2014年第4四半期(10月~12月)のエイズ動向が、エイズ動向委員会より発表されました。(2015年 2月24日付け)

厚生労働省エイズ動向委員会は2月24日付で2014年の第4四半期(10月~12月)のエイズ動向を発表しました。すでに発表済みの第1四半期から第3四半期までのデータと合計すれば2014年通期の速報値となります。

さっそく当サイトでは2014年第4四半期のデータと2014年通期データを集計し、あなたにお届け致します。ただし、今回のデータは速報値であり、確定版としては今年の8月くらいにエイズ動向委員会より発表されるものと思われます。

あくまで参考値としてあなたのHIV感染予防、HIV検査にお役立て下さい。

情報元はこちらです。⇒『エイズ動向委員会報告』

 

それでは2014年第4四半期、及び2014年通期速報値として以下のデータをご紹介します。かなり長文の記事になりますので、お急ぎのあなたは読みたい項目をクリックすると途中を飛ばすことが出来ます。

【 目次 】

1.2014年第4四半期HIV・エイズ動向

2.2014年通期データ

・2-1)感染ルート別データ

・2-2)年代別データ

・2-3)いきなりエイズ

・2-4)保健所検査/相談数

・2-5)献血件数・HIV陽性件数

・2-6)全国都道府県別データ(別ページにリンク)

3.まとめ

◇1.2014年第4四半期(10月~12月)データ

2014年第4四半期(10月~12月)エイズ動向に関するエイズ動向委員会からの発表データをご紹介します。

●主要データ

項目 10-12月 7月-9月 昨年同時期
新規HIV感染者数(人) 265 291 295
新規エイズ患者数(人) 117 119 108
合計数(人) 382 410 403
いきなりエイズの割合(%) 30.6 29.0 26.8

表1.2014年第4四半期新規HIV感染者とエイズ患者

2014第4四半期(10月~12月)のデータを見ると、前期に比べて新規HIV感染者、新規エイズ患者、共に減っています。また昨年同時期に比べても減少しています。

●新規HIV感染者の主要感染ルート

2014年第4四半期(10月~12月)の新規HIV感染者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 件数 比率 (%)
異性間性的接触 42 15.8
同性間性的接触 185 69.8
静注薬物使用 0 0.0
母子感染 1 0.4
その他 7 2.6
不明 30 11.3
合計 265 100.0

表2.2014年第4四半期 新規HIV感染者の感染ルート

同性間の性的接触が全体の約7割を占めています。今回女性はゼロであり、全て男性です。また、母子感染が1件報告されています。どのような事情で発生したのか不明ですが、事前に母親のHIV感染が分かっていれば感染は予防できるケースが多いだけに、気になるところです。

また、性的接触によるHIV感染が全体の85.6%を占めており、日本における最大感染ルートが断トツに性行為であることが分かります。それなのに、未だに輸血・注射器・母子感染・性行為、こんな順番で感染ルートを説明しているサイトや資料をみかけます。1990年ごろならともかく、現代においてはとにかく性行為からの感染予防が何より大事です。

つまり、特別な人ではなく、あなたもいつHIVに感染するか分からないのです。決して他人事ではありません。


●新規エイズ患者の主要感染ルート

2014年第4四半期(10月~12月)の新規エイズ患者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 件数 比率 (%)
異性間性的接触 29 24.8
同性間性的接触 63 53.8
静注薬物使用 1 0.9
母子感染 0 0.0
その他 4 3.4
不明 20 17.1
合計 117
100.0

表3.2014年第4四半期 新規エイズ患者の感染ルート

新規エイズ患者の感染ルートもまた性行為による感染が全体の約8割を占めています。そして男性間の性的接触が最大感染ルートになっています。男性間の性的接触でHIV感染が多いのは、コンドームを使わないことが多い、アナルセックスで出血や傷が出来やすい、などの理由が指摘されています。

●新規HIV感染者の年代別分布

2014年第4四半期 新規HIV感染者の年代別分布は以下の通りです。

年齢区分 件数 比率 (%)
10歳未満 1 0.4
10歳~19歳 4 1.5
20歳~29歳 75 28.3
30歳~39歳 92 34.7
40歳~49歳 59 22.3
50歳~59歳 19 7.2
60歳~69歳 13 4.9
70歳以上 2 0.8
不明 0 0.0
合計 265 100.0

表4.2014年第4四半期 新規HIV感染者の年代別分布

新規HIV感染者は20代から40代にかけてが多いのですが、50歳以上にも全体の12.8%が存在しています。HIV感染に年齢は関係ないことが分かります。

●新規エイズ患者の年代別分布

2014年第4四半期 新規エイズ患者の年代別分布は以下の通りです。

年齢区分 件数 比率 (%)
10歳未満 0 0.0
10歳~19歳 0 0.0
20歳~29歳 11 9.4
30歳~39歳 27 23.1
40歳~49歳 44 37.6
50歳~59歳 21 17.9
60歳~69歳 13 11.1
70歳以上 1 1.9
不明 0 0.0
合計 117 100.0

表5.2014年第4四半期 新規エイズ患者の年代別分布

新規HIV感染者における50歳以上の割合は12.8%でしたが、上の表の通り、新規エイズ患者における50歳以上の割合は29.9%、ほぼ3割です。エイズの潜伏期間が長いので発症が高齢化するのは当然かも知れませんが、一方では高齢者ほどHIV検査を受けないという側面も指摘されています。

HIV感染症はエイズ発症前に分かればエイズを防ぐことも出来ます。50歳以上の世代でもっとHIV検査が広まることを期待したいですね。

以上が2014年第4四半期(10月~12月)のエイズ動向に関する主要データのご紹介でした。

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◇2.2014年エイズ動向速報値

では、ここからは2014年エイズ動向の速報値をお届けしたいと思います。2015年2月24日付厚生労働省エイズ動向委員会の発表データをグラフ化したものです。なお、冒頭でもお断りした通り、今回のデータは速報値です。2014年の正式版は例年通りだと2015年の8月ごろに発表となります。

まずは主な数値からご紹介します。

項目 2014年 2013年
新規HIV感染者数(人) 1,075 1,106
新規エイズ患者数(人) 445 484
合計数(人) 1,520 1,590
いきなりエイズ報告率(%) 29.2 30.4

表6.2014年 新規HIV感染者とエイズ患者

●新規HIV感染者と新規エイズ患者の推移

2014年エイズ動向
グラフ1.新規HIV感染者と新規エイズ患者の推移

グラフ1をご覧頂いてお分かりの通り、2014年の新規のHIV感染者もエイズ患者も前年よりは減少しています。

・新規HIV感染者 1,075人(過去4位)

・新規エイズ患者  445人(過去5位)

では、以下にもっと詳しいデータをご覧頂きましょう。

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2-1)感染ルート

2014年に報告された、新規HIV感染者と新規エイズ患者の感染ルートは以下の通りです。

感染ルート 新規HIV 新規エイズ
異性間性的接触 179 115
同性間性的接触 778 255
静注薬物使用
母子感染
その他 12
不明 101 65
合計 1,075 445

表7.2014年 新規HIV感染者・新規エイズ患者の感染ルート

●新規HIV感染者

・性的接触による感染 全体の89%

・性的接触における男性同士の割合 81%

通期HIV感染ルート
グラフ2.新規HIV感染者の感染ルート

●新規エイズ患者

・性的接触による感染 全体の83%

・性的接触における男性同士の割合 69%

通期エイズ感染ルート
グラフ3.新規エイズ患者感染ルート

このように、HIV感染は圧倒的に性的接触による感染が多くなっています。特に男性同士の性的接触が最大感染ルートです。

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2-2)年代別分布

次に新規HIV感染者、新規エイズ患者の年代別分布を見てみましょう。

年代 新規HIV 新規エイズ
10歳未満
10-19 14
20-29 343 48
30-39 345 130
40-49 239 147
50-59 77 72
60-69 49 34
70歳以上 10
合計 1,075 445

表8.2014年 新規HIV感染者・新規エイズ患者の年代別分布

●新規HIV感染者

通期HIV年齢
グラフ4.新規HIV感染者年齢分布

グラフ4からお分かりのように、新規HIV感染者は20代から40代に多く分布しています。しかし、50歳以上にも全体の12.4%が分布しています。HIV感染に年齢は関係ないことが分かります。

●新規エイズ患者

通期エイズ年齢
グラフ5.新規エイズ患者年齢分布

グラフ5を見てすぐにお分かりの通り、新規エイズ患者は高齢者にも多くいます。50歳以上に全体の26.1%分布しています。これらの新規エイズ患者はエイズ発症前にHIV感染が分かっていれば、抗HIV治療によってエイズを防げた可能性が高いのです。

それだけに50歳以上の中高年にもHIV検査が必要であることがこのグラフ5からよく分かります。まさに早期のHIV検査は救命的検査となります。

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2-3)いきなりエイズ

いきなりエイズとは、自分のHIV感染に気付かず、エイズを発症してから初めて気付くことを言います。文字通り、HIV感染を知らずいきなりエイズを発症するケースを指します。

医学の進歩によってエイズで命を落とす患者は激減しましたが、それでもエイズ発症後の治療と、エイズ発症前の治療では生存率に差があるし、後遺症が残ることもあります。早期のHIV検査が救命的検査となります。

では、2014年に報告されたHIV感染者のうち、いきなりエイズの占める割合はどのくらいでしょうか。計算式は以下です。

●いきなりエイズ=(新規エイズ患者件数)/(新規エイズ患者件数+新規エイズ患者件数)

通期いきなりエイズ
グラフ6.いきなりエイズの割合推移

グラフ6をご覧頂いてお分かりのように、ここ10年ほどはほぼ30%前後で推移しています。いっこうに減少する様子がありません。これはHIV検査を受ける人が増えていないせいではないでしょうか。

確かに今の医学ではエイズを発症してから治療しても命を落とすことは少なくなりました。しかし、それでもエイズ発症前に治療を開始する場合に比べて生存率は下がりますし、後遺症が残る場合もあります。

何度も繰り返しますが、早期のHIV検査は救命的検査であり、いきなりエイズを防ぐ唯一の手段です。

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2-4)保健所検査/相談数

次に2014年における保健所や自治体のHIV抗体検査件数、及び保健所への相談件数を紹介します。

●HIV抗体検査件数 145,048件

●相談件数 150,993件

それでは保健所でのHIV抗体検査件数と相談件数の推移を見て頂きましょう。

通期保健所HIV検査
グラフ7.保健所におけるHIV抗体検査件数と相談件数の推移

図7の赤い折れ線グラフがHIVの相談件数であり、青色の棒グラフがHIV検査の件数です。どちらも平成20年(2008年)をピークに減少したまま横ばい状態だったのですが、ここ2年は徐々に増加回復傾向にあるようです。それにしてもピーク時に比べれば8割ほどしかありません。

全国の保健所ではHIV検査を無料・匿名で行っています。即日検査なら1時間以内で検査結果を知ることが出来ます。また、HIVの他にも梅毒やクラミジアなども無料・匿名で同時検査が可能です。ぜひ、あなたの最寄の保健所をご利用下さい。

早期のHIV検査はあなたにとって救命的検査となるかも知れません。

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2-5)献血件数・HIV陽性件数

では最後に、2014年の献血件数、及び献血で見つかったHIV陽性件数をご紹介します。

●献血件数 4,999,090 件

●HIV陽性件数 62 件

2013年の暮れに発生した献血でのHIV感染は記憶に新しいところです。決してあなたは献血をHIV検査代わりにしないで下さい。保健所に行けば無料・匿名でHIV検査を受けることが出来ます。

では平成12年(2000年)から平成26年(2014年)までの献血件数と献血で見つかったHIV陽性件数の推移をご覧ください。

通期献血
グラフ8.献血件数とHIV陽性件数の推移

グラフ8からもお分かりのように献血件数は長いスパンで見ると減少しているようですね。HIV陽性件数も減っています。これをどう解釈すればいいのでしょうか?

献血件数が減ったとは言え、年間に500万件です。これだけの件数、全数HIV検査を行っています。これは潜在的なHIV感染者の動向を表してるといえるのではないでしょうか。

だとすれば日本国内においてHIV感染者は横ばい状態であり、増加傾向にはないと言えます。

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◇3.まとめ

最後に厚生労働省エイズ動向委員会が発表した、2014年通期のエイズ動向データをまとめておきます。

●新規HIV感染者、新規エイズ患者ともに横ばい状態であった。

●新規HIV感染者として報告された3割はすでにエイズを発症していた。保健所でのHIV検査を更に利用してもらいたい。

●HIVの感染ルートとしては性的接触による感染が全体の8割を占めている。性行為におけるHIV感染予防を適切に行ってもらいたい。

数年前まで、「日本におけるHIV感染者は見つかっている件数の最低でも3倍から5倍はいるはずだ。」という声がよく聞かれました。しかし、それを最近聞くことはありません。

今回の2014年の速報値を見ても新規HIV感染者は横ばい状態であり、潜在的感染者の指標のひとつである献血における陽性件数も横ばいか減少傾向にあります。

仮にこうした数値がアテに出来なかったとしても新規エイズ患者の件数を見れば、潜在的HIV感染者が報告件数の3倍、5倍もいるとは思えません。なぜなら、HIV感染症は潜在化しますがエイズは潜在化しないからです。必ず全数報告として表に件数が出てきます。その新規エイズ患者の件数がほぼ横ばい状態なのです。

ただし、だからといってもうHIV感染症が脅威ではない、と言うことではありません。未だに完治させることは出来ず、今日も日本のどこかで4人の新規HIV感染者が報告されています。その4人の中にあなたが決して入らないよう、ご用心下さい。

そして少しでも不安があれば即刻HIV検査を受けることをお勧め致します。もう書き尽くした感がありますが、早期のHIV検査は救命的検査であることを忘れないで下さい。

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■HIVと最も重複感染が多い梅毒、B型肝炎。症状がより重症化することがあります。
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HIV・梅毒・B型肝炎が同時に検査できます。

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