このページでは、HIV急性感染症の中から、帯状疱疹について詳しく書こうと思います。
もしも、「急性HIV感染症 その1」のページを読んでいないなら、まずはそちらを読んでから、このページを
見て頂ければと思います。
管理人注記:2013年 9月 16日
この記事を最初に書いたのは2011年です。当時私が調べた性感染症の本に、帯状疱疹はHIV感染の急性期に現れる皮膚疾患との記載がありました。しかし、その後の調査では帯状疱疹を急性HIV感染症に分類している専門書はありませんでした。
そもそも帯状疱疹は免疫力が低下したときに発症します。しかし、急性HIV感染症は免疫力が低下して発症するのではありません。HIV感染直後の高レベルのウイルス血症が原因とされています。つまり、大量のHIVが血液と共に全身にめぐることによって発症するのです。
従ってHIV感染に伴う帯状疱疹はHIV感染の急性期よりもその後の免疫力低下と共に発症するケースの方が多いようです。ここに追記致します。
◆帯状疱疹(たいじょうほうしん)
この病気には実際に私がかかったので、まずはその体験談からお話します。
最初に、この病気の症状について説明します。私の場合、最初は左上半身の痛みがありました。ヒリヒリと言うか、するどい、突き刺すような痛みです。てっきり筋肉痛だと思い、シップ薬を痛いところにペタペタ貼りました。でも、何日たっても一向に痛みがひかないのです。(帯状疱疹は多くの場合、痛みから始まります)
しかも、そのうちシップ薬を貼ったところが赤くかぶれてきました。シップかぶれだと思って、あわてて貼るのをやめました。でも、赤い発疹はどんどん広がっていきました。
最初の痛みから10日くらいすると、発疹は左の肩から首にかけてかなりひどい有様となってしまいました。(帯状疱疹は、左半身か、右半身か、どちらか半分に症状が出ます。)
さすがに、これは何か変だと皮膚科の病院に行きました。そこで医師に「これは帯状疱疹です。」と診断されたのです。恥ずかしながら、私はそれまで帯状疱疹なるものを知りませんでした。
でも、薬をもらって飲み始めてから1週間もすると痛みも発疹もほとんどなくなりました。よかった、よかったでお終いです。このとき、帯状疱疹がHIV急性感染症のひとつだなんて、思いもしません。皮膚科の先生も、HIVやエイズとの関連については一言もありませんでした。
さて、この帯状疱疹の原因についてお話しましょう。私もそうですが、多くの大人は子供の頃に水疱瘡(みずぼうそう)にかかります。1回かかると、体に免疫が出来て大人になって再発することはありません。
でも、この水疱瘡のウィルスは、体の中の神経細胞に隠れているのです。なくなってしまった訳ではありません。ただ、普段は免疫力が働いて、症状が出ることはありません。
それが、大人になって、体調不良やストレスなどで免疫力が低下すると、このウィルスが出てきて帯状疱疹となるわけです。つまり、「免疫力の低下」というのが問題で、HIVに感染すると出てくる可能性があるわけです。事実、HIV感染者で、帯状疱疹を発病した例は多くあるそうです。
こんな記事を、それなりに信頼できるサイトで読んだので、すっかり自分も感染してるのでは、そう思ったのです。
つまり、
「帯状疱疹は珍しい病気」+「急性HIV感染症に多い」+「感染の心当たり」=自分は感染
こんな方程式が頭に出来上がってしまっていたのです。そこで、私なりにもう少し帯状疱疹の発病状況を調べてみました。ちょっと古いのですが厚生労働省の、平成17年度傷病別患者数報告書と言うデータがあります。
これを見ると、平成17年の10月時点で、帯状疱疹の推定患者数は、5万人となっています。(10月までの累計ではありません。10月時点の患者数)
年間の患者数は分かりませんが、10月の時点で5万人と言うことは、年間で言えば間違いなく何十万人といるでしょう。一方、年度はちがうのですが、平成20年のHIV感染者数は、年間で1,126人です。この感染者のうち、何人が帯状疱疹を発病したのか分かりませんが、仮に5割の人が発病したとしても、563人です。
年間、何十万人と出る帯状疱疹患者の中の、わずか563人です。確率的には非常に小さなものです。だから、珍しい帯状疱疹にかかったからといって、HIV急性感染症ではないかと、決め付けるのは早計です。帯状疱疹患者の、圧倒的多数はHIV感染者ではないのですから。
むろんそうは言っても可能性はあります。HIV感染はエイズ発症まで何も自覚症状のない感染症ですから、帯状疱疹を機会にHIV検査を受けることは絶対に正解です。
その他の急性HIV感染症は、以下のようなもので、およそ症状は想像がつくと思います。
◆下痢
◆発熱
◆頭痛
◆のどの痛み
◆倦怠感
◆発疹
特に説明はつけませんが、どれも普通の風邪や、体調不良でも見られる症状です。これらの症状は放置しておいても1週間程度で自然と治ってしまいます。
発疹については、高熱を伴い1週間ほど続くことがあるそうです。この発疹だけは他の発熱や下痢とは違って、より危ないサインかも知れません。疑いだしたらキリがないのですが、先ほどの帯状疱疹と同じで、こういった症状をきっかけとしてHIV検査を受けるのは正解だと思います。
HIV感染は急性期を過ぎるとエイズ発症まで、何も症状が出ません。仮にあなたが感染していても気付く可能性は低くなります。そして、「いきなりエイズ」となってしまうかも知れません。
HIV検査を受けて、陰性であれば安心出来るし、万一陽性であればエイズ発症前に効果的な治療を受けることが可能になります。どちらにしてもあなたにはプラスです。
あなたがHIVに感染しているかどうか、それはHIV検査を受けてみるまで絶対に分かりません。HIV感染が心配なまま、放置するのは精神衛生上よくありません。早めに検査を受けることをお勧め致します。
最後に、私が自分のHIV感染を疑ったときに使用した検査キットをご紹介します。あなたが保健所に行く時間がなかったり、誰にも知られたくない、誰にも会わずにHIV検査を受けたいと思うならこれがお勧めです。
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