このページではHIVとその他の性感染症との関係をお話します。実はHIVとその他の性感染症はとても深い関係があるのです。

私が保健所にHIV(エイズ)検査を受けに行ったとき、HIVだけでなく、クラミジア感染症や梅毒の検査もいっしょに受けますか、と聞かれました。HIV(エイズ)検査同様、匿名、無料での検査が可能だったのです。

私はそのとき、お断りをしました。理由は2つです。

1つは、HIV検査とは違い、クラミジア感染症も梅毒も即日検査ではないため、再度保健所に足を運ぶ必要があったこと。これは私にとっては面倒で気の進まないことでした。

そして、もう1つの理由は、なぜHIV検査と同時に他の性感染症の検査をするのか、必要性を理解していなかったことです。これは、保健所でも説明がなかったので、もし必要性を教えてくれていたら、検査を受けていたかも知れないと思います。

実は、HIV感染と他の性感染症とは深い関係があります。それは、他の性感染症に感染しているとHIVにも非常に感染し易くなるという事実です。それに、2つ以上の性感染症に同時に感染するとお互いに影響し合って、病気の進行が速くなることがあるのです。

まず、あなたが何らかの性感染症に感染したと仮定しましょう。多くの場合、性器に炎症を起こします。中にはただれて潰瘍(かいよう)になる場合もあります。

あなたがそんな性器の状態で、HIV感染者と性行為を行うと、いったいどうなるでしょうか。次の2つの理由により、HIV感染のリスクが高まるのです。

◆HIVが侵入しやすくなる。

私たちの皮膚や粘膜は正常な状態では外部からウイルスや細菌が体内に入るのを防ぐバリヤーの働きをしています。しかし、傷や潰瘍が出来るとその部分はバリヤーが破れ、病原体が侵入し易くなります。

もしもあなたの性器に炎症、潰瘍が出来た状態で、HIV感染者と性行為を行ったとしたらどうでしょうか。感染者の体液(精液・膣液)に含まれるHIVは、あなたのごく小さな傷口や潰瘍からでも侵入してきます。

◆HIVが免疫細胞にとりつきやすくなる。

このサイトでも説明したように、あなたの体内に侵入したHIVが取り付くのは免疫細胞です。リンパ球の中にあるヘルパーT細胞と言う免疫細胞に取り付き、増殖を繰り返していきます。

一方、あなたの性器に炎症や傷や潰瘍などが起きていると、その部分にはリンパ球が集まってきます。身体に異常があると、免疫力が働いてそれを治そうとするのです。これはHIVにしてみれば何と好都合でしょうか。

炎症や潰瘍でバリヤーが破れて侵入が出来ただけでなく、その突破口にHIVが取り付く目標物が集まってくれているのですから。

このように性器に炎症や潰瘍があると、HIVは感染しやすくなるのです。どのくらい感染しやすくなるか具体的な例を上げてみましょう。

性器ヘルペスと言う性感染症は、性器に潰瘍が出来ることがあります。この状態でHIV感染者と性行為をすると、健康な人に比べて50倍から300倍も感染確率が高くなります。

普通に考えて、自分の性器に異常を感じて自覚症状があれば、性行為は控えるかも知れません。医者に診てもらうかも知れません。

しかし、何も自覚症状がなかったとしたらどうでしょうか。自分が性感染症に感染していることに気が付かず、病気はどんどん進行するし、HIV感染の危険度は高くなっていく。これはとても怖いことです。

このケースに当てはまるのが、クラミジア感染症淋菌感染症、性器カンジダ症などです。

クラミジア感染症の感染者数は日本に100万人以上いると言われています。桁違いの感染者です。しかも、かつての梅毒のように、年配の男性に多いのではなく、若い女性に感染者が多いのです。20歳から24歳までの女性では、16人に1人がクラミジア感染症だと言われています。(⇒「クラミジア感染症」参照)

ただ、非常に自覚症がない病気で、感染しても5人に4人はほとんど症状が出ないとも言われています。でも、このクラミジア感染症に感染した人が、HIV感染者と性行為をした場合には健康な人の3倍から5倍の感染確率になるのだそうです。

以上、お話してきたことから、保健所ではHIV(エイズ)検査と同時にクラミジア感染症や梅毒の検査も行っているのです。すなわち、検査を行う理由は以下の2つです。

◆HIVに感染していなかった場合

HIVに感染していなくても、クラミジア感染症や梅毒に感染していれば先に述べた理由により、今後の感染確率が高くなります。そもそも、HIV検査を受けにきたという事実からすれば、今後もHIVに感染するような機会を持つ可能性があると考えられます。

HIV感染予防と言う観点からも、他の性感染症も検査を受けた方がいいのです。むろん、HIVも梅毒、クラミジアも共通の感染ルートですから、HIV感染の疑いを持っていれば、当然これらの性感染症も感染の可能性があるでしょう。

◆HIVに感染していた場合

HIVと他の性感染症を同時に感染している場合、お互いに影響し合って病気の進行が速くなるのだそうです。具体的な例として、「性感染症」利部輝雄著(悠飛社)によれば、HIV感染者が梅毒にかかると、通常は3年くらいかかる感染第3期までが、わずか数カ月で進行してしまうこと もあるそうです。

また進行が速いだけでなく、症状も重症となり神経梅毒になるそうです。本にはその理由までは書いてありませんでしたが、HIVは人の免疫力を低下させるのですから、当然他に病気を持っていればその進行を速めることは想像できます。

以上の理由から、HIV検査を受けるときには他の性感染症も調べてもらった方が絶対にいい訳です。HIV検査の検査結果が陰性でも陽性でも、今後の予防や治療に役立ちます。

また、先ほどお話したクラミジア感染症のように、自覚症状の少ない性感染症では、自分から進んで検査を受けに行く機会は少ないでしょう。HIV検査を受ける機会を利用して検査を受けることは色んな面でメリットが多いと言えます。

あなたがHIVとの重複感染をチェックしたいなら、次をご覧下さい。

■「もしかして・・・」 HIV感染が不安なら迷わず検査。自宅でHIV検査が出来ます。
STDチェッカー TypeJ(男女共用)
HIV検査のみ
■HIVと最も重複感染が多い梅毒、B型肝炎。症状がより重症化することがあります。
STDチェッカー TypeO(男女共用)
HIV・梅毒・B型肝炎が同時に検査できます。

■検査キットの信頼性についてはこちら⇒検査の信頼性について

■検査キットを使った人のクチコミはこちら⇒利用者の声