以下の記事は、2008年のエイズ動向情報です。2009年版、及び最新の2010年版についてはこちらからどうぞ。

「2010年 エイズ動向情報」:2011年2月7日にエイズ動向委員会から発表になった2010年のデータです。
「2009年 エイズ動向情報」:2010年8月24日にエイズ動向委員会から発表になった2009年のデータです。

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このページでは、現状のHIV感染者、エイズ患者についての情報をお話します。

【2010年 第2四半期 HIV・エイズ速報】

8月13日にエイズ動向委員会より、2010年第2四半期(4月~6月)のHIV感染者、エイズ患者の速報が報告になりました。ここでは、主な指標だけをご紹介致します。詳しくご覧になりたい方は、こちらからどうぞ⇒「HIV・エイズ上半期現状報告」

上の表が、2010年上半期の実績です。黄色の枠にご注目下さい。第2四半期の新規エイズ患者報告件数は、四半期ベースでは過去最多となっています。

この原因などについても、詳細はこちらからどうぞ。⇒⇒「HIV・エイズ上半期現状報告」

【2009年 HIV・エイズ速報】

下記速報に続き、5/27付けでエイズ動向委員会、委員長コメントが公表されました。コラムに取り上げましたので、どうぞそちらもご覧下さい。⇒「2009年エイズ発生動向の概要について」

なお、2009年の詳細データは7月末に発表になるようです。それまでは、速報を掲載します。

2月12日、厚生労働省エイズ動向委員会から2009年のHIV感染者、エイズ患者について情報が公表されました。それによると、2009年に新たに見つかったHIV感染者は1008人、エイズ患者は420人とのことで、この合計人数1,428人は2008年の確定人数1,545人に比べ8%減少となっています。2003年以来、毎年過去最高を更新していた合計人数でしたが、7年ぶりに減少となりました。

ただし、減少を手放しでは喜べません。何故なら、抗体検査そのものの件数が、減っているのです。2008年に全国の自治体で行ったHIV検査の件数は177,156件でした。それが昨年、2009年には150,252件と15%も減っているのです。

詳しくはこちらです。⇒「保健所のHIV検査件数が減少?」

HIV感染は抗体検査を受けなければ分かりません。その抗体検査の件数が前年比で15%も減っているのは大問題です。危機的状況ではないでしょうか。本来、検査で見つかるはずのHIV感染者が見つからないままに二次感染が広がる心配があります。 また、早期発見、早期治療の機会も失くしてしまいます。エイズに対する関心をもっと高め、HIV(エイズ)検査の実施を増やすことが必要だと思います。

【2008年 HIV・エイズ報告】

厚生労働省エイズ動向委員会から2008年を含む過去10年のHIV感染者・エイズ患者の報告書が出されています。
まずはその資料によるHIV感染者数、エイズ患者数の推移をのグラフで見て頂きましょう。

◇1999年(平成11年)-2008年(平成20年) その年1年間に新しくHIVに感染した人数

◇1999年(平成11年)-2008年(平成20年) その年1年間に新しく発症したエイズ患者数

(この2つのグラフはエイズ動向委員会のデータを元にサイト管理人が作成したものです)

この2つのグラフから、HIV感染者数もエイズ患者数も年々増加していることが分かります。
特に2004年(平成16年)からはHIV感染者が急増しており、累積感染者数は増える一方です。

2008年(平成20年)までの累積では、
HIV感染者  10,552人
(これとは別に凝固因子製剤よるHIV感染者が1,439人)

エイズ患者   4,899人

となっています。
(厚生労働省エイズ動向委員会「エイズ発生動向報告」による)

そして、この数は年々増え続けています。

同じ報告書によると、2008年(平成20年)の1年だけで、新たにHIVに感染した人は1,126人、エイズを発症したした人は431人と報告されています。

単純計算すると、ほぼ毎日3人が新たにHIVに感染していることになります。(薬害を除く)
先進国の中では、日本だけがHIV感染者数が増え続けているそうです。

それでは、報告書の内容に沿って、2008年(平成20年)のエイズ動向を見ていきましょう。

◆HIV感染者数
先ほども書いたように、2008年(平成20年)だけで1,126人の感染者が出ており、過去最高の報告となっています。

この1,126人のうち999人が日本人男性です。この数は感染者の87%にあたります。
日本人女性、及び外国人男女の感染者数は減少か横ばいなのに、日本人男性だけが増加傾向となっています。

また、2004年(平成16年)から2008年(平成20年)までの5年間だけを取って累計感染者を見ると4,772人となっています。
2008年の感染者数は1,126人ですから、この1年だけで5年間の累計数の45.2%も占めています。
つまり、近年感染者が急増している傾向にあることが分かります。

◆エイズ患者数
こちらも2004年(平成16年)から2008年(平成20年)までの5年間の累計患者数2007人に対して、41%を占めており、感染者数同様にエイズ患者も急増傾向にあることが分かります。
また、エイズ患者における日本人男性の割合は83.3%になっており、感染者数と相関関係にあります。

また、HIV感染者が自分の感染に気付かず、エイズを発症することを「いきなりエイズ」と言いますが、その発生率は約30%です。つまり、HIVに感染した人は、10人に3人が「いきなりエイズ」となっています。

関連記事;「いきなりエイズ」・・「いきなりエイズが多いのは?」・・「東京都エイズ通信最新号から」

「エイズ治療について」でもご紹介しましたが、今やエイズは早期発見、早期治療が出来れば治療しながら普通の生活が可能になっています。感染するような行為に心当たりがあって、かつ不安を覚えるようならHIV検査をお勧めします。次の記事を参考にして下さい。

関連記事:◇保健所でHIV検査を受けました ・  ◇HIV検査キットを使ってみました ・ ◇HIV検査キットの選び方

◆感染経路
◇HIV感染者
異性間の性的接触によるHIV感染  220人(19.5%)
このうち、日本人男性が161人、日本人女性は28人

同性間の性的接触によるHIV感染  779人(69.2%)
このうち、日本人男性同性間の性的接触による感染 743人

以上のデータから、次の3つのことが分かります。

①2008年(平成20年)のHIV感染者の80%は日本人男性である。
②同じく88.7%は性的接触による感染である。
③同じく66%が日本人男性の同性間性的接触による感染である。

◇エイズ患者
異性間の性的接触による感染  147人(34.1%)
同性間の性的接触による感染  189人(43.9%)

2つを合計すると、性的接触による感染は336人(78.0%)となります。
なお、この報告書の中で、エイズ患者の年齢層は、30代、40代が中心となっています。

しかし患者数の増加傾向については同年代は横ばい傾向です。
むしろ、15歳~24歳、及び50歳以上の年齢層に増加傾向が見られると報告されています。

◆HIV感染地域
◇HIV感染者
全体の87.3%が日本国内での感染です。海外で感染してくる人よりも圧倒的に国内感染が多いわけです。
日本人に限って調べれば、91.4%のHIV感染者が国内感染です。

◇エイズ患者
全体の69.1%が日本国内での感染です。日本人だけでは75.9%が国内感染です。

外国籍のHIV感染者も、年々日本国内での感染が増える傾向にあると報告されています。

◇関連記事:「都道府県別エイズ患者」・・・「香川県のいきなりエイズ」・・・「保健所の検査件数が減少?」

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依然として日本では毎日4人以上の新規HIV感染者が増え続けています。それも報告に上がったデータのみであり、実際にはもっと感染者は多いはずです。

どうぞあなたはHIVに感染しないよう、感染予防にご注意ください。そして、少しでも感染不安があったり、思い当たる過去があるなら、一度はHIV検査を受けておくことをお勧め致します。

あなたにとって早期のHIV検査がどれほど大事か、ぜひ次の記事をご覧ください。HIV検査を遅らせることであなたにプラスになるこは何ひとつありません。いかに危険ばかりが大きくなっていくか、お分かり頂けるはずです。

○「生存率」・「いきなりエイズ」・「潜伏期間」、この3つをご存知ですか?

あなたがHIV検査を先延ばしに出来ない3つの理由とは?



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