2010年11月23日に国連合同エイズ計画(UNAIDS)から発表になったデータを元に、世界のHIV感染者動向をご紹介します。

まず、2009年現在、世界中にどのくらいのHIV感染者がいるか、下の世界地図をご覧ください。世界中には3,330万人のHIV感染者がいます。そして、その2/3はサハラ以南のアフリカに集中しています。(地図は管理人作)


この2009年のデータを、各地域別に2001年と比較してみましょう。比較項目は、HIV感染者数(成人・子供)、新規HIV感染者数(成人・子供)、成人HIV陽性率(%)、死亡者数(成人・子供)、以上の4項目です。

各項目とも、2001年に比べて2009年の方が数字が悪くなっているものは赤字で示してあります。

1.HIV感染者(成人・子供)

HIV感染者(成人・子供)
地域 2009年 2001年
サハラ以南アフリカ 2,250万人 2,030万人
中東・北アフリカ 46万人 18万人
南アジア・東南アジア 410万人 380万人
東アジア 77万人 35万人
オセアニア 5.7万人 2.9万人
ラテンアメリカ 140万人 110万人
カリブ海沿岸 24万人 24万人
東欧・中欧アジア 140万人 76万人
西欧・中欧 82万人 63万人
北アメリカ 150万人 120万人

世界中のHIV感染者の2/3がサハラ以南アフリカに集中しています。また、東アジアでのHIV感染者が急増していることが分かります。

2.新規HIV感染者(成人・子供)

新規HIV感染者(成人・子供)
地域 2009年 2001年
サハラ以南アフリカ 180万人 220万人
中東・北アフリカ 7.5万人 3.6万人
南アジア・東南アジア 27万人 38万人
東アジア 8.2万人 6.4万人
オセアニア 0.45万人 0.47万人
ラテンアメリカ 9.2万人 9.9万人
カリブ海沿岸 1.7万人 2万人
東欧・中欧アジア 13万人 24万人
西欧・中欧 3.1万人 3.1万人
北アメリカ 7万人 6.6万人

新規HIV感染者の動向を見ても、東アジアが増えています。また、中東・北アフリカでも急増しています。しかし、その他の地域では新規のHIV感染者は減少しています。

3.成人HIV陽性率

成人HIV陽性率(%)
地域 2009年 2001年
サハラ以南アフリカ 5.0 5.9
中東・北アフリカ 0.2 0.1
南アジア・東南アジア 0.3 0.4
東アジア 0.1 0.1以下
オセアニア 0.3 0.2
ラテンアメリカ 0.5 0.5
カリブ海沿岸 1.0 1.1
東欧・中欧アジア 0.8 0.4
西欧・中欧 0.2 0.2
北アメリカ 0.5 0.4

サハラ以南アフリカの成人HIV陽性率は実に5%です。2001年に比べて減少したとは言え、深刻な状況が続いています。

4.エイズによる死亡者数(成人・子供)

エイズによる死亡者数(成人・子供)
地域 2009年 2001年
サハラ以南アフリカ 130万人 140万人
中東・北アフリカ 2.4万人 0.83万人
南アジア・東南アジア 26万人 23万人
東アジア 3.6万人 1.5万人
オセアニア 0.14万人 0.1万人以下
ラテンアメリカ 5.8万人 5.3万人
カリブ海沿岸 1.2万人 1.9万人
東欧・中欧アジア 7.6万人 1.8万人
西欧・中欧 0.85万人 0.73万人
北アメリカ 2.6万人 3万人

5.コメント

これらのデータと共に国連合同エイズ計画(UNAIDS)から出されたコメントのいくつかをご紹介しておきます。

◇2009 年だけで120 万人が、新たに治療を開始した。治療を受けている人の数は1 年で30%も増加した。

◇抗HIV治療へのアクセスにより、エイズによる陽性者の死亡は、2004 年から2009 年のあいだに19%減少した。

◇33 ヶ国で2001 年から2009 年のあいだに、HIV への新規感染が25%以上減少している。このうち22 ヶ国はサハラ以南のアフリカ諸国である。 エチオピア、ナイジェリア、南アフリカ、ザンビア、ジンバブエでは、流行は横ばい、あるいは減少する兆しが見られる。

◇東欧および中央アジアの5ヶ国を含む7ヶ国では、新規感染は2001 年から2009 年のあいだに25%以上増加している。

◇2009 年、周産期あるいは授乳期にHIV に感染した子どもは、2001 年の50 万人から37 万人に減少した。

◇HIV 陽性者の半数以上が女性と少女である。サハラ以南のアフリカ地域では女性の割合が高く、15−24 歳の女性は男性に比べてHIV 陽性率が8倍になっている。女性と少女のHIV 感染を防ぐということは、女性を暴力から守り、年上の男性からの経済的自立を促すことを意味する。

以上、2010年11月23日に国連合同エイズ計画(UNAIDS)から発表になったデータを元に、世界のエイズ動向をご紹介しました。

世界のHIV感染者、エイズ患者の動向から見れば日本国内のHIV感染者の絶対数は極めて少数です。しかし、毎回報告の度に指摘されるように、主な先進国の中では唯一、日本だけが依然としてHIV感染者が増え続けています。

国連合同エイズ計画とWHO(世界保健機関)はHIV感染流行の推移を次の3種類に分けています。

◇低流行期
HIV感染者が一般人口で1%未満、かつ高リスク層で5%未満

◇集中流行期
HIV感染者が一般人口の1%未満、かつ高リスク層の5%以上

◇広範流行期
HIV感染者が一般人口の1%以上、かつ高リスク層の5%以上

高リスク層とは、HIVに感染する可能性が高い人たちのグループで、同性間性行為、金銭を介する性行為、麻薬の注射を行う人達を指します。HIV感染は最初に高リスク層で広まり、次に異性間性行為によって更に広まります。

現在の日本は低流行期なのですが、同性間性行為による感染は増え続けています。このまま増え続ければいつか集中流行期に移行してしまうかも知れません。

どうぞ、あなたはHIVに感染しないよう、予防にご注意ください。また、すでにHIVに感染していないかHIV検査を受けてみることもお勧め致します。

あなたが、

「自分に限っては大丈夫・・」

なんて根拠のない気休めや自信に頼っていると、

「まさか自分が感染するなんて・・」

となる危険性もあります。

2010年の厚生労働省の調査結果では、HIV感染者の30.1%は自分がHIVに感染したことに気がつかず、「いきなりエイズ」を発症しているのです。

「いきなりエイズ」発症前にHIV感染が見つかればエイズ発症を防ぐことも出来ます。近年エイズ発症までの潜伏期間が短くなっており、より早期のHIV検査が重要になっています。HIV検査はあなたにとって救命的検査になるかも知れません。

最後に、私が自分のHIV感染を疑ったときに使用した検査キットをご紹介します。あなたが保健所に行く時間がなかったり、誰にも知られたくない、誰にも会わずにHIV検査を受けたいと思うならこれがお勧めです。

*保健所や病院に行かなくてもHIV検査は可能です

■自宅でHIV検査体験記