HIV感染がどこで見つかっているのか、データをご紹介しましょう。

・・1.HIV感染者の見つかった場所 2007年

下の表を見てください。2007年に新規で報告されたHIV感染者1,500件の内訳です。

場所 件数
保健所(自主的) 508
病院(自主的) 73
医療機関 878
その他 41
合計 1,500

表の見方を補足します。まず、2007年に見つかった新規HIV感染者ですが、合計1,500件でした。このうち1,082件が新規HIV感染者で418件が新規エイズ患者でした。(エイズ動向委員会調査)

このサイトではいくつかのページで説明していますが、新規HIV感染者と新規エイズ患者は重複しないようカウントされています。例えば、2005年に新規HIV感染者で報告された人が、2007年にエイズ患者と診断されても、それは新規エイズ患者として報告されません。新規HIV感染者からの病変報告となります。

従って、その年の新規HIV感染者の合計は、新規HIV感染者と新規エイズ患者の合計になります。

さて、その1,500件の新規HIV感染がどこで見つかったかを厚生労働省が分類調査しています。その結果が上記の表です。出典は「HIV感染者の早期発見と社会復帰のポイント」(医薬ジャーナル社)

出典の同書には、分類の説明として下記のように書かれてあります。

◇保健所(自主的):これは一般に行われている保健所の無料・匿名の抗体検査です。保健所以外の場所で行われた無料・匿名検査も含みます。

◇病院(自主的):保健所に行かずに病院で自主的にHIV検査を受けたものです。医師から指示されたものではありません。

◇医療機関:病院に入院や治療の際に、医師から指示されて、あるいは勧められてHIV検査を受けたものです。自主的に受けた検査ではありません。

◇その他:郵送検査キット、献血など。具体的に件数までは書かれてありませんが、確かに献血と書かれてありました。

・・2.やっぱり献血ではHIV感染を教えている?

問題はその他の献血です。HIV感染が見つかった場所として献血が上げられていました。ここであなたはこう思うかも知れませんね。

「やっぱり、献血ではHIV感染を教えてくれるんだ!」

献血をHIV検査代わりに使われるのを防ぐため、表向き、建前としては「教えない」ことになっているけど、実際には本人の生死にかかわる問題だし、二次感染が広まる危険もあるし、教えているのでしょうか。

同書を編集されたのは国立国際医療センター戸山病院のエイズ治療・研究開発センター長である岡慎一氏です。日本のエイズ医療では有名な方であり、記述の信憑性は高いと思います。

・・3.やっぱり献血ではHIV感染を教えない?

しかし、同書の中では見つかった場所の分類を示しているだけで、本人に告知したのかどうか、肝心のそこが何も書かれていません。もしかしたら、本人へ告知はしなかったのかも知れません。

また、こんなデータもあります。エイズ動向委員会からの報告では、同じく2007年に献血を受けた人の中からHIV陽性が見つかった件数は102件とされています。もう一度書きますが、102件です。

もう一度先ほどのHIV感染が見つかった場所の分類表を見てください。その他の合計は41件です。献血で見つかったHIV陽性を全部入れると計算が合いません。

どうも2つのデータを照合すると、つじつまが合いません。すなわち、エイズ動向委員会から毎年報告されるHIV感染者の中で、献血でのHIV陽性者がどう扱われているのか、そこが不明です。

例年、その点についてはエイズ動向委員会から全くコメントがありません。陽性となった血液は廃棄され、製剤としては使用しない、とだけ書かれています。献血者本人への対応は不明です。

結局、こうしたデータを見る限り、献血でHIV陽性となった場合に「本人に告知している」とは断言出来ないと思います。断言出来ない以上、本サイトでは「献血ではHIV感染は教えない」と言うスタンスで情報発信を行い、あなたがHIV感染の不安があるなら保健所で検査を受けるか、あるいは検査キットを使うことをお勧めしたいと思います。

万一、あなたが「HIV検査代わりに献血を・・・」なんてほんの少しでも考えたら、どうかこの記事を読んでください。きっと考えが変わると思います。献血などを代用している場合ではないことに気付かれることでしょう。

・・HIV検査が救命的検査である理由はこちらから⇒「HIV検査があなたの命を救います」