HIV感染予防薬として「ツルバダ」という薬が認可されそうです。

現在HIV感染に対して感染後の体内HIV増殖を抑える薬は何種類も開発されています。これらは治療用として患者に投与されています。今回のニュースは治療用ではなく、HIVに感染する前に予防目的で使える薬が承認されそうだという内容です。ニュースソースはこちらから⇒『初のHIV感染予防薬、認可を勧告 米FDA諮問委

まず、ツルバダがどんな薬かを説明しましょう。開発したのはアメリカの製薬会社ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences)社です。同社が開発した「ツルバダ(Truvada)」は、核酸系逆転写酵素阻害薬であるエムトリシタビン(エムトリバ)と、フマル酸テノホビルジソプロキシル(ビリアード)の2つを合わせた薬だそうです。

何だか長ったらしい名前ですが、要するにHIVが感染した細胞内で自分のコピーを作る工程をじゃまして、HIVのコピーを作らせない作用がある薬です。このツルバダはアメリカで2004年に抗HIV治療薬として承認され、現在では広く使用されています。

日本国内においても日本たばこが輸入し、鳥居薬品が販売しています。薬価は1錠3,862円。1日1回1錠の服用だそうです。

さて、元々はHIV感染後の治療薬だったツルバダですが、ギリアド・サイエンシズ社は2010年に予防薬としての臨床実験を行いました。その臨床試験のデータによれば、男性同性愛者を2つのグループに分けて一方にはツルバダを、もう一方には偽薬を投与したところ、ツルバダを投与されたグループのHIV感染率は43.8%も低かったそうです。またボツワナで行われた調査では、感染の危険が高いと思われる健康な男女で感染率が63%低下したそうです。

こうした臨床データを受けて、アメリカ食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は10日、エイズ感染予防薬「ツルバダ」の認可をFDAに勧告することを決めたのです。FDAは諮問委員会の勧告に従う義務はありませんが、多くのケースでは勧告に従って認可を行っているそうです。

ちなみにFDAとは、「 Food and Drug Administration」の略で、食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の政府機関です。(wikipediaより)

さて、このHIV予防薬ツルバダの承認に対して賛否両論が報じられています。そのいくつかをご紹介しましょう。

●ツルバダの承認に反対の意見

予防薬として承認すればコンドームなどの他の予防手段が使われなくなる可能性がある。その場合、ツルバダで100%HIV感染を予防できるわけではない。(ツルバダはワクチンではない)

長期間使用した場合の副作用が十分確認されていない。また服用する方法も固まっていない。

●ツルバダの承認に賛成の意見

現在でもHIVに感染した場合、放置すれば死に至る病気であることにはかわりなく、予防手段があるなら選択可能にすべきだ。実際にツルバダの臨床データで予防効果が確認されている。「(ワクチンじゃなくて)HIV「感染予防薬」としてのツルバダ」参照

さて、FDAの最終結論は6月中には出される見込みだそうです。仮にアメリカで承認されても日本国内ではハードルが高いのではないでしょうか。他の新薬でも国内承認にはかなり長い時間がかかっています。

しかし、このツルバダはどうして予防効果があるのでしょう。元々は抗HIV治療薬としてHIVの増殖を抑える薬です。感染した後に役立つ薬なのです。この説明はニュースを見ても記事にありません。

素人の私がかってに想像してみると、HIVの感染初期から増殖を抑える効果が働き、HIVの量が少ないうちに撃退してしまう、ということでしょうか。これだと一般的なワクチンに近い効果ですね。

ただ、このツルバダは非常に高い薬で、1ヶ月の薬代は1,200ドル(約9万6千円)もします。

以上、アメリカでHIV感染予防薬としてツルバダが承認されそうです、という話題でした。

*「生存率」・「いきなりエイズ」・「潜伏期間」

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