大人がかかることは稀です。
HIV感染者については免疫不全による日和見感染症として発症します。
HIV感染者の場合、CD4が200/μL以下になると体のあちこちにポツリ、ポツリと出はじめ、100/μLを切ると顔や陰部に多発することがあります。
2mm程度の肌と同じ色か、白っぽい丘疹(ふくれのある発疹)で、丘疹の中央に小さな凹みがあります。
ART登場前は非常に治療が難しい皮膚疾患でしたが、現在ではARTによってCD4が回復すると伝染性軟属腫も治るようになりました。
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7.尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは梅毒と同様で、HIV感染症と重複感染の多い性感染症です。
尖圭コンジローマの感染者はHIV感染のリスクも高く、同時に検査するなど注意が必要です。
尖圭コンジローマの病原菌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の6型、11型とされています。
症状としては、性器や肛門の周囲に先のとがった小さなイボが出来ます。
特にHIVとの重複感染においては、肛門周辺への発症が多いとする報告もあります。
尖圭コンジローマの治療には、外科的に切除したり、レーザーで除去、電気的に焼く、外用薬の使用などが行われます。
いったん治療で治っても再発することが多く、HIV感染者の場合は治療がより困難であり再発率も高いのが現状です。
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8.白癬(はくせん)
HIV感染者が発症する真菌症としては、口腔内カンジダと白癬が多く見られます。
真菌とはカビの仲間の総称です。白癬菌と言う真菌が感染することによって発症します。
特にHIV感染者の場合には、足の爪に白濁が見られる爪白癬が多いそうです。
白癬の治療には坑真菌薬が使われます。坑真菌薬には塗り薬と飲み薬があり、症状によって使い分けます。
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9.口腔内カンジダ症
口腔内カンジダ症の病原菌であるカンジダアルビカンスは真菌の一種で、健康な人でも約26%は常在していると言われています。(「Visual Dermatology」より)
健康な状態では免疫力によって真菌が抑え込まれているのですが、HIV感染などで免疫力が低下してくると発症します。
口腔カンジダの症状は、口の中のほおの粘膜部や舌が白い苔(こけ)状の物に覆われたようになります。咽頭や食道にも発症することがあります。
カンジダ症でエイズ指標疾患に指定されているのは食道、気管、気管支、肺などで、口腔カンジダは含まれていません。
口腔カンジダ症の治療には、ミコナゾールゲル、アムホテリシンB、イトラコナゾール内服液の口腔内塗布やうがいで治します。
症状が改善されない場合には、フルコナゾールの短期内服を行うこともあります。
何やら難しい聞いたこともない薬品名ばかりですが、興味のある方はネット検索して更に詳しく調べてみて下さい。・
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10.まとめ
HIV感染に伴う皮膚疾患としては、ここまでにご紹介した疾患の他にもアトピー様皮疹、薬疹、好酸球性膿疱性毛包炎、そう痒性丘疹など、多種多様にあります。
このようにHIV感染と皮膚疾患は非常につながりが強く、HIV感染者の90%以上に何らかの皮膚疾患が見られます。
私やあなたにとって大事なことは、帯状疱疹やこれまでに経験したことのない発疹、水イボ、潰瘍などが現れたとき、単に皮膚疾患だけを治療するのではなく、HIV感染の疑いにも注意することです。
「Visual Dermatology」(秀潤社)の中でも強く指摘されていますが、皮膚科の医師がHIV感染の可能性を見逃して早期発見のチャンスを逃す事があるのです。
何度も書いていますが、私も帯状疱疹、全身発疹を経験しましたが、HIV感染の可能性は全く医師から聞きませんでした。
私を診察した医師には、頭の片隅にもHIV感染はなかったのです。もしも私がHIVに感染していたら、早期発見のチャンスを逃していました。
どうぞ、あなたはあなたご自身で自分の身を守るため、皮膚に今までにない異常があればHIV検査を受けて下さい。
くれぐれも「いきなりエイズ」を発症しないよう、ご注意下さい。
私が最もあなたにお伝えしたかったのはこの1点に尽きます。
最後に、私が自分のHIV感染を疑ったときに使用した検査キットをご紹介します。
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